100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD 外観編
箱
箱はタムロン最新世代と同じく白を基調としたデザイン。
ただし、中身の梱包はSPシリーズと違って少し安っぽい。付属品はレンズフードと保証書・説明書のみ。
ソフトケースは付属していない。
外装
開封の儀はすっ飛ばしてさっそく本題へ。
外装はこの世代のタムロンらしく落ち着いてエレガントなデザインだ。
SPシリーズでは無いものの、安っぽさは感じられない。
70-200mm G2と外観の比較
「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2」とサイズは似ているが、金属素材が多い70-200 G2は少しずっしりとした重量感を感じる。もちろん三脚座の有無もある。
100-400mmの質感も悪く無いが、よく見ると金属パーツでは無くプラスチック素材である部分が多い。よほど素材にこだわらない限りは気にならないレベル。
残念ながら70-200 G2の三脚座と100-400に対応する三脚座は全くの別物。そもそも取り付けることすら出来ないので、三脚座が必要な方は諦めて対応品を買いましょう。
スイッチなど
レンズ鏡筒には「日本設計」「中国製」の文字が記されている。
どうせなら「DESIGNED IN JAPAN」は「MADE IN CHINA」の近くに同じサイズで良いと思うのは私だけだろうか?
レンズにはVCモードとフォーカスモードの切り替えスイッチが搭載されている。
- VC1…通常の手ぶれ補正モード
- VC2…流し撮りモード
- VC OFF…手ぶれ補正オフ
- AF…オートフォーカスモード
- LIMIT…フォーカスリミッター
- MF…マニュアルフォーカスモード
と言った感じ。手ぶれ補正は普通の使い勝手なのだが、ややこしいのはフォーカスリミッター機能。
フォーカスリミッター機能は独立したスイッチでは無く、フォーカスモードスイッチを「LIMIT」に合わせることで作動する。
フォーカスリミッターは初期設定で1.5?7mと7m?∞だ。LIMIT中にAF開始時点のピント位置によってリミッターが近接側か無限遠側で作動するのか決定する。
つまり、ピント位置が1.5mにある状態でAFを作動させると近接側のリミッター状態。ピント位置が∞にあると無限遠側のリミッターが作動する。
問題は近接側でリミッターを使いたい場合。
近接側のAFリミッターを作動し、ピントが合わずにAFが7m(リミッターの境目)で停止すると厄介だ。この状態で再度AFを作動させると無限遠側のリミッター状態となる。このレンズで近接側を多用する人は少ないと思うが、そうした用途が多いのであればオススメしない。
なお、リミッターなどの設定は別売りのTAP in Consoleを使う事で調整可能。
なぜか100mmの近接位置のピント調整が元からマイナス設定となっていた。なぜだろう?
AFリミッターの設定はTAP in Consoleを起動するソフトウェアのバージョンが1.3でなければ操作出来ない。もしも1.2以前のバージョンを使ってるのであればアップデートのタイミングだ。アップデートはこちらから
手ぶれ補正は他のレンズと同様に「標準」「ファインダー優先」「補正効果優先」から選択可能。
ズームリング
100mmでロックできる機構を備えたズームリングは約130°の回転角。一度の操作で100mmから400mmまで移動するにはやや大きく感じる。
これはシグマの100-400mmよりも僅かに大きい回転角だ(シグマは90°ほど)。
ズームリングの動作は滑らか、そしてシグマよりも軽い(抵抗感が少ない)。
ちなみに「SP150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2(Model A022)」のようにフレックスズームロック機構は実装されていない。
ズームリングの回転方向はニコン純正の「AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR」と同じだが、キヤノン純正の「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」と逆方向である。
フォーカスリング
ピントリングの回転方向は逆にキヤノン100-400mmと同じでニコン80-400mmとは逆方向。ややこしいぜ!
ピントリングの回転角はざっくり90°ほど。これはシグマ100-400mmと同程度。
その他
フィルター径はシグマと同じ67mm。比較的リーズナブルなサイズのフィルターを使う事が出来るのはありがたい。
手に取るとこんな感じ。いくら競合と比べて小さいとは言え、70-300mmクラスの望遠ズームとは一線を画す大きさ。
400mmが必要かどうか、よく考えて購入するのがオススメ。
D850装着例
やはりレンズ全長は長い、特にフードを付けると収納性はそこそこ悪い。
三脚に載せて使うつもりなら三脚座は用意しないと安定感は悪い。
レンズが軽量なので手持ち撮影で振り回すには全く問題ない重さ。
手ぶれ補正の効き目はシグマよりも良い。
AF速度はドッコイかチョイ速だが、最終的な結論は実写を終えてから。
外観チェック
シグマ100-400mm DG OS HSMと比較
見た目はシグマの「100-400mm F5-6.3 DG OS HSM」と酷似している。
正直見た目で選ぶのならば「どっちも同じ」と言っていいほどソックリ。
操作性で言えばズームリングやフォーカスリングの滑らかでタムロンが有利。ついでにタムロンのフォーカスリングは幅が少し広く、ゴム製でグリップ良好。シグマの爪とぎのようなフォーカスリングはお世辞にも使いやすいとは言えない。
重箱の隅を楊枝でほじくると、シグマの外装は「Contemporary」感が強く、少し安っぽいか?タムロンの外装は「SP」シリーズと似ている。
一方でシグマのAFリミッターは独立して配置されているのでシンプルで使いやすい。MC-11でEマウントへの対応もバッチリという点は素晴らしい。
さらに直進ズームを想定したシグマのレンズフードはタムロンのそれと比較してしっかりとした造り。
外観編のまとめ
シグマと比べて甲乙つけがたい。と言うのが正直なところ。
前述したように見た目はどちらも良い。
基本的な使いやすさはタムロンがやや良好だがAFリミッターの仕様が気になる。
手ぶれ補正の効き目は「効果優先」にするととても良好な印象。まさにファインダーに張り付くような補正効果と感じる。必要であれば三脚座も装着可能。
タムロンの良いところ | シグマの良いところ |
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