シグマ「20-200mm F3.5-6.3 DG|Contemporary」のレビュー第二弾 解像チャート編を公開。20mmスタートの高倍率ながら広い範囲で優れた結果が得られました。ソニーF4 GやLUMIX 28-200mmとの比較あり。
簡易的なまとめ
世界初となる20mm始まりの高倍率ズームレンズとして、多少の妥協はあるだろうと予想していましたが…。良い方向に期待を裏切られる結果となりました。
画質の低下が無いわけでは無いものの、広い範囲で優れたパフォーマンスを発揮。特に標準から中望遠域はF4ズームと見比べても遜色のない結果が得られています。
20mmから200mmまでのカバーしている便利ズームとしては上々。
As the world's first high-power zoom lens starting at 20mm, I expected some compromises... but it pleasantly surprised me in a good way.
While image quality isn't perfect across the board, it delivers excellent performance over a wide range. Particularly from standard to medium telephoto, it holds its own against F4 zooms.
As a versatile zoom covering 20mm to 200mm, it's quite impressive.
20-200mm F3.5-6.3 DG|Contemporary Leica L | |||
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20-200mm F3.5-6.3 DG|Contemporary Sony E | |||
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20-200mm F3.5-6.3 DGのレビュー一覧
Index
解像力チャート
撮影環境
- カメラボディ:ILCE-7RM5
- 交換レンズ:20-200mm F3.5-6.3 DG
- パール光学工業株式会社
「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」
- オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・レンズ補正オフ - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
20mm
20mmで定型チャートを標準域や望遠域と同じサイズで撮影するには接写に近い状態まで近づく必要があります。この際は球面収差の増大、周辺や隅のパフォーマンスが低下しやすい点に留意してください。
テストでは接写でも絞り開放から優れた中央解像を発揮。周辺はF5.6まで絞ると中央に近い結果が得られ、隅は絞っても中央や周辺に追い付きません。
実写作例を見る限り顕著な画質の乱れはなく、全体像からすると無視できる範囲内の画質差。しかしF5.6くらいまで絞ると良いでしょう。
中央
周辺
四隅
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F3.5 | 4197 | 2853 | |
F4.0 | 4475 | 2717 | 2004 |
F5.6 | 4461 | 3594 | 2688 |
F8.0 | 4429 | 3622 | 2764 |
F11 | 4353 | 3830 | 3093 |
F16 | 3727 | 3438 | 2958 |
F22 | 3128 | 2875 | 3058 |
28mm
引き続き中央は絞り開放から優れた性能を発揮。
周辺や隅は出遅れるものの、F5.6まで絞ると急速に改善します。20mmと比べると中央との画質差が小さく、均質性は高い。
中央
周辺
四隅
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F4.0 | 4560 | 3069 | 2751 |
F5.6 | 4510 | 3826 | 3774 |
F8.0 | 4573 | 4096 | 4099 |
F11 | 4134 | 3821 | 3872 |
F16 | 3183 | 2805 | 2580 |
F22 | 2961 | 2751 | 2324 |
35mm
20mmや28mmと比べると、中央と周辺の画質差がほとんど無くなります。隅が僅かにソフトですが、F5.6まで絞ると改善。全体的に良好な結果。
中央
周辺
四隅
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F4.5 | 4502 | 3848 | 3030 |
F5.6 | 4703 | 4406 | 3957 |
F8.0 | 4587 | 4525 | 3790 |
F11 | 4719 | 4216 | 4017 |
F16 | 3878 | 3769 | 3674 |
F22 | 3267 | 2853 | 2725 |
F25 | 2443 | 2596 | 2143 |
50mm
このズームレンズでピークの性能。F5.6の絞り開放から、フレーム全体で優れたパフォーマンスを発揮。絞ってもほとんど改善しません。
開放F値が「F5.6」ということもありますが、絞る必要性を感じないのも確か。立派な性能。
中央
周辺
四隅
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F5.6 | 4700 | 4096 | 3707 |
F8.0 | 4767 | 4711 | 4243 |
F11 | 4423 | 4492 | 4193 |
F16 | 3757 | 3911 | 3505 |
F22 | 3190 | 3002 | 2955 |
F25 | 2581 | 2528 | 2853 |
85mm
50mmと同じく、中央から隅まで優れた性能を発揮。
開放F値が「F6.3」となるため、回折が発生し始めるまでのF値が狭い。F8以降で徐々にパフォーマンスが低下し始めています。ピークの性能はF10くらい、許容範囲はF16と言ったところ。
中央
周辺
四隅
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F6.3 | 4792 | 4254 | 3479 |
F8.0 | 4777 | 4474 | 3760 |
F11 | 4316 | 4220 | 4069 |
F16 | 3697 | 3993 | 3365 |
F22 | 3062 | 3097 | 2695 |
F36 | 2087 | 2079 | 2063 |
135mm
引き続き中央解像は健闘していますが、標準から中望遠域と比べると、周辺と隅のパフォーマンスが低下しています。絞っても画質の改善は期待できません。
しかし、全体的に良好な結果。高倍率ズームとしては文句ありません。
中央
周辺
四隅
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F6.3 | 4947 | 4096 | 3621 |
F8.0 | 4803 | 4096 | 3431 |
F11 | 4379 | 4058 | 3541 |
F16 | 3558 | 3740 | 3452 |
F22 | 2987 | 3086 | 2861 |
F32 | 2423 | 2306 | 2045 |
F40 | 2171 | 1979 | 1868 |
200mm
全体的にパフォーマンスが低下傾向ですが、それでも隅まで良像を維持。絞りによる改善効果は期待できないものの、絞り開放から問題はありません。高倍率ズームの望遠端としては良好な結果。
中央
周辺
四隅
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F6.3 | 4189 | 3120 | 2982 |
F8.0 | 4078 | 4040 | 2894 |
F11 | 4222 | 3740 | 3113 |
F16 | 3965 | 3416 | 3131 |
F22 | 3103 | 2661 | 2468 |
F32 | 2164 | 2324 | 2264 |
F40 | 1847 |
LUMIX S 28-200mm F4-7.1 Macro O.I.S. との比較
テスト機のメーカーや解像性能が異なるので参考までに。LUMIXはハイレゾモードでのテスト結果を参照しています。
全体的にシグマがより良好な結果が得られています。
LUMIXは50mm以降の絞り開放でコントラストが低下しやすく、中央のパフォーマンスが低下。ボケ質の観点から、開放の性能低下が短所と言い切れませんが、解像性能を重視する場合はシグマが好適。
FE 20-70mm F4 G との比較
- ソニーGの20mm隅のテスト結果が無いのは、歪曲が強すぎて測定ソフトが機能しなかったため。歪曲収差の補正は必須ですが、ソニーGはより良好な結果を期待できます。
- 28mmはシグマも悪くない結果がですが、ソニーGがやや有利。
- 35mmになると、ソニーGの周辺・隅が低下傾向。F値を揃えてみると互角。
- 50mmではシグマの均質性が高く、開放F値を加味しても全体的に良好。
- 中望遠域での一貫性はシグマがより良好。
シグマは開放F値に妥協が必要ですが、高倍率ズームながら優れたパフォーマンスを発揮しています。
FE 70-200mm F4 MACRO G OSS II との比較
- 中望遠域はほぼ同じ結果。ソニーはF4を利用できるぶん、自由度が高い。
- 135mmになると、シグマは周辺や隅で少し見劣る結果。開放F値に1段以上の差があるため、絞りの自由度が低い。
- 200mmまでピークの性能を維持しているソニーGと比べると、シグマは周辺や隅が低下傾向。
20mm始まりの高倍率ズームの望遠側としては優れた結果。F4ズームクラスに匹敵するとは言えないものの、望遠端以外は健闘。
まとめ
良かったところ
ポイント
- ズーム中間域で優れた性能と均質性
- 画質が低下するポイントが少ない
- 広い範囲で中央解像が絞り開放からピーク
世界初となる20mm始まりの高倍率ズームレンズとして、多少の妥協はあるだろうと予想していましたが…。良い方向に期待を裏切られる結果となりました。
画質の低下が無いわけでは無いものの、広い範囲で優れたパフォーマンスを発揮。特に標準から中望遠域はF4ズームと見比べても遜色のない結果が得られています。
20mmから200mmまでのカバーしている便利ズームとしては上々。
悪かったところ
ポイント
- 20mmは隅に向かって画質低下
- 200mmで全体的に画質低下
広角端と望遠端で画質が低下するポイントがあります。しかし、いずれも高倍率ズームレンズの短所としては予想の範囲内。
作例
関連レンズ
- LUMIX S 28-200mm F4-7.1 Macro O.I.S.
- FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS
- 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
- 28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
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