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COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII レンズレビューVol.5 ボケ編

コシナ「COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII」のレビュー第五弾 ボケ編を公開。ボケが強みとなるレンズではありませんが、極端に悪目立ちする要素はなさそうです。

簡易的なまとめ

ボケが強みとなるようなレンズではありませんが、極端に悪目立ちもしません。周辺や隅は少し騒がしく見えるものの、欠点というほどの問題でもなし。色収差は良く抑えられ、軸外収差も少し絞れば改善します。

This is not a lens where the bokeh is a strength, but it also doesn't stand out in a bad way. The periphery and corners look a little noisy, but it's not a problem that can be called a flaw. Chromatic aberration is well suppressed, and off-axis aberration can be improved by closing down the aperture a little.

COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PIIのレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

ニュートラル寄りですが、ボケの縁取りが弱く柔らかい描写の後ボケ。35mmレンズで前ボケが大きくなるシーンは多くないと思うので、後ボケ重視のボケは肯定的に評価できます。

前ボケ

後ボケと比較すると少し硬めの描写。2線ボケの兆候があるものの、35mm F2.5のレンズで過度に心配する必要はありません。軸上色収差の影響が残っていますが、悪目立ちしない程度に抑えられています。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

そもそも「35mm F2.5」で最短撮影距離 70cmレンズで大きなボケは得られません。また、ピント面直後のボケと比べると硬め。さらに軸外収差の影響で、フレーム隅に向かってボケが騒がしくなります。絞ると安定した描写になるものの、ボケがかなり小さくなってしまいます。

ボケ実写

至近距離

*ヘリコイド付きアダプターでレンズ仕様よりも近い距離で撮影しています。

接写時は全体的に良好な結果が得られています。フレーム隅において騒がしくなる兆候はありますが、ボケが大きいため気になりません。

近距離

*ヘリコイド付きアダプターでレンズ仕様よりも近い距離で撮影しています。

周辺部におけるボケの硬さが少し目立ち始めますが、それでも許容範囲内の結果が得られています。

中距離

周辺部が少しざわつく結果。気になる場合はF2.8-F3.5くらいまで絞ることで安定します。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。全身をフレームに入れて背景から分離することはできませんが、バストアップくらいまで近寄ることで大きなボケを得ることができます。ボケは滑らかで柔らかい描写と言えないものの、悪目立ちす色収差は良く抑えられています。

まとめ

ボケが強みとなるようなレンズではありませんが、極端に悪目立ちもしません。周辺や隅は少し騒がしく見えるものの、欠点というほどの問題でもなし。色収差は良く抑えられ、軸外収差も少し絞れば改善します。ミラーレスではヘリコイド付きアダプターを使用することで、最短撮影距離よりも近寄って撮影することができます。M型ライカでは難しいクローズアップや大きなボケを得ることが可能。この際のボケは広い範囲が滑らかで綺麗。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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