MegadapのソニーEマウントレンズ→ニコンZマウントボディ用レンズアダプター「ETZ21」が国内でも流通し始めました。今回はETZ21のサンプルを使ってAFの動作を確認しています。
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Megadap ETZ21のおさらい
ETZ21はミラーレス用のソニーEマウントAFレンズを他社であるニコンZマウントのミラーレスで楽しむためのAF対応レンズアダプター。フランジバックやマウント径の違いを活かした面白いレンズアダプターですね。現在、このアダプターの他に旧モデルとなる「ETZ11」やTECHART「TZE-02/01」が存在します。
最初に登場したのは「TECHART TZE-01」でしたが、互換性がイマイチだったり、APS-C Zカメラには物理的に干渉して使えなかったりします。後継モデルであるTZE-02もAPS-C Zカメラには依然として非対応。
MegadapアダプターはAPS-C Zカメラでも利用できるほか、EマウントレンズやZカメラとの互換性が向上しており、動作が安定しています。電子接点の無いMFレンズにも対応しています(TZE-01では非対応)。私は元々TZEユーザーでしたが、Z fcの購入を契機としてMegadapに乗り換えました。
Megadap ETZ21 | |||
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価格は各種販売店で3万円前半となっています。AF対応のレンズアダプターとしては適正価格で、高くもなく、安くもなくと言ったところ。アダプターの特殊性を考慮すると手ごろな価格。
AFの動作確認
留意事項
今回は焦点工房から「ETZ21を使ってみないか?」と面白い提案を受けてサンプルを提供してもらいました。この際に金銭の授受は無く、レビュー内容について指示も受けていません。無意識にバイアスがかかっている可能性は否定できませんが、レビューの姿勢は基本的に従来通りです。
今回はファーストインプレッションと言うことで、AFの動作を軽く検証してみました。使用する機材は以下の通り。
- Nikon Z 7
- Megadap ETZ21 最新ファーム
- Megadap ETZ11 最新ファーム
- NIKKOR Z 24-120mm F4 S(ネイティブレンズの参考として)
- FE 24-105mm F4 G OSS
- AF 50mm F1.4 FE II
それぞれのレンズ・アダプターでチェックしたのは以下の通り。
- 1点AF 中央・隅
- ピンポイントAF 中央・隅
- AF-S
NIKKOR Z 24-120mm F4 S
中央1点
純正レンズの中央1点と言うことで文句ナシの高速AF。今回のテストシーンではピントに迷うことなく近距離から遠景まで素早く切り替えることが可能だった。
隅1点
基本的には中央と同じ感覚で利用できる。特にパフォーマンスが低下した印象は受けない。
ピンポイントAF 中央1点
遠側から近側に移動する際は1点AFよりも合焦速度が僅かに低下する。とは言え、ストレスフリーのAF速度に違いは無い。
ピンポイントAF 隅1点
1点AFと同じく、隅でも良好なパフォーマンスを発揮している。
Megadap ETZ11
中央1点
ネイティブレンズと比べると、若干ぬるっとしたフォーカス速度に変化する。特に不満と感じるフォーカス速度では無いので、キレのあるAF速度を要求しない限り問題ないレベル。もちろんレンズの駆動方式が異なる(DDSSM)ので全く同じにはならない。
隅1点
ネイティブレンズと比べるといくらか合焦速度が低下し、稀にピントが迷子になる。それでもマウントアダプター経由のAFとしては十分良好で、後継モデルが登場した今でも十分におススメできる水準。
ピンポイントAF 中央1点
そもそも論として、ETZ11はピンポイントAFに非対応。どう頑張っても合焦しない。
ピンポイントAF 隅1点
当然ながら隅でもピンポイントAFは不可。
Megadap ETZ21
中央1点
ETZ11と比べるとキビキビ動くようになった。正確に言うと「初速が向上した」。
と言うのも、合焦直前に僅かなウォブリング動作があり、フォーカスがロックされるまでワンテンポ遅れる場合がETZ11よりも多い。結果的に合焦時間はETZ11と同等。既にファームウェアアップデートを繰り返しているETZ11と比べると、ETZ21は始まったばかり。今後のファームウェアアップデートで合焦直前のウォブリング動作改善に期待。
隅1点
基本的な傾向としては中央と同じ。
ピンポイントAF 中央1点
ETZ11では不可能だったピンポイントAFが普通に利用可能。1点AFと比べてネイティブレンズとの差は大きくなるものの、ピンポイントAFで合焦速度を追求する人は少ないはず。ただ、全ての状況で作例動画ほど上手くいくわけでは無く、状況によっては合焦しない場合もある。
ピンポイントAF 隅1点
中央と比べて合焦まで時間がかかる、合焦しない場合が増えるものの、それでもなんとか動作可能。テンポよく撮影をしたいのであれば、この辺りの使用は避けたほうが良いかも。三脚に搭載してじっくり撮影するなら使えなくもない。
大口径レンズ
ETZ21
大口径レンズ使用時でも中央・隅どちらでも快適なAFを利用可能。
ETZ11
中央はETZ21とほぼ同じものの、隅にピントを合わせようとすると動作が急激に不安定となる。
見比べる
中央1点
癖が異なるものの、ほとんど変わらない合焦速度で快適に利用可能。
隅1点
中央と同じくそこまで差が無いように見える。
大口径レンズ
やはり周辺部を利用した場合の安定感に大きな違いがある。
まとめ
ETZ11と比べて数千円の値上がりとなってしまったものの、場合によって周辺部を使ったAFの安定性が向上し、ピンポイントAFが利用可能となっているので差額分以上の価値はあるは。合焦直前のウォブリングは気になりますが、始まったばかりのETZ21であるため、今後のファームウェアアップデートで改善すると期待したいところ。
実写、特に静止した被写体を撮影する分には使い勝手で問題を感じませんでした。当然ながらレンズ補正は無効となるので、歪曲収差や周辺減光が強いレンズとは相性が悪いです。
AF-Cが使えるか?
う?ん…、使えないこともないですが、それを前提にアダプターとレンズを買い揃えるのはおススメできません。信頼できる追従AFが必要であれば、純正ZレンズやFTZアダプター経由のFマウントレンズを揃えたほうが良いでしょう。
ソニーEマウントとニコンZマウントの両システムを保有しており、Eマウント用レンズを使っていつもとは違った撮影を楽しみたい時に検討できるアイテムです。TECHARTのTZEシリーズや、旧モデルTZE11と比べておすすめしやすいアダプターに仕上がっています。
ETZ11ユーザーの場合、ETZ11の使い勝手に満足しているのであれば、早急に乗り換える必要はありません。ただし、周辺部にピントを合わせる機会が多く、ピンポイントAFも活用したいのであれば検討する価値はありそう。今回は言及していませんが、アダプターの作りも良くなっているので、財布の中身に余裕があればおススメです。
購入早見表
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作例
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