- 2017.8.8:「4Kタイムラプス」の項目を追加しました。
- 2017.8.8:高感度ISO・長秒ノイズ・ダイナミックレンジの項目を追加しました。
- 2017.8.7:実写レビュー「自然風景」を追加しました。そろそろ高感度チェックや6D Mark IIのオススメカスタマイズについて作成を始めます。
- 2017.8.5:実写レビュー「那谷寺にて」「実写における高感度チェック」を追加しました。
追記:外観レビューに「右肩の改善点」「絞りプレビューの不満」を追加しました。 - 2017.8.4:実写レビュー ファーストインプレッションを追加しました。
- 2017.8.4:ひとまずページを作成し外観編を追加しました。高感度・実写編は作例を収集中です。
EOS 6D Mark IIがやってきた!
先代のEOS 6Dから5年ぶりにリニューアルされた「フルサイズEOS」のエントリーモデル。
EOS 6D Mark IIは一体何が良くなったのか?気になるポイントはどこか?
このページでEOS 6D Mark IIに関して徹底レビューしていきたいと思います。
外観
全体像チェック
全体的にAPS-CセンサーサイズのEOS 80Dに似ていますね。
6D Mark IIで気になるポイントとしては…
- 握りやすいグリップ
- EOS 5D Mark IVのようにレリーズ端子がカメラフロントへ移動
- EOS 80Dのようにマイク端子がバリアングル液晶との干渉を避けるように配置
- 「測距エリア選択モード切り換えボタン」の追加
- バリアングルモニタ+タッチパネルの搭載
- 透過液晶のインテリジェントビューファインダー採用
と言ったところでしょうか。それでは一つずつ見ていきましょう。
握りやすいグリップ
EOS 6DやEOS 80Dと比べて劇的に改善していると言う感じではありませんが、「おお、良くできてるねぇ」と褒めたくなるポイント。
先代EOS 6Dのグリップよりも指のかかりが良好。PENTAX K-1の握りやすいグリップに近い気がする。
ちなみにシャッターボタンはクリックレスタイプ。
シャッタボタン半押しまでが浅く、半押し中のアソビは深く、全押しのストロークは深い印象。
よく考えられている端子の配置
N3レリーズ端子がカメラフロントへ移動しました。
これによる利点はなんと言っても「レリーズ端子が独立している」「バリアングルと干渉しない」ということに尽きる。
特に三脚を使ったスローシャッター撮影などではバリアングルを展開してレリーズケーブルを使う方も多いはず。Lブラケットを装着する場合にも干渉しませんね。
さらに他の端子から独立していますので、悪条件の環境下におけるカメラ保護も対策を取りやすくなっています。
便利なバリアングルモニタに付き纏う問題が「左側面のアクセサリドアとの干渉」ですね。
特に小型軽量なミラーレス一眼では常にこの問題に悩まされています。
しかし比較的大きなボディである一眼レフのEOS 6D Mark IIは、EOS 80Dと同じくマイク端子がバリアングルモニタと干渉しない位置に配置されている。
特に動画を撮影する方にはありがたいポイントと言えるかもしれません。(ただし、ヘッドホン端子や動画の出力形式で制限があります。その辺は比較ページを参照してください。)
新たに追加された「測距エリア選択モード切り換えボタン」
EOS 6Dには無かった「測距エリア選択モード切り換えボタン」が追加されています。
測距点が6Dと比べて増加しているため、フォーカスエリアやモードの切り替えを行う回数が増えてくるはず。それを考慮するとこのボタンが非常に重要。
シャッターボタンのすぐそばに配置されているので、撮影態勢を崩すことなく使う事が出来るのは便利ですね。
ちょっと気になったのはコマンドダイヤル。6Dから大きな変化の無いポイントですが、Kiss X9が質感の高いローレット仕上げに変更されています。
20万のカメラとしてはやや安っぽいダイヤルかなと思ったものの、よく見るとEOS 5D Mark IVとあまり変わらないですね。指のかかりはX9のローレットよりも6D Mark IIの方が良好。厚手のグローブなどを着用したまま操作することを考えると、6D Mark IIのような無骨なダイヤルの方が良いかもしれませんね。
よく考えられた右肩ボタン群の形状
EOS 6Dと同じボタン配置ですが、ボタン形状・デザインが微妙に異なる。
EOS 5D Mark IVと同じくボタン周辺部が隆起し、それもボタン毎に隆起している形が異なる。
これによりファインダーを覗きながらでもボタンの感触を間違えることなく操作可能。小さな改善点ですが、よく考えられているなと感じるポイント。
便利なバリアングル・透過液晶ファインダー
フルサイズの一眼レフカメラとしては初めてバリアングルモニタを搭載しました。(フルサイズ一眼カメラで括るとα99が初ですかね)
使い勝手はEOS 80Dと同様…と思いきやちょっとした違いがある。
- ライブビューAFの測距輝度範囲が-2.5EVまで拡大(EOS 80Dでは0EV)
- 拡大ボタンが押しやすい位置にある(ライブビューで拡大する機会が多い場合有用)
さらに言えばEOS Mシリーズで採用が始まっている「フォーカスピーキング」や「スモール1点」などがあれば完璧だったかなぁと。
ファインダー透過液晶を搭載するタイプなので少し暗い。マニュアルフォーカスレンズをファインダーで使うのは先代6Dと比べて難しく感じるかもしれません。
しかし、2軸水準器・グリッドなどを始めとする便利な情報を表示できる点はグッド。
初期設定ではほぼ全ての表示がオフとなっているので注意してください。
レンズ組み合わせ・Kiss X9との比較
比較的軽量なズームレンズとの相性は良好。
それよりも何よりも、軽量な単焦点レンズとの組み合わせが面白そうな予感。バリアングルを使ったローアングルやハイアングル撮影が非常に捗りそうな印象しか持たない。早くバッテリー充電完了しないかな。
ライブビューAFはとても良好。海外のサイトで「ファインダーAFよりもライブビューのが速い」と言うのは強ち誇張でもないのかなと。
バリアングルモニタを搭載する一眼レフとしてはそれぞれ最軽量となるEOS 6D Mark IIとEOS Kiss X9の図。さすがにX9と比べると6D Mark IIはデカいですな。
EOS Kissとの棲み分けは出来るのか?
う?ん、非常に難しところ。6D Mark IIも結構軽いので、レンズ付けると「どっちでも良いかな!」と言うほどの重量差しかない。機能性は圧倒的に6D Mark IIの方が良好。
とは言え、ミラーレス一眼と比べるには6D Mark IIのサイズは一線を越えている。その点Kiss X9はミラーレス一眼とも戦えるサイズ・重量。
つまりは、EOS MシリーズでEFレンズをアダプタ経由で使うくらいならEOS Kiss X9がオススメ。
絞りプレビューボタンは押し辛い
EOS 80Dと同じくマウント右下に存在する「絞りプレビュー」ボタン。
初期設定では露出設定の絞り値をファインダーで確認するための絞り込み機能。しかし、これをカスタムすることで「ワンショットAF・サーボAFの一時切替」機能などに変更可能。
自身のスタイルに合わせて適切な機能を配置できるボタンですが、実はちょっと使いづらい。ボタンの頭が小さく指が掛かりづらい上に、押し込みのストロークが深いため反応が悪い。
例えば冬場に厚手の手袋を装着すると非常に押し辛い、もしくは押し込めなくなる。素手で使っている場合には大きな問題ではありません。
外観のポイント
Good
- 測距エリア選択モード切り換えボタンが追加されている
- 拡大ボタンが押しやすい
- 透過液晶で情報量の多いファインダー
- バリアングルモニタ+タッチパネル
- マイク端子とバリアングルが全く干渉しない
- 軽量で単焦点・パンケーキレンズとの相性は抜群
Bad
- ファインダーがやや暗い
- マットな外装はスレが目立ちやすい
- ダイヤルの質感
- 絞りプレビューボタンの形状とストローク
フルサイズ一眼でバリアングルを使いたいのであれば貴重な選択肢。
実写レビュー
ファーストインプレッション
まずはバリアングルモニタを使ったローアングル撮影でパチリ。
動きがトロそうなヤギですが、草を食べながらモリモリ前進。これをモニタ固定のカメラ、例えばEOS 5D Mark IVで撮影しようと思うと難しいかもしれませんね。ノーファインダー・ノーモニターで連射して使えそうなコマを探す作業が待っている事でしょう。
EOS 6D Mark IIならばバリアングルモニタで一発。デュアルピクセル CMOS AFはこの程度の動物なら余裕で追従してくれます。
スムーズゾーンAFはフォーカスフレーム内でピントが合っている部分をクラスター表示するので便利。
ローアングルの望遠で前ボケを入れた撮影も楽ちんです。
ただし、ピントを手前の雑草に引っ張られる場合があるので、AFポイントは1点を使った方が良いでしょう。
EOS 80Dと同様、絞りプレビューボタンにワンショットAFとサーボAFの一時切替機能を設定。やはりボタンが押しにくい。場所の割にストロークが深いので思ったよりも押し込まないと作動しない印象。なぜここまでストロークを深くしたし。
もう一枚、地面スレスレからの仰角撮影。
このようなシーンではモニタ固定式のカメラではまったく構図を確認することが出来ません。スマホで遠隔操作するか、何枚か出鱈目で撮影すり必要があるカットです。
レンズは超広角「Irix 15mm F2.4 Blackstone」を使用。マニュアルフォーカスレンズながらバリアングル中に拡大表示でピント合わせは簡単。少し気になったのは拡大表示から一発回帰するボタンが無い。オプションメニューに何かないかと探してみたもののありませんでした。
Irix 15mm F2.4はサードパーティ製レンズなので互換性が心配でしたが問題無く動作。ファインダー撮影時にはフォーカスアシスト(MF中にピントが合うと電子音が鳴る)も作動する。
ローアングルの近接撮影も超らくちん。これだからバリアングルはやめられない。
既に我が家にはモニター固定式の一眼カメラがパナソニックのGM1Sくらいしか存在しない。それほどまでに可動式液晶モニタ万歳派。
縦構図3連発。
上下チルト式では縦構図でモニタの確認が難しくなります。展開は面倒くさいですが、バリアングル液晶は縦構図でもしっかりモニタを確認できるのがグッド。
摘んだのに置いて行かれた可哀そうな向日葵たち。
大人の人も結構摘み取っていたなぁ…。ここは摘み取りOKだったかしら?
ところ変わって東尋坊。岩肌が熱すぎるぜ!
夏の日差しを浴びる自然風景は自ずと輝度差が付くのです。すると気になるのがダイナミックレンジ。
今回のシーンでは特に問題は無いレベル。
同じようなシーンでダイナミックレンジがトップクラスのフルサイズ一眼「PENTAX K-1」と比べてどうよ?
ちょっとK-1有利かな?と言う気もしますが、どのみち極端に持ち上げると画質が落ちるため、パッと見はドッコイドッコイです。
ただし、シャドーを持ちあっげる機会が多く、それがマストな後処理であるならばD810やK-1を選んだ方が良いかもしれませんね。(ダイナミックレンジで選ぶのならば5D Mark IVよりはソニーセンサーの方がオススメ)
性懲りもなく縦構図3連発。
今回は横構図よりも多く撮っていたかもしれません。
撮影を終えて
- バリアングル超便利
- デュアルピクセル CMOS AFのサーボは実用レベル(激しい動体では未検証)
- 絞りプレビューの深すぎるストローク
- ダイナミックレンジは許容範囲で自然風景なら問題無
- 拡大機能の使い勝手がイマイチ
安定のキヤノンクオリティ。
特に「うおおおおお!すっげぇぇぇぇぇ!」なんて機能や性能はありませんが、撮りたいと思った撮影を手軽に楽しめる便利さが備わっています。
後日、屋内や寺院を撮影する予定。高感度やノイズ処理をメインとした実写レビューになるかもしれません。
今回撮影した写真はFlickrにアップロードしています。
那谷寺にて
石川県加賀市にある那谷寺にて。
高低差のあるお寺なのでローアングルやハイアングルで撮影したいポイントが点在している。
日陰となっている場所が多く、F8?F11まで絞ると感度がISO 1000?3200程度を多用することになる。
初めは「低感度で撮りたいなぁ…」と思ったが使ううちに「ISO3200程度までは画質低下を意識せずに使う事が出来る」と感じるように。
顔の汚れ方からメンチ切ったように見える護美小僧。
那谷寺にはこの小僧がそこら中に立ってポイ捨てを監視している。いや、心に訴えかけている。
Irix 15mm F2.4 Blackstoneにてパチリ。
マニュアルフォーカスレンズ、さらに超広角レンズとあってファインダーを使ったピント合わせが超シビア。
しかし、EOS 6D Mark IIにはフォーカスアシスト(フォーカス中にピントが合うと電子音と光で知らせてくれる機能)があるため苦にならない。
被写体との距離によってはピントの山を掴み切れていない時があるので過信は禁物。
道中の立派な木をパチリ。
太陽が写りこむほど輝度差のあるシーンですが、ハイライトもシャドー共に健在。ダイナミックレンジが狭い狭いと言われていますが、自然風景なら十分と言うことが出来るレベル。
5D Mark IIIと同等のレベルであり、5D Mark IIIで「ダイナミックレンジが狭いぞこの野郎!」と言う声は多かっただろうか?
より広いダイナミックレンジが必要と言うシーンでは1EV程度のダイナミックレンジ差では物足りない気がするのです。
その他作例
自然風景(龍双ヶ滝・池田町渓流)
福井県今立郡池田町に存在する龍双ヶ滝を訪れました。
広角レンズ+防塵防滴+バリアングルを試すには絶好のロケーションと言えるでしょう。
山の谷間に存在するこの滝は太陽が真上に上る時刻にも関わらずやや暗い。手ぶれ補正が非搭載の「Irix 15mm F2.4 Blackstone」では心もとないかな…と思いつつもこれしか無いのでレッツチャレンジ。
防塵防滴と言う事もあって滝の下まで近寄り、さらに小川スレスレのローアングルで撮影。
APS-CのEOS 80Dでは防塵防滴に対応する超広角レンズが非常に少ない。EOS 6D Mark IIは防塵防滴のフルサイズ対応レンズが多いと言う事がメリットと感じます。
水滴が前玉に飛び散る為フッ素コーティングや防汚コートを採用するレンズ、もしくはプロテクトフィルターの装着がオススメ。
「手振れは防ぎたいが、滝の流れを表現したい」と言う場合にはやはり手ぶれ補正非搭載はキツイ。およそ1/15秒前後までしか保持出来ない。
やはり「EF16-35mmF4L IS USM」を購入するべきか…。
アイレベルでの撮影もおよそ1/15秒程度が限界。
ドライブモードで「ソフトシャッター」を選択して挑戦したがそこまで改善しない。2600万画素とやや高画素になったことで手振れへの要求シャッタースピードが上がっているかもしれませんね。
三脚を立ててスローシャッターも実施予定だったのですが、何しろ夏休みで観光客が多い。
スペースの広い観光地では無いので三脚の長秒露光は難しかったです。
今回の失敗は低感度を欲張りすぎて手振れによるミスショットが連発したこと。感度AUTOで撮っておけば良かったなぁ…。
場所を変えて池田町の足羽川渓流。
渓流はハイライトとシャドーの輝度差が付きやすいロケーションですね。フレームに極端なハイライトを混ぜないように撮影するか、輝度差の大きいどちらかを取捨選択する必要が出てきます。
昨年の秋頃にPENTAX K-1で撮影したもの。
EOS 6D Mark IIよりも1.5EVほどダイナミックレンジが広いと言われているだけあってシャドーの持ち上げ耐性には違いを感じます。しかし、ハイライトの諧調は6D Mark IIとあまり差が無く、飛ぶところはしっかり白飛びしています。
ダイナミックレンジよりも3600万画素と2600万画素の差の方が大きい印象ですね(あとはローパスフィルターの差)。解像力はPENTAX K-1の方が良好です。
まぁ、拡大して使う・鑑賞しない限りは差は感じませんが…。
ミラーレス一眼と比べて「光学ファインダーは偏光フィルターの効果が分かりやすい」と言う事を発見。
ミラーレス一眼ではマイクロコントラストの変化が分かりづらい。最新の240万や360万ドットの電子ファインダーならまた違うのかもしれませんが…。
その点、光学ファインダーは葉を照らす一枚一枚のハイライトの変化すらしっかりと判断可能。
最近はすっかりミラーレス一派となってしまったものの「光学ファインダーも捨てたもんじゃねえな!」と感じる場面でした。
バリアングル液晶を展開して縦構図のハイアングルを2枚。
水平を出し辛いですが、構図を確認しながら腕を上に伸ばして撮影が出来ることは便利。
やはりこのカメラと超広角レンズの相性はとても良好。
実写における高感度チェック
石川県加賀市にある那谷寺の本殿にて。
ISO 12800でここまで写れば十分でしょう、ISO 5000は非常に実用的なレベル。
もちろん低感度で撮るに越したことはないですが、許容範囲を決めるとしたらISO6400まで。非常用にISO 12800まで躊躇なく使うと言った感じ。
全体像では分かりづらいと思うので、下記にクロップを掲載。
念のために補足すると、このようなシーンでは手ぶれ補正が強力なほど有利。
ミラーレス一眼のショックフリー電子シャッターとレンズ+ボディ手ぶれ補正を駆使するとおよそ3段?4段程度の感度差が発生する。
下記は昨年オリンパスのOM-D E-M1とM.ZUIKO DIGITAL 12-100mm F4 IS PROで撮影したもの。
静物相手だと手ぶれ補正が強力な方が有利ですが、シャッタースピードを維持する必要がある動体撮影においてはフルサイズが有利となるでしょう。
高感度ISO・長秒ノイズ・ダイナミックレンジ
細かい検証内容は別ページにて展開。ここではざっくりと所感を書いておきます。
高感度ISOノイズ
個人的にはISO6400までは常用可能なレベル。ISO12800も屋内や暗所での撮影ならばやぶさかでない。
フルサイズ一眼カメラに求める高感度性能は達成している。
しかし、画質を求めるなら低感度で撮りたいのはやまやまで、画質をシビアに見るならISO1600?3200が限界値。この辺はソニーセンサーを積んでいるPENTAX K-1と似た印象。有効画素数の違いはありますけども…。
色再現はISO40000まで良好。特にISO25600でややこけ始めるPENTAX K-1よりは僅かに粘っている。
ちなみにマルチショットNRを使うくらいなら、高感度ノイズ低減を強にした方が使いやすい。
長秒ノイズ
テストは60秒のバルブタイマーでダークフレームを撮影。RAW形式をそのままLightroomで後処理無しで現像したもの。
ISO3200までは良好。ISO6400で目立ち始めるも許容範囲。ISO12800はダークフレームがそのまま星空となる。
ダイナミックレンジ(シャドー側)
ISO100で撮影したRAWファイルを+3EV増感して現像を実施した画像
シャドーを持ち上げる場合、後処理のデジタル増感が有効と感じるのは+3EVまで。
+4EV以上はアナログISO感度を上げて撮影し、後処理の増感を抑えた方が良好。
と言っても普通に使っていて+4EVも増感するのは稀。逆光ポートレートや野生動物の撮影などで、フラッシュを焚けないようなシーンならば少し気になるかもしれませんね。
操作・機能性
インテリジェントビューファインダーII
ファインダー内に電子水準器やグリッド、AFフレームなど各種情報が豊富に表示できる透過液晶が内蔵されています。
電子水準器は2軸であり、1軸でしかも傾き加減が見辛いAPS-C EOS 80Dよりも非常に分かりやすい。
こうやって見るとAFエリアは非常に狭いですね。とは言え広いAFフレームを持つ上位機種との差は僅かで、ミラーレス一眼カメラとの差に比べると些末なこと感じる。
ディテール重視が追加された
新しいピクチャースタイル「ディテール重視」が加えられた上、シャープネスの仕上がり設定が細かくなりました。
「強さ」「細かさ」「しきい値」の組み合わせ次第でこれまでのキヤノン機では実現できなかった線の細いシャープネスのJPEG出力が可能です。
上記の表から分かるように「ディテール重視」は「細かさ」と「しきい値」が他の数値よりも低く設定されています。
細かく設定できる一方で、自分の好みとなる線の細さを出すための調整が面倒です。時間に余裕があるときに設定を変更しながら試写してみると良いかもしれません。
- 強さ…エッジのコントラストを強調する量・エッジの濃さ
- 細かさ…エッジの太さ
- しきい値…シャープネスを適用するかどうかのコントラスト適用量(低いと適用範囲が広い)
バルブタイマー機能
バルブモードにおいて露光時間を指定して撮影できるようになりました。
例えば30秒を超えて、60秒・1分・5分30秒など細かく設定できます。天体撮影やNDフィルターを使った長秒露光の際にとても便利な機能です。
EOS初の4Kタイムラプス動画機能
一眼レフのEOSシリーズとしては初となる4Kタイムラプス動画を生成可能。従来のFHDタイムラプスよりも高解像に撮影できます。
同じフルサイズのEOS 5D Mark IVや似た機能性のEOS 80DはFHDまで。さらに撮影時の露出は1枚目に固定されてしまうと言う気難しい一面が存在します。
EOS 6D Mark IIはタイムラプス動画撮影中の自動露出更新にも対応しており、一枚目に固定するか更新するかを選択可能です。自動更新機能は6D Mark II固有と言うよりは9000DなどDIGIC 7世代の特徴かもしれませんね。
ライバルモデルのNikon D750は露出更新(露出平滑化)機能は備えていますが、やはりFHDまでの画質となっています。
さらに言えばEOS 6D Mark IIの4Kタイムラプスはドットバイドットでは無く、クロップ無しでレンズ本来の画角を使う事が可能。特に超広角の4Kタイムラプスを気軽に撮影したいのであればオススメできる機種かもしれませんね。
インターバル撮影で後処理するような本格派の場合にはこの限りではないでしょう。
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