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キヤノン EOS R5 Mark II レビューVol.5 ダイナミックレンジ編

キヤノン「EOS R5 Mark II」のレビュー第五弾 ダイナミックレンジ編を公開。EOS R5よりもメカニカルシャッターと電子シャッターの差が小さく、ほぼ気にならないレベルまで抑えられているように見えます。

簡単なまとめ

積層型CMOSセンサーによる高速性能を手に入れたEOS R5 Mark IIですが、ダイナミックレンジの代償はごく僅か。EOS R5や競合他社と比べて明らかに見劣ることはありません。少なくとも競合機種であるZ 8よりも若干良好。

メカニカルシャッターと電子シャッターの差は小さく、EOS R5よりも躊躇せずに電子シャッターを利用できるようになっています。ただし、ベストを尽くす場合はメカニカルシャッターのRAWを選択することになりますが…。

The EOS R5 Mark II gets high-speed performance from its stacked CMOS sensor, but at a very small price in terms of dynamic range, which is not obviously inferior to the EOS R5 or its competitors. It is at least slightly better than its competitor, the Z 8.

The difference between the mechanical and electronic shutter is small, and the electronic shutter can be used without hesitation over the EOS R5. However, if you want to do your best, you will have to choose RAW with mechanical shutter...

ダイナミックレンジを確認する

撮影環境

  • EOS R5 Mark II
  • SIGMA 70mm F2.8 DG HSM(他のカメラでも固定)
  • EF EOS-R(他のカメラでも固定)
  • NANLITE Pavotuve 6C II(他のカメラでも固定)
  • CCTモード 100%(他のカメラでも固定)
  • ISO 100 F5.6 固定(他のカメラでも固定)
  • シャッタースピードの変化で適正露出と±5EVに調整して撮影
  • Adobe Camera RAWのLightroom Classicc CCにて現像
  • シャープネス・ノイズ補正・レンズ補正 オフ
  • 各撮影データは適正露出に増感・減感後に現像
  • 必要か所をクロップして比較
  • 上の画像は露出調整前のサンプルで、これを「+-0」の露出に調整します。

ファイルサイズの確認

  • メカニカルシャッター RAW:41.3MB
  • メカニカルシャッター C-RAW:16.3MB
  • 電子シャッター RAW:41.8MB
  • 電子シャッター C-RAW:16.7MB

メカニカルシャッターと電子シャッターでファイルサイズはほぼ同じ。ただし、電子シャッターのほうが僅かにファイルサイズが大きくなる傾向があります。これはシーンに関係なく、暗部のノイズが増えているためと予想。

メカニカルシャッター RAW

高速ローリングシャッターに対応した積層型CMOSセンサーの代償として、ダイナミックレンジの低下を心配していましたが…。どうやら杞憂だったようです。少なくともメカニカルシャッターのRAWでは何の問題もありません。

(同じ光環境・レンズ・露出でテストした)競合するニコン「Z 8」よりも暗部のノイズが同程度で、ハイライトが僅かに飛びにくくなっています。

メカニカルシャッター C-RAW

明部の白飛び閾値は同程度。暗部のノイズが僅かに増加しています。ファイルサイズの大幅な圧縮を考えると、ダイナミックレンジの犠牲は大部分の撮影で気にならない程度。明部の白飛びを抑えつつ、暗部のノイズを最大限に抑えたい場合はRAWを使ったほうが良いでしょう。

電子シャッター RAW

明部の白飛びはメカニカルシャッターと同程度ですが、暗部はメカよりもノイズが若干多め。気になるほどでは無く、メカニカルシャッターのC-RAWよりも良好。EOS R5のように、電子シャッター時の大幅なノイズ増はありません。風景撮影など広いダイナミックレンジが必要なシーンでも心配する必要はほとんどないように見えます。

電子シャッター C-RAW

電子シャッターのC-RAWはRAWとほとんど同じように見えますが、暗部の本当に暗い部分におけるノイズが若干多め。ただし、結果はメカニカルシャッターのC-RAWとほぼ同じ。

暗部ノイズの確認

-5EV復元時におけるメカ・電子シャッター使用時のRAW・C-RAWを比較。
最もパフォーマンスが良いのはメカニカルシャッターのRAW。EOS R5 Mark IIでベストの結果を得たい場合はこれを選択する必要があります。

次点は少し複雑で、本当に暗部のノイズだけに着目すると、メカニカルシャッターのC-RAWよりも電子シャッターのRAWでノイズが目立ちます。ただし、少し明るい領域はメカニカルシャッターのC-RAWのノイズが強め。

電子シャッターのC-RAWは最もノイズが多いものの、暗部を過度に持ち上げなければメカニカルシャッターのC-RAWと同程度の結果が得られます。

まとめ

積層型CMOSセンサーによる高速性能を手に入れたEOS R5 Mark IIですが、ダイナミックレンジの代償はごく僅か。EOS R5や競合他社と比べて明らかに見劣ることはありません。少なくとも競合機種であるZ 8よりも若干良好。

メカニカルシャッターと電子シャッターの差は小さく、EOS R5よりも躊躇せずに電子シャッターを利用できるようになっています。ただし、ベストを尽くす場合はメカニカルシャッターのRAWを選択することになりますが…。

C-RAWはファイルサイズを効果的に圧縮しながら良好に画質を維持しています。RAW現像時に露出調整や大幅な暗部補正をしないのであれば、C-RAWで問題はありません。ニコンの高効率RAWほど有効ではないものの、ストレージを節約したいときに重宝することでしょう。

参考情報

購入早見表

作例

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