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EOS RPをより使いやすくするための方法 カスタマイズレビュー編

このページではキヤノンのフルサイズミラーレス「EOS RP」のおススメカスタマイズをレビューしています。

撮影メニュー編

オート低速限界を活用する

絞り値優先モードの場合、シャッタースピードは手ぶれしない限界値まで自動的にガンガン下がる。逆に、もっともシャッタースピードを落としても良いところでISO感度が上がりやす場合もあったりします。

  • 絞り値を操作したいけど、シャッタースピードもある程度は維持したい
  • 絞り値優先モードでもう少しシャッタースピードを落としてISO感度維持したい

と言った時に設定するのが「オートの低速限界」。

「自動設定」の場合は装着したレンズの焦点距離を基準として、シャッタースピードの限界値を遅くしたり速くしたりすることが可能。

「手動設定」の場合はレンズの焦点距離に関係なく、設定したシャッタースピードを割り込みそうなときにISO感度が上がる仕組みとなっています。

具体的な仕様例としては、大口径レンズで絞り値を操作しつつ動き回る子供がブレない程度にシャッタースピードを調整する時。私は手動設定で「1/320?1/500秒」に設定しています。

逆に風景撮影などの場合、「自動設定」で「遅め-2」に調整して利用しています。

残念なことに、Fvモードではこの設定が有効となりません。

高感度ノイズ低減機能を調整する

EOS RPの高感度ノイズ耐性はEOS Rに匹敵するくらい良好なので、無理にノイズリダクションを強めにかける必要性は無いかなと感じます。

個人的にはディテールを優先して「弱め」設定がおススメ。オフにするとカラーノイズがいささか目立つ場面もあるため、「弱め」がバランス良いように感じます。

「標準」や「強め」はディテールを潰す傾向があるので個人的には避けたい設定。人によって好みが分れると思うので、実際にノイズリダクションを切り替えて自分に合う強度にするのが良いでしょう。

露出シュミレーションを「プレビュー」時のみ反映する

従来のEOSライブビューにおける「露出シュミレーション」はオンとオフのみ。オンの場合に露出結果がライブビューに反映され、オフの場合はピクチャースタイルとオートライティングオプティマイザのみ反映される。

EOS RPではオンオフに加えて「絞り込み中」と言った選択肢が加わっています。これはボタンカスタマイズで設定可能な「絞り込み」ボタンを”押している間”のみ露出結果をライブビューに反映できる機能。

絞り優先AEやシャッタースピード優先AEでは特に必要性が低い機能。しかし、フレキシブルAEでは設定値次第で一時的にライブビューが超アンダー・超ハイキーになりやすい。これが問題となる場合は絞りプレビュー中のみ露出シュミレーションを反映する設定が役に立つ。

出来れば十字キーに配置したいのだけど、「押し込み系」機能は対応していなのが残念。このあたり、キヤノンは融通が利かない。

顔検出モードをロックオンAF仕様に変更する

EOS RPの「顔検出・追従優先モード」初期設定の場合はオートエリア状態で任意の1点から追従を開始することが出来ません。しかし、この設定項目で1、もしくは2に設定しておくことで任意の測距点から追従を開始することが出来ます。

人物以外の被写体を追いかける際に便利なモードです。ニコンの3DトラッキングやオリンパスのC-AF+TRと似たような動作で、シャッターボタンを離すとロックオンが解除されて任意の1点から再開可能。

1と2の違いは他のAFモードとAFエリアの位置を共有するかどうか。特にこだわりが無ければ2で良いでしょう。

ワンショットAFの場合は顔検出がオンとなっている場合、任意の測距点より優先されてしまうので注意が必要。

タッチ&ドラッグAFを活用する

EOS RPにはマルチコントローラーが無い代わりに、ファインダーを覗いた状態でタッチパッドを使うことでAFフレームを移動可能(タッチ&ドラッグAF)。

初期設定ではこの機能「オフ」になっていたかもしれないので、使いたい人は真っ先に確認しておくと良いでしょう。

設定項目はオン・オフの他に位置指定方法とタッチ領域の指定が可能。「絶対位置」はモニターの領域とAFフレームが完全に同期するので素早いフレーム移動に向いていますが、誤操作でAFフレームを見失う可能性も高いので注意が必要。「相対位置」はパソコンのマウスと似たような操作感覚で使うことが出来る。

タッチ領域は右目・左目のどちらを使うかによって鼻がモニターに当たる位置を考慮したり、右手・左手どちらで操作するかによって指定する領域が変わってくるかと思います。自分の使いやすい領域に設定すると誤操作を低減することが出来ます。私はコンパクトなレンズを装着することが多いので、左手操作のために「左領域」で設定しています。

低照度サーボAFを「露出シュミレーションオフ」で改善する

詳しくはEOS Rのレビュー記事を参照してください。

ここでざっくり説明すると、EOS R系の低照度サーボAF性能はモニター上の露出結果に影響されるため、超アンダーの場合はたとえ日中であったとしてもサーボAFが上手く動作しません。

逆に暗所でもハイキーの状態でサーボAFを動作させると通常時よりも安定したAFが可能だったりします。

暗所でも安定したサーボAFを利用したい場合は「露出シュミレーション」をオフ、または絞り込み中のみ動作するように設定変更するのがおススメ。ライブビュー像が明るくなりサーボ動作が安定します。

電源オフ時でもピント位置を固定する

EOS Rシリーズは電源オフで所定の位置までピント位置が戻されます。RF35mm F1.8 IS MacroやEF50mm F1.8 STMなどレンズ繰り出し式のフォーカスタイプで電源オフ時にレンズが鏡筒内に格納される動作がソレです。

この動作がオンの状態だとピント位置を固定するために常に電源をオンにしてく必要があります。これではバッテリーの消費が激しいですね。そこで役に立つのがこの機能。

この設定項目をオフにすることで電源オフでもピント位置が固定されるようになります。無限遠に固定する天体撮影や風景、ゾーンフォーカスで固定する場合のスナップで有効な方法です。

注意点はもちろんレンズが格納されなくなること。インナーフォーカスならともかく、レンズが大きく前に繰り出すようなレンズは取り扱いに注意したいところ。

社外製マニュアルレンズを使う

初期設定の場合、電子接点の無いレンズはレリーズが禁止されています。(レンズが装着されていない状態と認識してしまうため)

このため、「C.Fn III」からレンズなしレリーズを「する」設定に変更する必要があります。

ボタンカスタマイズ編

カスタマイズ可能ボタンの紹介

シャッターボタン

シャッター半押しでAFを作動させるか、親指AF(後述)に委ねるかの選択が可能。特にこだわりが無ければ初期設定以外に選択肢が無い。

RECボタン

初期設定は動画録画開始。少し押し辛い配置となっており、誤操作を予防するためにもそのまま録画開始として使うのが無難かも。動画撮影をしないのなら、ここにMENUや拡大機能などを配置すると使いやすくなる。

M-Fnボタン

カスタマイズ可能なボタンの中でもカメラをグリップした状態で最も押しやすい配置。初期設定のダイヤルファンクションで利用するのも一つですが、オンオフを多用する「拡大」や「絞りプレビュー」を設定するのも面白い。

AF-ONボタン

M-Fnボタンと同じくグリップした状態で押しやすいボタン。親指の腹で簡単に押せるぶんM-Fnボタンよりも使いやすい。個人的にはコチラにダイヤルファンクション機能を配置したほうがしっくりくる。

初期設定の「AF開始」機能はAELボタンやレンズボタンにも配置可能。好みで使い分ければ良いかなと思います。

AELボタン

配置と割当機能がAF-ONボタンと似ているものの、比較して少し押し辛い。このボタンを多用したいのであればエクステンショングリップ「EG-E1」を装着するのがおススメ。

測距選択ボタン

AELと異なりAF-ONボタンや録画開始など、一部機能を割り当てることが出来ません。どうしてこのような差別化を図っているのかは不明。

AELボタンと同じくエクステンショングリップ「EG-E1」を装着しないと少し押し辛い。

レンズボタン

今のところレンズボタンを有するRFレンズが無いため、一部のEFレンズのみ対応。EOS RPユーザーでこのボタンのあるレンズを組み合わせるとも思えないので基本的にはスルーでOK。

十字ボタン

「AFフレームダイレクト選択」以外の機能なら4方向にそれぞれ任意の機能を割り当て可能。

EOS RPは「タッチ&ドラッグAF」を利用できるため、方向ボタンでAFフレームを移動する必要性は低いはず。それよりショートカット機能を4つ割り当てることが出来る利便性のほうが大きい。

SETボタン

EOS RPはSETボタンもカスタマイズ可能。Qメニューが必要なければココにも機能を割り当てることができる。

ダイヤルファンクションやボタンカスタマイズを駆使することでQメニューからカメラを設定する機会は少なくなるはず。

新露出モード「Fv」に最適化する

Fvモードについての紹介と感想はEOS Rのページを参照してください。

ここでざっくり説明すると、「絞り値」「シャッタースピード」「ISO感度」をそれぞれ「AUTO」と「任意の設定値」に切り替えることが出来る自由な露出モード。組み合わせによって「P/A/S/M」従来すべての露出モードへ変化させることのできる柔軟性の高さがポイント。

注意点は「任意の数値」から「AUTO」へ切り替えるためには設定値を左に振り切る(例えばシャッタースピードなら30秒以上にダイヤルを回すとAUTOになる)必要があること。絞り値はともかく、幅の広いシャッタースピードやISO感度でダイヤル操作するのは面倒くさい。

そこでボタン一発でオートに戻してくれる便利な機能をボタンに配置します。

一つの設定値をリセットする機能「AUTO」と、全ての設定をリセットする機能「ALL AUTO」の2種類。基本的には「AUTO」で良いかなと思うのですが、一気にプログラムオート状態に移行したい場合があるならば「ALL AUTO」も設定しておくと良いでしょう。

私はAELに「AUTO」を配置し、やや押し辛い配置に「ALL AUTO」をセットしています。

屋外でワンタッチにモニターを明るくする

EOS RPは小さなファインダーよりも背面モニターで撮影する人が多いかもしれません。

しかし、明るい日中では背面モニターを視認し辛いのが難点。そんな場面が多いのであれば、ショートカット機能で一時的にモニタを明るくする機能を配置すると便利。

一度モニター輝度を上げると再度ボタンを押して輝度を落とすか、電源オフするまではこの状態が維持されます。日中でも割と視認性が高いのでおススメ。

どのボタンにも割り当てることは可能ですが、入り切りする頻度は少ないと思うので方向ボタンがおススメ。

親指AFに対応する

シャッターボタンから「AF」の機能を切り離し、他のボタンへAF機能を割り当てる方法。

スポーツやマクロ撮影など、AFボタンとシャッターボタンを押すタイミングにズレがあるようなシチュエーションで使いやすい。

  1. シャッターボタン半押し機能を「測光開始」に変更する
  2. 任意のカスタマイズボタンに「AF開始」を割り当てる

RECボタンやM-Fnボタンにも「AF開始」を割り当て可能。マクロレンズならそれも一つの方法となりますが、「サーボAFで押しっぱなし」にしたいスポーツシーンなどであればAF-ONボタンやAELボタンに割り当てるのが無難。

右手でメニュー画面を呼び出す

EOS RPのメニューボタンは従来通り背面左上に配置されています。左手が空いている状況ならば問題なく操作できますが、撮影中に素早く呼び出したい時は少し煩雑と感じるボタン配置です。

EOS RPはMENUボタンの代わりにメニュー画面を呼び出す機能をボタンカスタマイズで配置することが可能。

個人的には方向ボタン「下」に配置すると結構しっくりくる。

EOS RPカスタマイズ所感

ここ最近のキヤノンミラーレスらしく、比較的カスタマイズに寛容的で思っていたよりも自由度が高い。EOS Rのメニューシステムと見比べて設定項目の配置が大きく異なるため操作で迷うものの、探してみると見つかる項目が多いことには驚きました。

主要なカスタマイズはEOS Rとほぼ同等で、EOS RPで出来ない事と言えばRに搭載された「M-Fnバー」のカスタマイズが無いことくらい。正直に言うと無くても困らない機能なので、基本的な操作性はEOS Rに近いところまで煮詰めることが出来るはず。むしろ余計な操作部材が無い分、こちらのほうが操作しやすいような感覚すらあります。

購入早見表

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