オリンパス製ミラーレス「OM-D E-M5 Mark III」の徹底レビュー第7回目。今回はE-M5 Mark IIIのメニューシステムやカスタマイズについてレビューするページを公開しました。
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E-M5 Mark IIIメニューシステム
動画で確認
E-M1 IIから続く「TruePic VIII」世代のメニューレイアウトです。
シンプルな配色となっており、以前のように色付けされていないので前世代のOM-Dと比べると分かりづらいかも。特に複数のページが存在するカスタマイズは苦行。アルファベット「A=AF」「B=Button」「C=Continuous」「E=Exposure」「F=Flash」「I=Eye」と言った感じで覚えておくと分かりやすいかも。
ファインダーを覗きながらメニュー画面を呼び出すと、強制的にモニター側へ表示が切り替わるのは相変わらず。バリアングルモニタを裏返しにしておくとファインダーで操作できます。またはアイセンサーをオフにして表示切替ボタンを操作が必要。
メニュー操作中にアイセンサー動作でファインダーに表示が切り替わり、同時にメニュー画面から抜けてしまうのも相変わらずフラストレーションが溜まるポイント。この融通効かない仕様はそろそろ改善して欲しいですねえ。
撮影メニュー1
従来通りの「撮影メニュー1」。
カスタム設定とインターバル・ブラケット撮影以外は何らかの方法でカメラのボタンから直接呼び出すことが出来るので使用頻度の少ない設定画面。
特に設定項目が多いインターバル撮影とブラケット撮影の機能変更はこのメニュー画面から導入する必要があるので少し面倒。「OM-D E-M1X」でマイメニューを導入したにも関わらず、E-M5 IIIで実装していないのは理解に苦しむポイント。どちらにせよメニュー画面を開く必要はありますが…。
カスタム設定は要注意
カスタム設定は他のOM-Dと比べて癖があるので注意が必要。
この世代のOM-Dは従来の「マイセット」が無くなり、「カスタム設定」と対応する「カスタムモード」をモードダイヤル上に配置しています。E-M1 Mark IIやE-M1Xはモードダイヤルの「カスタムモード」数に合わせた設定数です(E-M1Xなら4枠、E-M1 IIは3枠)。しかし、E-M5 Mark IIIはモードダイヤル上に1枠、さらにメニュー画面から呼び出すことのできる2枠が存在します。
「カスタムモード2・3」に登録した設定内容は「P/A/S/M/C」に「呼出」で設定を上書きして使うことになります。しかし「C」に上書きしても一部の設定が上書きされません(ボタンカスタマイズなど)。一度「P/A/S/M」に登録してから「C」へ「登録」する必要があります。
また、「P/A/S/M」に設定を「呼出」と全てのモードに呼び出した設定が適用される点にも注意。例えば、「C2」に特殊な撮影設定・ボタンカスタマイズを登録しておき「P/A/S/M」に設定を呼び出すと、呼び出す前のカメラ設定を復元することは出来ません。「C」または「C3」に一般的な設定を登録しておかないと手動で戻す羽目になります。
もう少しカスタムモードの数を増やしてほしいところ。せめて5枠は欲しい。
OM-D E-M1Xはボタンカスタマイズで「カスタムモードの一時的な切替」機能を設定可能です。マイメニューと同じく、この機能もE-M5 Mark IIIに欲しかったところ。
撮影メニュー2
ブラックアウトしている項目は「HDMI出力」時に利用できない機能群。
各種特殊な撮影機能を利用できる「撮影メニュー2」。内容は従来通りで特筆すべきポイントは無し。
各種ブラケット撮影の設定はこのメニュー画面からのアクセスが必須。そろそろ改善して欲しいところですねえ。ブラケットモードと簡単な設定変更ならば「BKT」割当ボタンを長押しすることで選択メニューへ移行することが可能。
個人的にはハイレゾショットの設定メニューへショートカットできる長押しボタンが欲しいところ。
深度合成は上位機種と差別化あり
E-M1XやE-M1 Mark IIは合成枚数を「3?15枚」と幅広く調整可能ですが、E-M5 Mark IIIは8枚固定です。ソフトウェア的な棲み分けなのか、ハード的な限界なのか…(センサーとプロセッサーは同じだが、バッファは明らかに小さい)。
動画メニュー
基本的にはE-M1 IIやE-M1Xと同様ですが、画質設定の設定項目が少なくなっています。ホワイトバランスの調整やマニュアル露出モードのISOオートに対応していないので注意。
再生メニュー
特にこれと言って大きな変更点は無し。シングルカードスロットなので、E-M1Xのような「全コマコピー」機能がありません。
セットアップ
基本的に従来機通りで大きな変更点は無し。
「モニター調整」はこのセットアップメニューに存在するものの、「EVF調整」はカスタマイズメニューに存在するちぐはぐっぷりは健在。
カスタマイズ
A1
目新しい機能は「C-AF中央スタート」と「C-AF中央優先」の二つ。
ALLエリア・グループエリアにおけるC-AFはこれまで完全なカメラ任せでしたが、規則性を設けることで使いやすくなっています。C-AFメインで撮影する人であればチェックしておきたいポイント。
その他設定項目は従来通り。親指AF仕様にしたい場合、「AEL/AFLモード」を変更して任意のボタン配置に「AEL/AFL」を設定すればOK。
A2
上位機種(E-M1X)の「カスタムターゲットモード」や「縦位置・横位置切替」はありません。
「カスタム設定」でエリア設定をダイヤル操作で切り替えることが出来るようにしておくと便利。測距エリア選択ボタンを「AEL/AFL」ボタンに割り当てておくと、スムーズな親指のダイヤル操作が可能。ターゲットモードを頻繁に変更する人ならおススメ。
A3
特にこれと言った変更点は無し。
E-M1Xの「追尾被写体設定」機能はありません。
A4
特にこれと言った変更点はありません。
B
基本的には従来通り。ボタンカスタマイズは長くなるので後述します。
C1
この価格帯でフリッカー低減機能を搭載しているマイクロフォーサーズ機は「LUMIX G9」と「OM-D E-M5 Mark III」。OM-D E-M1 Mark IIもファームウェアアップデート「3.0」で対応しています。
連写の速度調整はE-M1 IIやE-M1Xと同様。最高コマ速がAF-C時に10コマ秒、AF-S時に30コマ秒(メカシャッターの場合はAF-C 6コマ秒、AF-S 10コマ秒)となっているので調整可能な幅は狭い。
E-M1 IIやE-M1Xよりバッファが半分程度となっているので、特に連写枚数を重視する場合やプロキャプチャーを多用する場合はコマ速を意識して調整すると良さそう。
C2
特にこれと言った変更点はありません。
D1
特にこれと言った変更点はありません。
D2
特にこれと言った変更点はありません。
E-M1 Mark IIやE-M1Xのように「(ライブビューの)フレームレート」変更機能はありません。
D3
特にこれと言った変更点はありません。
D4
E1
特にこれと言った変更点はありません。
E-M1 Mark IIやE-M1Xが実装している「低感度画像処理(解像優先・連写優先)」モードには非対応。
E2
特にこれと言った変更点はありません。
E3
特にこれと言った変更点はありません。
F
特にこれと言った変更点はありません。
G
特にこれと言った変更点はありません。
H1
特にこれと言った変更点はありません。
H2
特にこれと言った変更点はありません。
I
特にこれと言った変更点はありません。
「EVF自動切換設定・EVF表示スタイル」はモードに関わらず設定が反映されます(カスタムモードを含む)。
J1
特にこれと言った変更点はありません。
J2
特にこれと言った変更点はありません。
バッテリー「BLH-1」を使用しているE-M1 IIやE-M1Xのように、バッテリーのシリアルナンバーや残容量のパーセント表示、劣化度などは表示できません。
カスタマイズ・設定
OM-D E-M5 Mark IIIの一部機能をピックアップして紹介。
C-AF中央スタート・優先
オートフォーカスレビュー編でも紹介しましたが、C-AF中心に撮影するのであれば目を通しておきたい設定項目。
1点以外のターゲットモードでC-AFスタート時は中央から開始する「C-AF中央スタート」機能。
グループエリアモードで中央を優先し、周辺を領域拡大として使用する「C-AF中央優先」機能。
中央優先は少し癖のある使い勝手なので、まずは「中央スタート」を設定するのがおススメ。
ボタンカスタマイズ
基本的にオリンパスらしいボタンカスタマイズ。前述した通り、カスタムモードを一時的に呼び出す機能があるとなお良かった。
カスタマイズ対応ボタンは軽10カ所。動画モードは別に登録することが出来ます。カメラサイズを考慮するとボタンカスタマイズの自由度は非常に高い。左肩の2ボタンも自由なカスタマイズが可能な点でE-M1XやE-M1 Mark IIと違った使い方も可能。
フリッカーレス撮影
E-M1XやE-M1 Mark II(FW 3.0)と同じく自動的に動作するアンチフリッカー機能が備わっています。他社と比べて実装時期は遅かったものの、アンチフリッカーとしての効果はしっかりとしています。
雑感
E-M1 Mark IIやE-M1Xと同じく「TruePic VIII」世代らしいデザイン。
相変わらずページ数の多い「カスタム設定」、「マイメニューの欠如」や「カスタムモードの仕様」はまだまだ改善が必要と感じます。幸いにもボタンカスタマイズの自由度が高いので、一度カメラの設定を煮詰めてしまえばメニュー画面にアクセスする必要性は低いはず。その際、「カスタムモード」の呼び出しで各種設定を上書きで抹消しないように気を付けたい。
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参考:E-M1 Mark II・E-M1X
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