「SG-image AF 55mm F1.8 STM」のレビュー第三弾 遠景解像編を公開。像面湾曲の影響があるため絞る必要あり。しかし、十分に絞れば隅までシャープな結果を得ることが出来ました。
簡単なまとめ
E&Iクリエイション株式会社より無償貸与の製品を使用しています。
レビューにあたり金銭の授受や内容への指示は全くなかったことを明記しておきます。
このレンズで遠景を中心に撮影する機会は少ないと思いますが、もし撮るのであれば絞りの選択には気を付けたいところ。中途半端な絞りでは像面湾曲の影響が解消せず、パンフォーカスが得られない可能性があります。シャッタースピードやISO感度への影響も配慮しつつ、十分に絞るのがおススメ。
I think there are not many opportunities to use this lens to take photos of distant scenery, but if you do, you should be careful when choosing the aperture. If you use a halfway aperture, the effect of field curvature will not be eliminated, and you may not be able to achieve a pan-focus effect. I recommend fully opening the aperture while also considering the effect on shutter speed and ISO sensitivity.
SG-image AF 55mm F1.8 STMのレビュー一覧
- SG-image AF 55mm F1.8 STM レンズレビューVol.4 ボケ編
- SG-image AF 55mm F1.8 STM レンズレビューVol.3 遠景解像編
- SG-image AF 55mm F1.8 STM レンズレビューVol.2 解像チャート編
- SG-image AF 55mm F1.8 STM レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
遠景解像力
テスト環境
- 2024.12.12 晴れ 微風
- α7R V
- SG-image AF55mm F1.8
- ISO 100 絞り優先AE
- Adobe Lightroom Classic CC
・シャープネス オフ
・レンズ補正オフ
テスト結果
F1.8の絞り開放は全体的に収差が残るソフトな結果。極端に酷くはないものの、シャープな結果を得たいのであればF5.6-F8まで絞るのがおススメ。特に隅は像面湾曲の影響で改善速度が遅いため、中途半端な絞りではソフトな結果となります。F8まで絞ってしまえば、フレーム隅までシャープな結果を得ることが可能。
中央
少なくとも絞り開放付近は球面収差や色収差が残存しており、中央でも少しソフトな結果。F2.8まで絞ると改善傾向を示し、F5.6でピークの結果。
周辺
中央よりもやや甘く、細部まで良好な結果を得たい場合は少なくともF4、出来ればF5.6まで絞りたいところ。F5.6以降は中央と同程度の結果を得ることが出来ます。ただし、倍率色収差の軽微な影響あり。
四隅
極端ではないものの、中央や周辺と比べると甘めの画質。傾向としては周辺部と似ており、F5.6-8まで絞ると良好な結果を得ることが出来ます。
像面湾曲
像面湾曲とは?
中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。
最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。
ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。
実写で確認
中央と隅でそれぞれピントを合わせた結果を見比べてみると一目瞭然。像面がフラットではないため、ピントの合う撮影距離が異なるようです。これを改善するには絞りを閉じて被写界深度を深くするしかありません。遠景でパンフォーカスを狙う場合は十分に絞る必要があります。
まとめ
このレンズで遠景を中心に撮影する機会は少ないと思いますが、もし撮るのであれば絞りの選択には気を付けたいところ。中途半端な絞りでは像面湾曲の影響が解消せず、パンフォーカスが得られない可能性があります。シャッタースピードやISO感度への影響も配慮しつつ、十分に絞るのがおススメ。
絞れる環境であればかなりシャープなレンズとなります。絞り開放の解像性能は期待すべきではありませんが、極端に荒れている領域はありません。実用に十分と言えるでしょう。
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