ひょんな事から手に入れてしまったフルサイズ対応の標準大口径(APS-Cでは中望遠)
状態もよろしくDA★55mmよりも軽量コンパクトなので、K-1に装着して気軽にお散歩カメラとして活躍が期待出来るレンズ。中古相場は現在およそ2万円、新品で買っても3万円ちょいなのでDA★55mmの半値程度で購入出来る。
フィルター径はフィルム時代のスタンダードであった49mm。現行Limitedレンズも多くが49mmを採用しているのでフィルターの使い回しがし易いのも特徴。(反面DA★55mmはFA31mmと同じ58mmだったりする)
似たようなレンズ構成になっているが、FA50mmF1.4はDA★と比べてレンズの構成枚数が少なく特殊レンズは使用されていない。よって諸収差の徹底的な補正で言えばDA★の方が良好。
DA★と比べて防塵防滴のシーリングは施されていないので、ハードなロケーションに担ぐには少々頼りない。
円形絞りではないので、絞って玉ボケを作ると角ばってやや目立つ傾向にある。
絞りリングを搭載しているので、マウントアダプター遊びがし易いレンズ。手持ちにマイクロフォーサーズ機があるので、そちらで使えば35mm判換算で100mmF1.4の大口径望遠レンズ。
フォーカシングでフィルター枠は回転しないので角形でも丸型フードを装着しても問題無い。DA★55同様でフォーカシングで鏡筒が伸びるタイプ。ボディ内駆動の為、音は大きい。フォーカシングはDA★55より早く感じる(K-3での使用感)。
フードをフィルターねじに装着しても、フード内側にネジが切ってあるのでフロントキャップはそのまま装着出来る。
この状態でフィルターをフードに取り付けられそうだったが、C-PLをはめ込もうものなら取り外せない恐れがあったので敬遠した。素直にフード外してフィルターを装着した方がよさそうだ。
実写
ちょうど福井県竹田のしだれ桜が見頃だったので、APO70-200mmの試写も兼ねてコイツも使ってきた。色乗りはややサッパリ系。DA★のような高コントラストのしっとり艶がある写りとはまた違う感じ。
巷の評価通り、開いてふわっと柔らかく、絞って引き締まる典型的なレンズ。開放では収差やカラーフリンジが目立つものの、F5.6まで絞れば残存収差が解消されてかなり引き締まって写る。
DA★55mmは開放からピント面がかなりシャープに写るが、その分カラーフリンジが非常に目立つ。反面、FA50mmは程よく収差が残っている為かカラーフリンジが大きく目立たない印象(被写体にもよるだろうけども)。
最短撮影距離まで近寄って絞り開放で撮るとご覧のとおり激薄ピントに。
接写で使う分には程よい滲み方で、これを「柔らかい」と表現しても申し分ない。滲んではいるが、ナチュラルで綺麗なボケだと思う。
前述したように、たまボケを作るなら絞り開放で(円形絞りでは無いため)撮りたいところ。やや絞って微妙な大きさのボケを作るとざわつく傾向にある。
F5.6付近まで絞らなくとも、1~2段絞れば写りはかなり引き締まる。上の写真はF2.8で撮影したもので、猫の顔周辺をトリミングしている。中央はF2.8でバッチリ使える。周辺に被写体を置く場合はやや甘いのでもう少し絞った方がよく写る。
全域でF4~F5.6で安定した描写が得られるので、それ以降の絞りは被写界深度の調節として機能する。
APS-Cの2400万画素で結構頑張ってくれるので、画素ピッチがK-5程度のK-1なら全然問題無さそうな感じ。あとはイメージサークルが広がって周辺描写がどこまで落ち込むのかが気になるところ。
公式スペシャルサイトの「レンズラボ」ではいち早くFA50mmF1.4をK-1に装着した作例が公開されている。そこではF18までガッツリ絞って撮影されているので一概には言えないものの、質感描写はかなり良好なんじゃなかろうかと期待させてくれる写りをしている。
フィルム時代のレンズながら、ボディ内のレンズ補正を使用出来る点もGoodなポイント。
貴重な大口径レンズ
明るいレンズが少ないKマウントにおいて、F1.4の存在は貴重だったり。競合レンズはDA★やシグマの50mmEX DGで、それらと価格を比べるとかなりお手頃。
オールドレンズらしい写りと引き締まった写りの2種類を楽しめる標準レンズ。それでいて、軽量・コンパクト・49mmフィルターでとってもライトウェイトなレンズなので魅力的。フードを装着したままのキャップ脱着が簡単で、仕舞ったり出したりという場合にクイックな準備行動が出来る点も良し。
見た目は古臭いレンズだが、装着して使っていると結構しっくりきたりする。DAレンズよりも何故かしっくり来るのはなぜだろう(個人的に)。この勢いでFA35mmF2を見かけたら確保してしまいそう。
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