ニコン「Z50II」のレビュー第四弾 ISO感度・RAW編を公開。古いセンサーですが、高ISOに関しては(引き続き)良好な結果が得られるようです。
簡単なまとめ
遡れば2016年の「D500」系譜と思われる2000万画素センサーですが、高ISO感度性能に関してはまだまだ現役。競合機種として低解像が功を奏しているのか、ISO 12800くらいまでは実用的な画質を維持しています。富士フイルムやソニーの2600万画素 CMOSと比べて大きな強みとは言えないものの、古いセンサーとしては健闘していると思います。
The 20-megapixel sensor, which can be traced back to the D500 in 2016, is still going strong in terms of high ISO sensitivity performance. It maintains practical image quality up to around ISO 12800, which may be due to the low resolution of competing models. Although it is not a major advantage compared to the 26-megapixel CMOS sensors from Fujifilm and Sony, I think it is doing well for an older sensor.
Z50II のレビュー一覧
- ニコン Z50II レビューVol.4 ISO感度・RAW編
- ニコン Z50II レビューVol.3 ドライブ編
- ニコン Z50II レビューVol.2 メニュー編
- ニコン Z50II レビューVol.1 ダイナミックレンジ編
- ニコン Z50II ハンズオンレビュー
RAWとISO感度
RAW
Z50IIは従来の「14bit RAW」「12bit RAW」の2択ではなく、「ロスレス圧縮」「高効率★」「高効率」の3種類に変化しています。「12bit RAW」の選択肢はなくなってしまいましたが、効果的にファイルサイズを圧縮することができる高効率RAWが特徴と言えるでしょう。同じシチュエーションでファイルサイズを見比べた結果が以下の通り。
- ロスレス圧縮RAW:24.7MB
- 高効率★ RAW:15.2MB
- 高効率 RAW:10.2MB
- 14bit RAW Z fc:25.9MB
- 12bit RAW Z fc:21.0MB
ご覧のように、従来の12bit RAWの半分程度までファイルサイズを抑えています。単純にストレージを半分ほど節約できるため、「高効率」の名に恥じない高い圧縮率を実現しているようです。
高圧縮率のRAWにおける画質への影響は以前のレビュー記事を参照してください。結論から言うと、暗部を極端に持ち上げるとロスレス圧縮RAWと比べて僅かに差がある程度。一般的な撮影でRAWの柔軟性を要求しない場面では全く問題ありません。
ISO感度メニュー
ISO感度のシステムは従来通り。使用ISO感度や上限のISO感度を設定したり、絞り優先モードなどでシャッタースピード自動調整の下限を設定する「低速限界設定」機能などが存在します。
ISO AUTOはこのメニュー画面でオンオフを切り替えることが可能。さらにボタンカスタマイズで「ISO」機能をボタンに割り当てている場合、ボタン押し込み時のフロントダイヤル操作で切り換えることが出来ます。
低速限界設定
ISO AUTO時に自動で調整されるシャッタースピードが設定値を下回ることでISOを上昇させる「低速限界設定」に対応。もちろんISO AUTO以外では動作しないので注意。
例えば被写体がぶれないように1/500秒に設定しておくと、絞り優先モードでも1/500秒以下にシャッタースピードを落とさないようにISO感度が自動調整されます。絞りの設定値を維持しつつ、光環境・光量が不安定な状況で有効な手段と言えるでしょう。
限界設定「オート」設定の場合は「1/ レンズの焦点距離」に自動設定されます。さらに、1段刻みで前後2段分のシャッタースピード調整が可能。
個人的に低速限界設定は重宝している機能ですが、この機能に素早くアクセスできるボタンカスタマイズが無いのは残念。メニュー画面を開いてISO感度ページまでアクセスする必要があります。(ソニーやパナソニックはショートカット機能あり)
代替手段として、マイメニューのトップに「ISO感度設定」を配置し、ボタンカスタマイズで「マイメニューのトップ項目へジャンプ」を任意のボタンに割り当てることで素早くアクセスすることが出来るようになります。
ただし、この機能はカメラで一つしか設定できないため、他の機能で利用している場合は使うことができません。
ISO感度の操作
メニュー画面から操作するほか、タッチパネルや「ISO」機能を割り当てたボタンを押すことで操作することが出来ます。「i」メニューにも割り当て可能ですが、ボタンとダイヤル操作に比べると少し手間がかかります。
ISO感度ごとのノイズ
モノクロチャート
ISO 800までは暗部までクリアな画質。ISO 1600から暗部で徐々にノイズが増えてきますが、ISO 3200までは良く抑えられています。ISO 6400になると明部でもノイズが目立ち始めます。それでもISO 12800まではカラーノイズ低減機能を活用しつつ実用的な画質を維持。
ISO 25600以降はカラーノイズが増大。緊急時を除いて使うのが憚られる画質。特にISO 51200以降は暗部がノイズまみれでコントラストが低下します。ISO Hiを使うくらいであれば、簡易的でも三脚や光源を用意したほうが良い結果が得られます。
カラーチャート
見栄えの良い色を維持しているのはISO 12800まで。少し寛容的になればISO 25600くらいまででしょうか。ISO 51200以降はノイズリダクションやAIノイズ低減を活用したほうが良さそうです。
参考:Z fc
テスト環境がやや異なるので参考までに。Z50IIと同じく、実用的な画質はISO 6400-12800くらいまで。APS-Cセンサーとして(際立った性能ではないものの)良好な結果。比較的古いセンサーですが、高ISOに関してはまだまだ現役と言えそうです。
まとめ
遡れば2016年の「D500」系譜と思われる2000万画素センサーですが、高ISO感度性能に関してはまだまだ現役。競合機種として低解像が功を奏しているのか、ISO 12800くらいまでは実用的な画質を維持しています。富士フイルムやソニーの2600万画素 CMOSと比べて大きな強みとは言えないものの、古いセンサーとしては健闘していると思います。
もちろん、ローリングシャッターなど高ISO以外の部分で足を引っ張っている印象はぬぐえません。
ISO感度の操作性は従来通り。前後ダイヤルを搭載しているので、ISO AUTOへの切り替えが簡単。ソニーやパナソニックのように「低速限界設定」への素早いアクセスに対応していないのは残念ですが、代替手段でそれっぽくすることは可能。
参考情報
購入早見表
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