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手のひらサイズの標準マクロ M.ZUIKO ED 30mm F3.5 Macro【機材レビュー】

外観・機能

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全体的にプラスチック素材を使った鏡筒ですが、質感に安っぽさは感じない。重量は130g程度で「レンズ入ってないのじゃないか」と思うくらい軽い。

前玉は非常に小さいですが、後玉は思ったよりも大きい。後玉と鏡筒の間には隙間あるのでブロアで埃を飛ばす時には注意した方が良いでしょう。

マウントは金属製で、黒塗り部分に製造国はベトナムと印字されている。

大ぶりなE-M1 Mark IIにも合うし、マイクロフォーサーズで最も小型なGM1Sにもよく似合う。手ぶれ補正はレンズ内に搭載していないので、古いLUMIX機で使う場合には手振れに注意が必要だ。

ピントリング

ピントリングはやや重めでマクロレンズとしては妥当なトルク感、M.ZUIKO 60mmマクロと同程度。

フォーカスレンズはモーター駆動式ですが、ヘリコイド式のレトロな操作感と比べて遜色ない印象。マニュアルフォーカスのピント距離はほぼ10cm未満納まっており、無限遠側のアソビは非常に少ない。そのおかげで、遠景はかなり快適なフォーカシング、マクロ撮影では緻密な操作が可能。

フードには非対応

専用フードは付属しておらず、別売り品としても容易されていない。と言うのも、最短撮影距離がレンズ前玉から1cmも離れていないので、フードを付けると接写が出来なくなるためでしょう。

AFリミッターは非搭載

AFは十分早いですが、マクロ領域でAFが迷い始めると遅いです。特に背景が整理できず、ゴチャゴチャしている場合にはピントが背景に抜ける場合が多いです。そんな時にAFリミッターで無限遠側へのピント移動を制限したいところですが、このレンズにはリミッターが搭載されていません。

E-M1 Mark IIは電子制御でカメラ側からリミッターをかける事ができますが、それ以外の機種ではまだ不可能ですので注意してください。

実写

マクロ

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最大撮影倍率1.25倍を最大限発揮すると、他のレンズでは到達できない境地を簡単に体験できる。しかし、それは前玉にぶつかるかぶつからないかシビアな撮影距離になるのであまり現実的ではありません。

風などで被写体が揺れると望遠マクロ以上に構図へ影響を及ぼします。特に野外の草花は難しかもしれませんが、反対に温室植物などは撮りやすいですね(撮影距離を稼ぐ必要がないので、狭い空間でも楽ちんなため)。

開放F値はF3.5と明るいレンズでは無いですが、十分接写すればしっかりとボケを演出可能です。ただし、撮影倍率を活かさない”引き”の写真では望遠マクロやAPS-C・フルサイズ用のマクロレンズにボケ量で劣ります。逆に「被写界深度を稼ぎやすい」とも言えるでしょう。

この領域におけるAFは速くはありませんが、一般的な標準マクロレンズとしては十分高速なレベル。特に像面位相差AFのE-M1 Mark IIでC-AFを使うと揺れる草花にもしっかり追従してピント面が食いつきます。

描写性能は絞り開放からしっかり使える解像力を発揮。競合レンズより抜きんでる性能ではありませんが、このレンズサイズにしてはかなり良好な画質と言えるかもしれません。

ボケはマクロ領域に限って言えば十分綺麗。”引き”の写真を撮ると前ボケ・後ボケ共にざわつくシーンがあります。

物撮り

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我が家で最も重宝しているのはこの分野。

あまり一般的な使い方では無いですが、ブログ用に細部をクローズアップする写真を撮るときに便利です。レンズ前玉が小さく、ワーキングディスタンスが短いのでファインダー内を簡単に撮影も出来てしまうのです。

小さいレンズですのでカメラを片手で操作するのもやぶさかではありません。

遠景など”引き”の写真

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絞れば四隅までしっかりと解像します。この領域のAFはピントが合うまでの速度が速いのでスナップレンズとしても使えます。

被写体の前後に適切な距離で物体を配置すれば前ボケや後ボケも演出可能。ただしボケはちょっと固めで、後ボケは距離次第で表現が荒ぶる時があるので要確認。

並みのズームレンズよりは解像すると思いますが、PRO系ズームと比べると差がわかり辛い。「逆光に弱すぎる」という感じはしませんがフードが装着できないので、遠景を撮影する為に積極的に使いたいレンズではありません。

あくまでも「携帯性の高いレンズ」として使うならアリ、というものです。

水族館などで水槽越しの魚を撮影するにも使える感じです。高感度の伸びしろが少ないマイクロフォーサーズでは厳しいジャンルですが、撮れない事はないな?という印象。

ED 60mm F2.8 マクロと比べて

スペック比較

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro
焦点距離 60mm 30mm
最大口径比/最小口径比 F2.8/F22 F3.5/F22
レンズ構成
防滴処理 防塵防滴機構 非対応
画角 20° 40°
AF方式 ハイスピードイメージャAF(MSC) ハイスピードイメージャAF (MSC)
最短撮影距離 0.19m 0.095m
最大撮影倍率 1.0倍(35mm判換算 2.0倍相当) 1.25倍(35mm判換算 2.5倍相当)
最近接撮影範囲 17 x 13mm 13.9 x 10.4mm
絞り羽枚数 7枚(円形絞り) 7枚(円形絞り)
フィルターサイズ Ø46mm Ø46mm
大きさ 最大径×長さ Ø56 x 82mm Ø57x 60mm
質量 185g 128g
主な同梱品 レンズキャップ LC-46、レンズリアキャップ LR-2、取扱説明書、保証書 レンズキャップ(LC-46)、レンズリアキャップ(LR-2)、取扱説明書、保証書

スペックの話をすると画角違うのでなんとも言えません。

どちらもフィルター径が同じで、重量もさほど変わらず、接写性能はどちらも等倍以上。

大きな違いがあるとすれば最短撮影距離ぐらいでしょう。30mmマクロがレンズの前玉スレスレまで接写できるのに対して、60mmマクロはワーキングディスタンスに余裕があります。それでも10cmあるかないか程度ですが。

忘れてしました、60mmマクロにはAFリミッターが搭載されています。特にAFのピントが背景に逃げやすいシーンでは有効。30mmマクロでAFリミッターを使用するにはE-M1 Mark IIを導入する必要があります(2017年春現在)

30マクロと60マクロはどちらが良いのか?

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ボケ量はどちらも限界まで接写すれば同等程度。”引き”の写真では望遠レンズの60mmマクロの方がぼかし易い。逆にパンフォーカスにし易いのは30mmマクロの方。遠景におけるフォーカススピードはどちらも軽快で高速。

画角が広く、携帯性の高い30mmマクロの方がスナップ用途でも使える点はグッド。GM1SやPEN-Fと組み合わせて使いたい。

一方で60mmマクロはマクロ用途以外だと画角が狭く、”望遠レンズ”として使う場合には携帯性もあまりよくないので他の単焦点やズームレンズの選択肢となる事が多い。特に圧倒的に安くて高画質な「60mm F2.8 DN」の存在は大きいでしょう(こちらは接写性能がかなり低いですが)。

比較して、30マクロの方が汎用性は高い。本格マクロなら60mmをチョイス。

「どちらがおススメか?」と言う質問に返答するのは難しいですがポイントは

画角で写り方がかなり違うので、ハッキリ言えば競合しないレンズです。資金に余裕があれば二つ買ってみるものおススメ。

購入早見表

M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro

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M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

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