星が綺麗に見える六呂師高原
六呂師高原は大きな牧場があり、絞りたての牛乳を使った美味しいソフトクリームがある。
今年のGWに嫁さんと一緒にそれを食べに行ったところ、「星が綺麗にみえる場所」という別の一面があることを発見。それならば、日を改めてまた訪れようではないかと決めていた。
とは言うものの、色々と忙しくてすっかり忘れていたのだが…折しもペルセウス座流星群が8月に見ごろだと嫁さんから教えられたので六呂師高原の事を思い出した。
奥越高原牧場や高原時計台は人気のスポット
特に深夜は明かりがほとんど点かない奥越高原牧場(六呂師高原の牧場の中では最も高い場所に位置する)や高原時計台(ソフトクリームを売っている場所)は車を停めて観覧をする人がかなり多かった。
暗いからなのか、涼しいからなのか、アスファルトに敷物を敷いて、寝転がってみている方が多い。確かに、仰向けに寝ていれば首に負担もかからず流星群を見逃す可能性も低くなる。
しかし、路上に寝そべっているので、車のドライバーが見落としていて轢きそうになる場面もちょこちょこと目撃。寝そべるなら路肩か車が通らないところを確保しておこう。
流れ星が見えるたびに歓声が聞こえるので、暗いながら賑やかで楽しい感じ。
トイレがねえ!
一番問題なのがここ。男性はまだしも女性は不便すると思う。最寄りのコンビニは下山する必要があるので早くても車で15分は走らせないと無いだろう。
簡易トイレを持参するか事前に済ませてから訪れる事をおススメする。
近くにキャンプ場も存在するが、有料施設の為に無断利用は厳禁。キャンプ場に泊まってしまえばこの問題は解決されるが…。
見ごろは月が落ちてから
星を見るなら晴れている日がおススメだが、晴れていると星も明るいが月も明るい。
特に月明りは厄介で、星の明るさを圧倒的に上回る光量を持っている。それは地表を照らす程で、懐中電灯無しでも歩くことが出来るほどだ。
流星群を見ることはできるが満点の星空というにはやや欠ける印象。風景と星景を合成するつもりなら、今のうちに一枚撮っておくといいかもしれない。
懐中電灯を小道具に
一度やってみたかったのが、懐中電灯の明かりをライトセーバーのように写しこむ写真。
一般的な懐中電灯だと光が拡散してしまうが、光束を変化出来るタイプの懐中電灯だと光を棒状にすることが出来る。
ただし、その手の懐中電灯はかなり明るい電灯であることが多く、長時間露光中にずっと点灯していると照射部分が白トビしやすい。さじ加減を確認しながら撮影するのがおススメ。
ちなみに近接は露光時間が長い分、被写体ブレを抑える事が難しい。
フラッシュや光源を使って人物を明るくした写真と人物抜きの天体撮影用を比較銘合成するといった方法はあるのかもしれない。
基本的には真っ暗なロケーションなので、フレーミングが難しい。
ファインダーも真っ暗、ライブビューも真っ暗。
デジタルプレビューを超高感度設定にして確認するか、懐中電灯を照射して確認するのが無難かなと感じた。自分の立ち位置は「ここに立ちたいな」という部分にライトを当てて、ライブビューで確認しながらフレーミング。
タイマーをセットしてから照射している部分に走って行ってポーズを決めれば完了。
電柱を入れてみる
単純に星だけ撮ると単調な写真になりそうだったので、電柱をフレームに。
この場合もファインダーやライブビューは真っ暗なので、一時的に電灯を照射するなりで対応する必要がある。
今回はEOS 80Dとキットレンズの18-135USMで撮影。単焦点と比べるとやや暗いものの、感度を高めれば撮れなくもない。ややカラーノイズが載っているなあという感じはする。
一方、K-1で撮影していたらフレームの真ん中に流れ星をゲッツ。ラッキーだった。
やや雲が出始めていたのが心残り。
大口径広角ズームF2.8と違ってF2とやや明るい分、光量を稼ぎやすい点はグッド。星はより明るく、感度も抑えられてノイズが少なく、良いことが多い。画角がやや狭いのが難点。
建造物を入れる
基本的には電柱と同様。
ただし、車やスマホなどの人工光源の影響を浴びやすいのでタイミングは重要。
ちなみにパナソニックの小型ミラーレスでも撮ってみた。
こちらも普通のキットレンズなので、高感度と長時間露光で撮影。写らなくもないと言った感じ。
K-1のRRSを使うとどうなるか?
ペンタックス K-1には4枚の画像から高精細な1枚を抽出できるRRS(リアルレゾリューション)という撮影方法がある。
これには画像を高精細にするだけでなく、ノイズ低減効果も期待できるので「星で使えないか?」と思って試してみた。
結果はまあ「微妙」というもの。
4枚撮影する間に星がズレては意味が無いので、4枚を短時間で撮影しなければならない。すると、1枚にかける露光時間が短くなり、超高感度を使う羽目になる。確かにノイズ低減効果はあるが、ディテールがあるかと言えば、難しい。
RRSを本気で活用するつもりなら赤道儀が要るのかなと感じた。
アストロトレーサーの効き目
K-1はGPS内蔵・センサーシフト性能を活かして、カメラ単独で簡易的な赤道儀代わりとなる機能を持っている。
と言っても、センサーの可動範囲には限界があるので焦点距離が長くなったり、長時間には耐えられない印象。明るいレンズによる短時間で光量を集められる機動力の高いシステムが組めればいいのだけども、Kマウントに大口径の超広角が無いのが痛い。
DFA15-30mmF2.8でも間に合うのは間に合うのだが、明るければ明るいほうが良いという感じ。特にシャッタースピードが長くなる星撮影では1段分の差が大きく違ってくる。
そう考えるとAPS-Cながら、シグマの18-35mmF1.8が広角で最も明るい現行レンズかもしれない。
Art20mmF1.4が良さそうだけど、Kマウントでは出ないよなぁ…。
注意点
懐中電灯を使う場合の注意点
他の撮影者や観覧者の邪魔になるので、かなり人気が無い場所まで歩いて撮影。そうした方が自身の露光中にも余計な光が差し込まないのでWinWinな関係だと思う。
道中でイノシシを数回見ていたので、襲われないか心配だったけども…。
湿度
湿度が高いので、伸縮ズームやフォーカス繰り出し方式のレンズは湿った空気を吸い込みやすい。
カビや曇りといった原因になりやすいので、カイロや撮影後のメンテナンス・保管には気を使った方がよさそうなレベル。
人工光
写真を撮りに来ている人は稀で、大半は純粋に流星群を見て楽しむ方が殆どだ。
しかも、車の出入りが激しいのでヘッドライトやブレーキランプが結構目立つ。特にカメラで長時間露光をしていると高い割合で建造物に光が写っている。
これは有名スポットとしては致し方ないので、タイミングを見計らって撮影するしかないだろう。広い土地なので、人気のないほうに移動するという選択肢もある。
飛行機
インターバル撮影や長時間のバルブ撮影では少なからず写りこんでしまうかもしれない。
ノイズ処理
高感度・長時間露光などと何かとノイズが発生しやすい。
特に長時間ノイズを処理するためには、シャッターを開いた時間だけノイズ処理をしなければならない場合もある。30秒撮影したら、さらに30秒待たされることになる。
と言う事で、いっそRAW撮影のみで帰宅してからじっくりノイズ処理をかけるかパソコンで後処理した方が精神的・時間的に良い。
同伴者への配慮
星を撮るときは長時間の撮影や周辺が暗いこともあって孤高な撮影タイムになりがち。
特にあまり写真に興味が無い同伴者が場合には星の楽しみ方が違うのですれ違いそうになる。メインを天体観覧にするのか、撮影にするのかは事前に話しておいた方がいいと思う。(体験談)
また、前述したようにトイレの問題は人数が増えれば増える程目立ちやすくなる。極力、事前に調整しておきたい。
夏の星空は格別
何しろ、日中の猛暑と比べて過ごしやすい事この上ない。出来る事ならここで寝てしまいたいくらいだった。
避暑を兼ねて路上に寝転がって気持ちよく星空を眺めるる事が出来のはこのシーズンだけじゃないだろうか。他のシーズンではややロケーションが寒くなりがちな事を考えるとなおさらだ。
また、ペルセウス座流星群は毎年この時期に見える上に天の川(最も見やすい時期は過ぎているが)も見やすい位置に座している。
Memo
- 月が明るいうちは星が見えにくい
- 人気スポットだが、暗所なので運転には細心の注意を配る
- 車などの人工光が入り込まないポジション・タイミング
- レンズは明るい(F値が低い)レンズが好ましい
- 懐中電灯は便利だが、使用する際は周りに注意
- 夏だが冷えるので暖かい服装を用意しておく
- 虫刺され対策
- 予備バッテリー
- 同伴者がいる場合には事前に滞在時間などを調整・相談
- トイレは済ませておく、簡易トイレを持参