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OM SYSTEM OM-3 レビュー カラー/モノクロプロファイル編

OM SYSTEM OM-3 のカラー/モノクロプロファイルのレビューを公開。いくつか不満点はあるものの、最新センサーと処理エンジンでプロファイルモードを利用できる唯一の選択肢。

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OM SYSTEMの最新画像処理エンジン「TruePic X」搭載モデルでカラー/モノクロプロファイルを利用可能な機種はOM-3のみ。最新のノイズ処理を含めてJPEGを利用したい人にとって興味深い選択肢と言えるでしょう。

残念ながらE-P7の頃から機能やバリエーションの進化は見られず、単純に移植しただけのように見えます。せめて利用できるプロファイル枠の数を増やすなり、入出力の自由度を高めてほしかったところ。

極めつけはE-P7にあったショートカットボタンに相当する機能が見当たらないこと。プロファイルモードの設定画面へ移行するにはスーパーコンパネを経由する必要があり、撮影体験としてフラストレーションが溜まるポイントとなっています。このあたりはファームウェアアップデートで機能を追加してほしいところ。

The OM-3 is the only model that can use color/monochrome profiles with the OM SYSTEM's latest image processing engine “TruePic X”. It is an interesting option for those who want to use JPEG, including the latest noise processing.

Unfortunately, there has been no evolution in functions or variations since the E-P7, and it looks like it has simply been ported over. At the very least, I would have liked to see the number of available profile slots increased, or the flexibility of input/output increased.

The clincher is that I can't find any function equivalent to the shortcut button on the E-P7. You have to go through the Super Control Panel to get to the profile mode settings screen, and this is a point that can cause frustration when shooting. I'd like to see this area updated with a firmware update to add some functions.

OM-3 のレビュー一覧

カラー/モノクロプロファイル

操作性について

E-P7のプロファイルコントロールスイッチではなく、PEN-Fと同じクリエイティブダイヤルを搭載。カラー/モノクロプロファイルに加え、ARTフィルターやカラークリエーターモードに対応。

カメラを手に取った状態でダイヤルの位置を目視できない致命的な欠点があるものの、ポジションが少ないので慣れれば問題無し。

クリエイティブダイヤルは回転操作がやや重めで、表面は爪とぎのようなギザギザの加工が施されています。正直に言うと、少し痛いです。(PEN-Fも同じようなデザインで、少し懐かしい感覚)

カラー/モノクロプロファイル移行時に専用の設定画面を開くことができますが、それ以外で設定画面を素早く開くことができる専用ボタンや機能はありません。スーパーコンパネやメニューからピクチャーモードを変更するように操作する必要があります。OM-3の目玉機能のわりには不親切。

E-P7はショートカットボタンで設定画面を呼び出すことができたと記憶していますが、より高価(2倍以上)のOM-3で同等の機能が無いのは非常に残念。

カスタムモード

カスタムモードはそれぞれにカラー/モノクロプロファイルの設定値を記憶可能。最大で20/20通りの設定値を登録することが出来ます。E-P7はカスタムモードを搭載していないので、幅広い設定値を記憶させたいのであればOM-3が唯一の選択肢。

ただし、カスタムモードに関わらず共通するカラー/モノクロプロファイルを使いたい場合、同じ設定値をそれぞれのカスタム枠に登録しておく必要があります。

色について

オリンパス/OM SYSTEMのJPEGカラーは良く言えば安定しており、悪く言えば単調。色相・コントラストは固定で、彩度(輝度?)には変化が見られるものの、見比べてみないと差が分からない程度に抑えられています。

Vividは他社ほどビビッドではないし、Flatは他社のフラットと比べるとメリハリがある。VividでもFlatでも常用できるくらい落ち着いた色合いです。キヤノンのピクチャースタイルとよく似ており、ニコンやパナソニック、ソニーと比べると薄味。

しかし、OM-3のカラー/モノクロプロファイルのプリセットカラーは彩度とハイライト&シャドウコントロールが大胆に調整されています。色相に変化はありませんが、分かりやすい味付け。

ちなみにモノクロプロファイルの「01」はモノトーンと、カラープロファイルの「01」はnaturalと同じ。このため、プロファイルモード時に柔軟性の高い仕上がりを使いたいのであれば、「01」を利用するのがおススメ(設定値が破綻してもリセットで通常のモノトーン・naturalを使用可能)。

トーンについて

前述したように、プリセットカラーとトーンの調整機能が分離しています。トーンを調整しない限り、各プリセットは基本的にほぼ同じ諧調。これが「オリンパスのJPEGはつまらない」という印象を受ける理由の一つと考えています。

実際に見比べてみると以下の通り。
やはりカラー/モノクロプロファイルは大胆に調整され、一見して分かる変化があります。オリンパス/OM SYSTEMでJPEGを利用している人にとって、OM-3やE-P7は面白い選択肢となるはず。

カラー/モノクロプロファイル

カラープロファイルモードではプリセットごとに各色ごとの彩度やH&Sコントロールの設定値を記憶可能という点で基本モードと異なっています。

さらに、ヴィネッティングや従来通りの「コントラスト」「シャープネス」「彩度」もプリセットごとに設定して記憶することが可能。ただし、このモードでは「諧調」機能が使えなくなるので注意が必要です。


OMDS:カラー/モノクロプロファイル

4つのプリセットを一から作る必要はなく、メーカーが調整した値を初期設定として利用可能。いろいろと設定を変更しても、ボタン一発で初期設定に戻すことが出来ます。

モノクロプロファイルモードは基本的にカラープロファイルと同じで、彩度調整の代わりに各色のフィルターを自由に使用可能。

フィルターは指定した色の輝度を高め、補色の輝度を低くします。この補色の関係性を理解しておかないと使い辛いと感じるかもしれません。

例えば、モノクロプロファイル3は初期設定で赤色フィルターが適用されています。これにより被写体の赤色の輝度が高くなり、逆に青色の輝度が低くなる。青空の輝度が低下することで、白い雲とのコントラストを強くしたいシーンでは効果的。

ハイライト&シャドウコントロール

オリンパス/OM SYSTEMの独自機能「ハイライト&シャドウコントロール」を搭載。
「シャドウ」「ミドル」「ハイライト」の3か所をそれぞれ±7段階で操作することができます。

残念ながら、H&Sコントロールは全てのカラーで同じ設定値が反映されてしまいます。このため、プリセットの色に合わせたトーンを設定するのが難しい。
(この場合は「諧調」「コントラスト」で調整するしかない)

しかし、前述したようにOM-3やE-P7のモノクロ・カラープロファイルはプリセット枠ごとに個別のH&Sコントロールの設定値を記憶可能。この点で従来よりも振れ幅のあるJPEGを楽しむことが出来ます。

仕上がり調整機能

  • シャープネス
  • 彩度
  • コントラスト
  • 諧調(プロファイルモードでは使用不可)
    ・Auto:自動的にシャドウを持ち上げる・露出はnormalと同じ
    ・normal:特に何も作用しない「オフ」に近い
    ・high:適正露出と比べてハイキーとなる
    ・low:適正露出と比べてアンダーとなる
  • ハイライト&シャドウコントロール
    ・シャドウトーン
    ・中間トーン
    ・ハイライトトーン
    ・プリセットごとの記憶不可
    ・カラー/モノクロプロファイルは記憶可能

前述してきたように、オリンパスのプリセットはコントラスト(設定値のことではない)に変化がほぼ見られないので味気ない。このため、凝ったJPEGカラーを目指すのであれば「コントラスト」「諧調」「ハイライト&シャドウコントロール」の調整が必須。

簡単に設定値を変更したいのであれば「コントラスト」「諧調」を使用し、よりトーンにこだわりたいのであれば「ハイライト&シャドウコントロール」で微調整するのがおススメ。

まとめ

OM SYSTEMの最新画像処理エンジン「TruePic X」搭載モデルでカラー/モノクロプロファイルを利用可能な機種はOM-3のみ。最新のノイズ処理を含めてJPEGを利用したい人にとって興味深い選択肢と言えるでしょう。

残念ながらE-P7の頃から機能やバリエーションの進化は見られず、単純に移植しただけのように見えます。せめて利用できるプロファイル枠の数を増やすなり、入出力の自由度を高めてほしかったところ。

極めつけはE-P7にあったショートカットボタンに相当する機能が見当たらないこと。プロファイルモードの設定画面へ移行するにはスーパーコンパネを経由する必要があり、撮影体験としてフラストレーションが溜まるポイントとなっています。このあたりはファームウェアアップデートで機能を追加してほしいところ。

参考情報

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