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NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena ポートレート撮影においては至福の体験

Dustin Abbottが「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」のレビューを公開。VILTROXが光学性能で肉薄しているとしつつも、ボケや操作性などは一貫してPlenaが有利と評価。ポートレート撮影においては至福の体験が得られるとのこと。

Dustin Abbott:Nikkor Z 135mm F1.8 S Plena Review

  • 外観:昔ながらのキヤノンEF 135mm F2Lは、テレコンバーターと完全互換。現代の135mmレンズではこの機能は失われている。レンズフードは比較的深く、小さなロック付きでプラスチック製、Viltroxとは異なりゴム縁がない。高級レンズにはより高品質なフードがふさわしいと感じた。
  • 構造:主に金属合金製の外装で、徹底した防塵防滴構造を採用。前面と背面のレンズには保護コーティングが施され、リングやスイッチを含め約11個の内部シールが施されているため、悪天候下でも安心して使用できる。
  • 携帯性:パフォーマンス重視でサイズや重量は二の次という哲学を引き継いでいる。Plenaの直径は98mm、長さは140mm、重量は995g。LAB 135Zよりもやや直径は広いが短く軽量。PlenaはS-Line F1.2シリーズのどのオプションよりも短く軽量である。
  • 操作性:S-Line レンズとして制御ポイントが多い。レンズマウント近くにあるAF/MFスイッチは一部カメラではやや近すぎる可能性がある。Z8では操作ボタンが集中しており、操作にはやや工夫が必要。クリックレスコントロールリングを採用し、操作は滑らかでぎこちなさは感じられない。従来型の目盛り付きマニュアル絞りリングの方が視覚的にはわかりやすいと感じた。フォーカスリミッタースイッチは非搭載だが、オートフォーカス速度への自信の表れと考えられる。
  • AF:デュアルSTMモーターを採用、高級レンズらしいVCMモーターではないものの、AF速度に大きな不満はなかった。テストではフォーカスが一度間違った方向に大きく動く傾向が見られたが、実撮影で問題は小さかった。フォーカス精度は高く、浅い被写界深度でも正確な合焦が可能であった。
  • MF:マニュアルフォーカスリングはゴム製リブ付きで、動きは滑らかで適度な重みがある。マニュアル操作は非常にスムーズかつ正確で、AF-Cモードでもフルタイムマニュアルオーバーライドが可能。フォーカスブリージングは目立つが、135mmレンズとしては特に珍しいことではない。
  • マクロ:最短撮影距離は82cm、最大撮影倍率は0.20倍である。LABレンズの0.25倍より劣るが、近距離でもF1.8開放から優れたシャープネスとコントラスト、平坦な焦点面を持つ。
  • 手ぶれ補正:レンズ内手ぶれ補正は搭載していない。カメラ内手ぶれ補正機能に依存する。
  • 解像性能:中央から中間フレームまで非常にシャープであり、隅まで高いシャープネスが広がる。F2に絞るとコントラストがわずかに向上するが違いは小さく、F2.8では劇的に四隅まで改善される。F2.8以降F8までは大きな違いはなく、非常に良好な解像性能である。風景撮影にも非常に適している。
  • 像面湾曲:記載なし。
  • ボケ:Plenaの最大の魅力はボケ味にあり、クリーミーで美しい発色と背景描写を持つ。F1.8でも隅々まで円形のボケを保てる点は、過去使用した135mmレンズの中でも最高レベルで。11枚羽根の絞りにより、ハイライトのボケの丸さも維持される。
  • 軸上色収差:ごくわずかで、ピント面前後ではほぼニュートラル、焦点外ではわずかなフリンジのみ観察された。
  • 倍率色収差:フレーム端のコントラスト遷移部でも滑らかな遷移しか見られず、倍率色収差は非常に少ない。
  • 球面収差:記載なし。
  • 歪曲収差:わずかに糸巻き型の歪みがあるが、-3で簡単に補正できる。
  • 周辺減光:周辺減光は非常に少なく、F2.8ではほぼ消失する。補正なしでも目立たず、実用上問題ない。
  • コマ収差:記載なし。
  • 逆光耐性:非常に高い逆光耐性を持つ。F1.8からF11までさまざまな条件で撮影してもフレアは発生せず、コントラスト低下も見られなかった。
  • 光条:記載なし。
  • 作例集
  • 総評:Zマウント技術の最高峰に位置する逸品。極めて高いシャープネス、美しいボケ、収差の少なさを実現。唯一の懸念材料は、Viltrox AF 135mm F1.8 LAB Zの登場であるが、実際に比較した結果、絞りリング操作、ポートレート描写、マニュアルフォーカス性能において一貫して優位。Plenaはプロフェッショナルな水準の画像を安定して生成でき、重量級機材らしい高品位な結果を提供。特に環境ポートレート撮影においては至福の体験が得られるレンズである。
  • 競合について:主な競合はViltrox AF 135mm F1.8 LAB Zである。両者はコントラスト、ディテール再現、肌色表現において非常に近い結果を示す。LABレンズはわずかに彩度が高めだが、大局的に見ると違いは少ない。PlenaはソニーのGMレンズよりも総合性能が優れている。LABは価格に対して驚異的なシャープネスを持つが、Plenaが細部でリードする。
  • 備考

    ニコンレンズ全般に共通する傾向として、マゼンタが強めに出ることがある。特に白人の肌を撮影する際には、顔の赤みやマゼンタ成分を少し抑える補正が推奨される。

2023年に登場したNIKKOR Z用の135mm単焦点レンズ。
レンズサイズは競合他社の純正135mm F1.8より大きいものの、口径食を抑えてフレームの周辺部まで形状の良いボケが得られるように設計されています。さらにSRレンズやEDレンズを効果的に使用することで、色収差によるボケの色づきを抑制。絞り開放から快適にボケを利用することができるレンズに仕上がっている模様。

Dustin Abbottのレビューでは、絞り開放から高い解像性能を実現しつつ、口径食を抑えてフレーム隅まで綺麗なボケが得られるレンズと評価。サイズと重量があるものの、ポートレートから風景撮影まで幅広く利用できる135mmとなっている模様。ボケのサンプルを確認すると、高解像ながらピント面直後の柔らかいボケが印象的に見えます。

VILTROX AF 135mm F1.8 Lab」がコストパフォーマンスの面で非常に強力なライバルとなるようですが、四隅まで変形の少ないボケを追求するとPlenaが究極の選択肢と言えそうです。また、VILTROXはPlenaよりもかなり重たいので、携帯性を考慮した場合もPlena有利と言えるでしょう。

ニコン NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena 最新情報まとめ

レンズの仕様

レンズの仕様
発売日 2023年10月13日 初値 税込40万円前後
マウント Z 最短撮影距離 0.82m
フォーマット フルサイズ 最大撮影倍率 0.2倍
焦点距離 135mm フィルター径 82mm
レンズ構成 14群16枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F1.8 テレコン -
最小絞り F16 コーティング M/AR/SIG
絞り羽根 11枚
サイズ・重量など
サイズ 98mm×139.5mm 防塵防滴 対応
重量 約995g AF STM×2
その他 コントロールリング
付属品
キャップ・ケース

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