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キヤノンRF24-240mm F4-6.3 IS USM交換レンズレビュー【遠景解像編】

このページではキヤノン製フルサイズミラーレス用交換レンズ「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」の遠景解像のテストとレビューを掲載しています。

RF24-240mm F4-6.3 IS USM遠景解像レビュー

チェックポイント

  • 大気の影響が気にならない程度で無限遠を使った被写体を撮影
  • EOS RのRAWファイルを使用
  • 歪曲収差と色収差補正はAdobe Lightroom CCのプロファイルを利用
  • 中央領域・像高5割付近・像高9割付近の3カ所をクロップ
  • どの焦点距離も同じサイズのクロップ領域を使用

偏心のチェック

24mm F4におけるフレーム左端と右端のクロップを掲載。多少クロップ倍率の小さいLightroom(後述)で現像した場合、右側に若干の片ボケを確認。初期不良と感じるほどではありませんが、細かくチェックするとやや気になる画質差。今回のチェックでは比較して画質の悪い右側を利用、以降に掲載する「フレーム四隅のクロップイメージ」の画質はこのレンズにおける最低値とお考え下さい。

24mm

中央領域は絞り開放から非常にシャープで絞ってもあまり改善しません。この領域はEOS R以上の高画素モデルが登場しても耐用できそうな解像性能となっています。周辺部は非点収差のような像の甘さこそあるものの、開放から悪く無いパフォーマンスだと思います。

比較してフレーム四隅の絞り開放は1ランク・2ランクの画質低下が見られます。大きな樽型歪曲をレンズプロファイルで補正しているので多少の画質低下は予想範囲内。F5.6~F8まで絞ると多少改善しますが中央や周辺部ほどシャープになりません。

後から気が付いたことなのですが極端な歪曲収差を補正する場合、Adobe Lightroom CCのレンズプロファイルと、ボディや純正ソフトで歪曲補正が適用される場合とで画角の違いが大きい。Lightroomの場合はキヤノンが想定しているより広い画角となるので四隅の画質には注意が必要(後述)。キヤノンボディ出力や純正ソフトで適切な歪曲補正を利用すると画質は今回のテストよりかなり良好となります。

中央 周辺 四隅 四隅
JPEG
とても良好 F4-11 - - -
良好 F16 F5.6-F16 - -
F22 F4,F22 F8-F16 F4-16
ソフト - - F4-F5.6,F22 F22

全体像

ボディ内出力のJPEGとLightroomで現像したJPEGの比較

ご覧のようにボディ内出力のJPEGとLightroom現像で画角が大きく異なります。説明が難しいのですけども…

  • ボディ内JPEGは「24mm相当」の画角をイメージからクロップした上で3000万画素のイメージに最適化される
  • Lightroomはボディ出力よりも広めの画角をクロップした上で3000万画素のイメージに最適化される

この結果、イメージから同じポジションを同じサイズでクロップしてもボディ内出力のほうが少し内側となります。結果的に無理の無い画質でシャープなフレーム四隅の像となるのです。このレンズを使う際は純正ソフト「Digital Photo Professional」の使用がおススメ。Lightroomで現像する場合は適度にトリミングすると良いでしょう。

35mm

24mmと同じようにボディ内JPEGとLightroom現像で多少の画角差が発生します。

全体的な傾向は24mmと同じで、開放からシャープな中央、極僅かに低下する像高5割、1ランク画質低下が見られる四隅の画質。ボディ出力の画角に合わせると多少画質は改善する印象。

RAWのフレーム隅は良像と言い難いですが、EOS Rの3000万画素なら許容範囲。

中央 周辺 四隅
とても良好 F5.6-F11 - -
良好 F4.5,F16 F4.5-F16 F8-F11
F22 F22 F4.5-F5.6
ソフト F25 F25 F16-F25

50mm

まだボディ内JPEGとLightroom現像にクロップ差はありますが、周辺解像は広角域と比べて安定しています。RAWからLightroomで現像しても特に違和感を感じません。フレーム全域で均質的な画質となる一方、絞りによる画質改善は見られません。被写界深度が必要無ければF5.6~F8あたりがベスト。ここから100mmあたりまでピークの解像性能を発揮します。

中央 周辺 四隅
とても良好 F5.6-F11 F5.6-F11 -
良好 - - F5.6-F11
F16-F22 F16 F16
ソフト F29 F22-F29 F22-F29

70mm

50mmと同様、Lightroomのレンズプロファイル範囲でもフレーム全域で安定した画質。中央と四隅で僅かな画質差があるものの、まずまず快適に利用可能。

中央 周辺 四隅
とても良好 F5.6-F11 F5.6-F11 -
良好 F16 F16 F5.6-F16
F22 F22 -
ソフト F29 F29 F22-F29

100mm

70mmと同様。

中央 周辺 四隅
とても良好 F5.6-F11 F5.6-F11 -
良好 F16 F16 F5.6-F16
F22 F22 -
ソフト F32 F32 F22-F32

 

150mm

高倍率ズームレンズとしては絞り開放から良好な画質と感じますが、絞り開放では100mm以下と比べて球面収差・軸上色収差のような甘さが少し発生します。F8まで絞れば改善するので多少は絞っておくのがおススメ。

中央 周辺 四隅
とても良好 F8-F11 F8-F11 -
良好 F6.3,F16 F6.3,F16 F6.3-F11
F22 F22 F16
ソフト -F36 -F36 F22-F36

240mm

基本的に150mmやそれ以前と同様の解像傾向。開放からまずまずコントラストが良好で、高倍率ズームとしては良好な中央解像と像高5割までの解像感と言えるでしょう。比較して四隅は甘いものの、特にこれと言った描写の粗はありません。キレを求めるとパーフェクトとは言えませんが、利便性と画質のバランスは非常に高いと感じます。

中央 周辺 四隅
とても良好 - - -
良好 F6.3-F16 F6.3-F16 -
F22 F22 F6.3-F16
ソフト F32-F36 F32-F36 F22-F36

雑感

ポイント

  • ボディ内補正と社外製レンズ補正で画角が変わる
  • ボディ内補正のほうが画角が狭く、フレーム全体の画質が良い
  • ズームレンジ全域で安定した中央から像高5割程度の画質
  • 標準域から望遠端まで粗が目立たないフレーム四隅の画質
  • 広角側で倍率色収差が目立つので要補正

フルサイズ用の24mmをカバーする光学10倍ズームレンズとしては良好な画質のレンズ。利便性と引き換えの代償として画質低下はやむを得ないものの、妥協できる範囲内に収まっています。特に広角側でデジタル補正必須である点を理解して購入すれば満足度は高くなるはず。

どの焦点距離でもボディ出力のJPEGとAdobe LightroomでRAW現像したJPEGとでは画角が異なる点には気を付けておきたいところ。全体的にLightroomは画角が若干広く、ボディJPEGは画角が少し狭い。

今回使用した機材

EOS R
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