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ニコン Z5II はこの価格帯のモデルとして非常に優秀

Dustin Abbottがニコン「Z5II」のレビューを公開。この価格帯のモデルとして非常に優秀。一般ユーザーには十分以上の性能で、価格は高いものの満足度は高く、ニコンの成長を支える中核モデルと評価。

Dustin Abbott:Nikon Z5 II Camera Review

  • 外観:上位モデルに搭載されたセンサーカバーを懐かしく感じた。貸出機ではキャップを外した際にセンサーに埃が付いていた。
  • 構造:防塵防滴仕様。ニコンのレンズマウント方式は他社と逆で、取り外し方向が異なる。
  • バッテリー:EN-EL15cバッテリー、α7Cとほぼ同等でR8よりは大容量。ただし撮影可能枚数は約380枚と少なめ、予備バッテリーの用意が推奨される。
  • インターフェース:標準ホットシューを装備しているが、ソニーのようなデジタル音声入力には非対応。UHS-II規格対応のSDカードスロットが2つあり、これは競合機の1スロット構成より優れている。ポート類は左側面に集中し、ゴム製カバーで保護されているがドア式ではなく垂れ下がるだけ。マイクロHDMIは好まれないが、このクラスでは標準仕様。
  • 携帯性:エルゴノミクスには優れているが、α7Cシリーズのような携帯性ではない。Zfよりも幅・奥行きが小さい。ただしグリップがあるため奥行きは33mm大きくなっている。やや重めであり、これはマグネシウム合金の使用が一因と考えられる。
  • グリップ:手に持った感触が素晴らしい。多くのカメラでは収まりきらない手だが、Z5IIは自然にフィットした。
  • 操作性:ニコンに慣れたユーザーには非常に扱いやすいが、ISO感度や露出補正の調整が2段階操作である点は不満がある。(訳注:少なくとも露出は「簡易露出補正設定」でダイヤル操作が可能。初期設定でオフとなっているので注意が必要)
    グリップ近くの2つのFnボタンはプロ仕様の操作性を提供し、同クラスの他社機にない長所。
  • 手ぶれ補正:CIPA規格で最大7.5段分の補正に対応し、Z8を上回る性能。特にサードパーティ製レンズとの相性が良く、ボディ内補正により手ブレ補正非搭載レンズでも安定撮影が可能。
  • ファインダー:解像度は369万ドットでクラス最高レベル。Z8と同等だが、Z5IIのクラスでは非常に優れている。輝度は3000nitsで、ニコンによれば競合の6倍の明るさ。静止被写体ではブラックアウトなし、動体追尾ではややブラックアウトが発生する。
  • モニター:3.2インチで競合よりやや大きく、解像度は210万ドットと高い。ソニーα7Cの92万1600ドットと比べると大きな差がある。液晶は明るく鮮明で、照明条件に関係なく使いやすい。バリアングル構造により自撮りも可能。タッチ操作の感度も良好。
  • メニュー:ニコンの電子制御非搭載レンズ(非CPUレンズ)に関する設定が充実しており、焦点距離や名称を登録可能。これにより、VR設定やEXIF情報への記録が可能となり、Lightroomでの検索性も向上する。レビュー対象となる将来の非CPUレンズに対しても有利な仕組み。
  • フォーカス:Z9世代のAF技術を継承し、AFポイント数は299点と少なめながら、画面全体の広範囲をカバーしており実用性は高い。ハイブリッドAF(位相差+コントラスト)を採用し、人物・動物・車両など最大9種の被写体認識とトラッキングが可能。-10EVの低照度下でもAFが作動する。動画時のAFは初期設定では不満が残るが、調整すれば良好に機能する。
  • 連写性能:メカシャッター搭載で最高シャッタースピードは1/8000秒。同調速度は1/200秒でHSS対応。初代Z5の4.5コマ/秒から大幅に向上し、Z5IIでは11コマ/秒に達する。電子式の場合はローリングシャッターの影響があるため、実用面では11コマ/秒が限界値。
  • 解像性能:2400万画素で解像度としては標準的だが、発色や彩度は良好で十分な画質が得られる。ピクセルシフト機能により最大96MPの画像合成が可能だが、専用ソフトNX Studioが必要。
  • 高感度ISO:ISO 1600~3200まではノイズは少なく、シャドウの黒がやや浅くなる程度。ISO 6400でも色再現性は高く、ISO 12800でも粗さはあるが色かぶりやバンディングは見られず良好。
  • ダイナミックレンジ:現実的な撮影環境で十分な広さがあり、風景撮影などでのトーン再現性も高い。競合機と同等の性能。
  • ホワイトバランス
  • JPEG:発色はおおむね満足できるレベルで、特にキヤノンや富士には及ばないが、ソニーと同程度。カメラ内での色調整も可能で、実用上の問題は少ない。
  • 動画:最大4K60Pまで対応し、4K30Pまではクロップなし。4K60Pでは1.5倍クロップが生じる。10bit H.265、12bit N-RAW、N-Log、FullHD/120Pなど多彩な記録形式に対応。ローリングシャッターは一部条件下で注意が必要。録画時間は最大2時間5分である。
  • 作例集
  • 総評:Z5IIは、この価格帯のモデルとして非常に優秀。フラッグシップのようなスペックはないが、一般ユーザーには十分以上の性能を持ち、手振れ補正、デュアルカードスロット、レンズ選択肢の豊富さなどでR8より優れる。約1700ドルという価格は高めだが、満足度は高く、ニコンの成長を支える中核モデル。

ニコンが2025年4月に発表した新しいフルサイズミラーレスカメラ。
Z5の使いやすく小型軽量なボディデザインそのままに、センサーとプロセッサが新しくなっています(Z f と同等)。背面モニタがバリアングル式に変更となっている点に注意が必要なものの、AF・連写・動画・撮影機能などなど全体的に強化。販売価格も高くなってしまいましたが、その分の価値は十分にあるのかなと。

この価格帯には他社の競合機種も多いですが、防塵防滴やマグネシウム合金製ボディ、AFジョイスティックやファインダー・モニターの仕様が非常に良好。全体的にバランスの良いカメラに仕上がっています。

Dustin Abbottのレビューによると、前モデルと比べて全体的に強化されている模様。センサーやプロセッサは目新しいものではないものの、競合他社と同じく定評のある画質を実現。さらに競争力のあるAF性能、動画機能のようです。旧世代の上位機種「Z6II」よりも優れた性能であり、Z6II の後継モデルに見えなくもない。

最大のライバルは Zf のように見えますが、操作性やグリップなどは Z5II のほうが実用的。どうしても見た目が気になる場合は Zf と言ったところでしょうか。SDカードスロットのみのZ5IIでN-RAW対応には驚きましたが、SDカード記録のために制限のあるN-RAWとなるようです。RAW動画に固執しない限り、N-Logなどのほうが使いやすいかもしれませんね。

ニコン Z5II 最新情報まとめ

  • 発売日:2025年4月25日
  • 予約開始日:4月10日10時
  • 希望小売価格:オープンプライス
  • ニコンダイレクト:
    ・ボディ:258,500円
    ・24-50レンズキット:299,200円
    ・24-200レンズキット:358,600円

主な仕様

イメージセンサー タイプ:裏面照射型CMOS
有効画素:2450万画素
センサー除塵 イメージセンサークリーニング
イメージダストオフデータ取得
手振れ補正 センサーシフト方式5軸補正
プロセッサ EXPEED 7
ISO 100~64000
拡張 50/204800
RAW 14bit ロスレス/高効率/高効率★
HEIF 対応
ストレージ SD UHS-II ×2
AF 検出方式:ハイブリッド
測距点:273点
測距輝度範囲:-10~19EV F1.2
被写体検出 人物(顔、瞳、頭部、胴体)
犬、猫

飛行機
車、バイク、自転車
列車
シャッター 1/8000~30秒
フラッシュ同調速度 1/200秒以下
連続撮影速度 メカ:約14コマ/秒
電子:約15コマ/秒
C1/C2:約15・30コマ/秒
プリキャプチャー
連続撮影枚数 200コマ
ファインダー サイズ:0.5型 Quad-VGA OLED
解像度:369万ドット
倍率:約0.8倍
モニター サイズ:3.2型
解像度:約210万ドット
可動方式:バリアングル
動画フレームレート 4K 60p
FHD 120p
動画出力 NEV、MOV、MP4
動画圧縮 N-RAW(12bit)
H.265/HEVC(8bit/10bit)
H.264/AVC(8bit)
USB SuperSpeed USB
マイク/ヘッドホン マイク:φ3.5mm
ヘッドホン:φ3.5mm
HDMI Type D
Wi-Fi IEEE802.11b/g/n/a/ac
Bluetooth Ver.5.0
その他ポート類 -
バッテリー タイプ:EN-EL15c
撮影可能枚数:約330コマ EVF
サイズ 約134×100.5×72mm
重量 本体のみ:約620g
バッテリー含:約700g
防塵防滴 対応

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