ボケは粗いが全体的にシャープなレンズ｜NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7

ePHOTOzineが「NIKKOR Z DX MC 35mm F1.7」のレビューを公開。ボケが粗く、逆光時にフレアが発生すると指摘。しかし総合的には性能と価格のバランスに優れ、強く推奨できると言及しています。

ePHOTOzine：Nikon Nikkor Z DX MC 35mm F1.7 Lens Review

外観：主にプラスチック製だが造りはしっかりしている。レンズフードが付属しない点は残念。フィルター径は52mmだが、フード取付用のバヨネットは備えていない。

構造：防塵防滴対応だが、カメラ本体(Zfc)が防塵防滴ではないため利点が十分に活かせない点は惜しい。金属製バヨネットは精度が高く、着脱はスムーズで確実。

携帯性：重量220g、サイズは約7×7cmと軽量コンパクト。

操作性：操作系はスムーズで効率的。「サイレントコントロールリング」はフォーカスリングとして設定でき、AFの有無を問わず有効。Zfcでは絞りや露出補正にも割り当て可能。

AF：AFはステッピングモーター駆動で、ほぼ無音かつ高速高精度。

MF：最短撮影距離0.16m、最大撮影倍率0.67倍（35mm判換算1倍）。フォーカスブリージングが抑えられ、動画撮影にも適している。

手ぶれ補正：レンズ内手ぶれ補正は非搭載。Zfc本体にも手ぶれ補正がない点は残念。

解像性能：中央はF1.7〜F11で非常に優れ、F16でも優れている。周辺もF1.7〜F2で非常に優れ、F2.8〜F16まで一貫して非常に優れる。全体的に非常にシャープなレンズである。

像面湾曲：記載なし。

ボケ：背景が複雑な場面ではやや粗く見える。

色収差：色収差は良好に抑制され、追加補正の必要は少ない。

球面収差：記載なし。

歪曲収差：−0.10%の軽度な樽型歪みであり、直線の見え方にほとんど影響はない。

周辺減光：最小限。

コマ収差：記載なし。

逆光耐性：通常の撮影でフレア耐性は良好だが、強い光源が画面内に入るとフレアが大きく出やすい。HN-43フードの使用を推奨する。

光条：記載なし。

作例集：高解像データあり。

総評：手頃な価格ながら光学性能に優れたレンズ。コンパクトかつ軽量で、AFは高速かつ静粛で正確。マクロ域でも迷いがなく、標準レンズ兼マクロレンズとして優秀。シャープネスは絞り開放から一貫して高く、低い色収差や低歪み、適度な周辺減光など光学的に優れている。欠点はボケがやや粗いことと、逆光でフレアが出やすい点、さらにフードが付属せず手ぶれ補正もない点。しかし総合的には性能と価格のバランスに優れ、強く推奨できる。

競合について：記載なし。

備考：

2025年10月に登場したニコンAPS-C Zカメラ用の単焦点レンズ。
「NIKKOR Z DX 24mm F1.7」に続く二本目のDX単焦点ですが、共通していることは「F1.7」の開放絞りのみ。本製品は「F1.7」を維持しつつ、最大撮影倍率0.67倍の高いクローズアップ性能を実現。（マクロ域で光量が低下しても）実効F値が「F3.2」と明るく、使いやすいマクロレンズとなっています。
（参考：ニコン「マイクロレンズの F 値が開放にならない理由」）

販売価格はZ DX 24mmより高いものの、マクロレンズと一般的な単焦点レンズの特性を併せ持つ製品と考えると高すぎるとは感じません。

ePHOTOzineのレビューによると、大口径レンズとマクロレンズの特性を併せ持つ実用性の高いレンズとのこと。解像性能は一般して良好で、諸収差の補正状態も良好のようです。逆光耐性とボケ質について指摘しており、作例を見る限りでは確かに硬めのボケ描写となっています。

私はZ50IIと組み合わせて使用。
解像性能はマクロから遠距離まで良好ですが、コマ収差の影響で周辺や隅の点像再現性やコントラストが少し低め。ベストを尽くすのであれば、F2.8か、それ以上に絞って使うのがおススメ。ただし、近距離やマクロ域では目立ちません。

F1.7の大口径レンズとしても利用可能ながら、背景のボケが硬めで、時には二線ボケの兆候が見られます。単純に大口径の標準レンズが欲しいだけならば「VILTROX AF 35mm F1.7」を検討するのも一つの手。

ニコン NIKKOR Z DX MC 35mm F1.7 最新情報まとめ

発売日：2025年10月31日
希望小売価格：オープンプライス
ニコンダイレクト：64,900円
カメラのキタムラ：58,410円

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7
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レンズの仕様

レンズマウント	Z
対応センサー	APS-C
焦点距離	35mm
レンズ構成	7群8枚
開放絞り	撮影距離が∞のとき：F1.7 撮影距離が0.16mのとき：F3.2
最小絞り	撮影距離が∞のとき：F16 撮影距離が0.16mのとき：F22
絞り羽根	9枚（円形絞り）
最短撮影距離	0.16m
最大撮影倍率	0.67倍
フィルター径	52mm（P=0.75mm）
手振れ補正	-
テレコン	-
コーティング	SIC
サイズ	約70mm×72mm
重量	約220g
防塵防滴	防塵・防滴に配慮した設計
AF	STM
絞りリング	-
その他のコントロール	コントロールリング
付属品	•レンズキャップ52mm LC-52B(スプリング式） •裏ぶた LF-N1