【評価･作例】望遠マクロの銘玉 OS搭載モデル『APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM』

望遠マクロレンズといえば、純正では100mmの定番モデルとワーキングディスタンスを長く撮ることが出来る180mmや200mm。このレンズは純正には無い150mmをカバーした上で、開放絞り値がF2.8という明るい望遠マクロレンズだ。

100mmのマクロレンズよりもワーキングディスタンス（被写体との距離）を長く取りやすく、180・200mmのレンズよりもずっと安価で明るさも100mmマクロ並に維持。本格的にマクロ撮影をする際にお手頃で導入し易い上に使い勝手も上々。マクロ撮影で前ボケを作りたいのであればこのくらいのワーキングディスタンスがあると便利だ。

描写性能は先代（OS無しモデル）譲りのシグマらしいカリカリシャープな切れ味で、さらに磨きがかかっており倍率色収差や軸上色収差が徹底的に抑えこまれている。但し、シャープさ優先の為に先代よりもボケ味がスポイルされている感があるので、気になる方は諸作例をチェック。諸収差が抑えこまれている事と、十分な解像度があるのでDPPによる純正レンズのメリット『DLO（デジタルレンズオプティマイザ）』が適用出来なくてもあまり問題にならない。

純正レンズと比べると、お世辞にもAFが早いとは言えないが遅くはない。マクロ域でのライブビューAFは相性が悪いのか大きくアウトフォーカスしているとかなり遅く感じる。

個人的に使用しているのは先代のOS無しモデル。これを使うと『EF100mmF2.8L マクロ IS USM』が眼中になくなった。EF100mmも十分に満足出来るレベルだが、150mmという焦点距離の使いやすさとナチュラルで柔らかいボケ味のこのレンズを使うと手放せなくなる魔性のレンズ。エクセレントとしか言いようが無い。OSが搭載されていない分、200gほど軽いのもメリット。全長が短いので、実重量ほど重さを感じなかったりもする。

惜しむらくは旧型のマットな外装は汚れが付着しやすく手入れし難い点。一体なぜこのような仕上げにしたのか謎い。新型はゴムコーティングになっているので、汚れは付着し難い。但し、傷が付きやすいという…