G9 PROはそろそろ買い時か?
ついにLUMIX G9 PROが一部の店舗で14万円を切ってきましたね。「そろそろ買いごろ」と検討している人も多いのではないでしょうか?
今回はそんなLUMIX G9 PROを発売日から使い続けている身として、良いところ悪いところを8ポイントで紹介したいと思います。
Index
LUMIX G9 PROってどんなカメラ?
points
- パナソニックのハイエンドミラーレス一眼
- どちらかと言えば静止画重視モデル
- 一眼レフライクな操作性とボディサイズ
- 強力なボディ内手振れ補正
- 豊富なフォーカス機能と抜群の連写性能
- 比較的高価なマイクロフォーサーズカメラ(G以上GH未満)
平たく言えば「デカいボディにありったけの操作性と機能性を詰め込んだミラーラス」。
「既知のミラーレスらしい機能」を全て詰め込み、「これからのミラーレスのかたち」を示唆するかのようなデザインのカメラです。元祖ミラーレスの血統を受け継ぐに相応しい佇まいと言えるのではないでしょうか?
ミラーレスとはなんぞや?を確認したければコレを買っておけば間違いない。一眼レフのような操作性を実現しているのでレフ機からの移行も簡単なはず。
「ミラーレス=小型軽量」と言う概念を打ち破るようなデカいカメラですが、おそらく今後登場するであろうキヤノンやニコンのミラーレスもこのようなカメラとなるかもしれませんね。G9 PROはその先駆けと言える存在かもしれません。
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LUMIX G9 PROを買う前にチェックする8ポイント
携帯性
- 重量:マイクロフォーサーズとしてはかなり重いものの、装着するレンズも相応となるためバランスは良好。
- サイズ:APS-C一眼レフとあまり変わらないサイズ感です。特に大型ファインダー+大型アイカップでカメラの後ろ側が大きくはみ出しています。カメラバッグへの収納性はもちろん悪い。しかし、余裕のあるボタン配置となっているので使い勝手の点ではプラス。
- カメラグリップ:マイクロフォーサーズでこれ以上大きなグリップはそうないのでは?自然と手にフィットするのはE-M1 Mark II。
- ストラップ:カメラ左方に展開するバリアングルモニタを採用しているため、たすき掛けの大きなストラップを使うとモニタを展開し辛いです。カメラ底面にアンカーを装着して底面と右側の金具でストラップを装着すると良し。コマンドダイヤル(後)と右側ストラップ金具の位置が近いため、ストラップの付け方によってはダイヤルの回転動作に干渉する可能性あり。この辺のカメラデザインの甘さはマイナス。
とにかくデカい
LUMIX G9 PROはマイクロフォーサーズの中でもボディサイズが特に大きいカメラ。
もはやAPS-C一眼レフと同程度のサイズ感を持ち、フルサイズミラーレスのα7よりも大きく感じられます。
おかげさまで操作性やグリップは非常に良好ですが、小型軽量を重視している人にとって許容し難いサイズのはず。
操作性
- ボタン類(トッププレート):キヤノンと似たような配置となっているので慣れていると使いやすいです。ボタン毎に形状が異なり、誤操作し辛くなっている親切設計。ただしRECボタンはかなり押し辛い配置。
- ボタン類(カメラ背面):悪く無い配置と感触ですが、再生ボタンが左上に配置されているのが解せぬ。これでは左手で操作しなければ再生確認できないじゃないか…。
- ボタン類(カメラ前面):E-M1 Mark IIと同じくFnボタンが2カ所配置されています。2カ所あることは素直に喜ぶべきですが、下側のボタンが非常に押し辛い。何を考えてここまで下に配置したのか?(オリンパスやニコンはもう少し上に配置されているため押しやすい)
- シャッターボタン:E-M1 Mark II以上にフェザータッチ。特に半押しまでのストロークが非常に浅く、指を乗せただけで反応する。無反動の電子シャッターと組み合わせることで手振れをかなり抑えることが出来るはず。
- ドライブダイヤル:ニコンやフジフイルムと同じくカメラ左上に配置されています。連写や4K/6Kフォトモードはこのドライブダイヤルを操作する必要があります。分かりやすい反面、右手だけで操作できないのが難点。個人的にオリンパスのようにソフトウェアで操作するほうが良かったなと。(オリンパスは不必要な項目を削除できるので、例えば単写とレリーズタイマーのみ表示と言う芸当も可能)。ちなみにプラスチック製、なぜここで質感をケチったし。
- モードダイヤル:LUMIXらしいモードダイヤルで特筆すべきポイントはありません。カスタムモードは3カ所。
- コマンドダイヤル(前):キヤノン式の配置でゴム製。G8やGX8のシャッター同軸ダイヤルとは異なるため違和感があるかも。正直に言うとシャッター同軸が良かったです。
- コマンドダイヤル(後):前と違ってプラスチック製。配置的に問題はありませんが、カメラデザインに統一感が無いのは残念。OM-D E-M1 Mark IIのデザイン(質感やパーツの統一感の点で)を見習ってほしいところ。前述したとおり、ストラップ金具と干渉しやすい。GX7Mark IIIのようにボディ埋設式の方が良かったかなと。
- 背面ダイヤル(コントロールダイヤル):プラスチッキーで質感はマイナス。しかし、使い勝手は非常に良い。同じく背面ホイールを採用しているソニーやキヤノンと比べて使いやすい機能が揃っている。特にフォーカスエリアのサイズをフレキシブルかつシームレスに変更できる機能が大変素晴らしい。
- フォーカスレバー:レバーの形状は他社と使い比べてもトップクラス(フジフイルムのレバーとか小さ過ぎて…)。ただし、ナナメ操作や方向転換に対応していないためパーフェクトではありません。ちなみにフォーカス移動はタッチパッドAFに任せて、レバーを4方向+押し込みの5カ所をFnボタンとして使うことが可能。
- フォーカスモードレバー:LUMIXではお馴染みのレバー。ニコン、ペンタックス、フジフイルムと異なり、右手で操作できる配置となっているのがグッド(他3社はカメラ左下に配置されているためとても使い辛い)。
- Fnレバー:カメラ左前面に配置され、任意の機能を登録できるレバーでLUMIX初。登録できる機能は悪く無いものの、レバーが小さく切替辛いのがネック。便利なのだけど、あまり使わない残念な子。レバーの配置が逆だと思うのですよね。
- ファインダー:0.83倍の超大型OLEDファインダーは伊達じゃない。輝度と発色は申し分なく、とても見やすい。倍率が高いのでPIP表示のフォーカスアシストでも簡単にピント合わせが可能。このファインダーに慣れてしまうと他のファインダーはどれも小さく見えてしまうはず。ちなみに凄い糸巻き型歪曲が残っているため、人によっては生理的に受け付けない場合もあるはず。私は1週間で慣れました。
- バリアングルモニタ:OM-D E-M1 Mark IIと比べて凄い肉厚のバリアングルモニタ。解像度はやや低め。普段は問題無い解像度ですがマニュアルフォーカスでピントを追い込む際はちょっと物足りないかも。
LUMIXで一貫した操作・機能性
G9 PROは「LUMIX」のハイエンド一眼カメラですが、操作は思っていたほど難しくありません。
LUMIXは他社と比べてエントリーからハイエンドまで操作システムが一貫しており、基本的な操作画面はもちろんのことカスタマイズや機能など共通している部分が多いのです。
エントリークラスのLUMIXからG9 PROへ乗り換えたとしても新機能以外は迷わず使いこなすことが出来るはず。
クラスによって操作体系が大きく異なるニコンやペンタックス、システムに制限を設けているキヤノンやオリンパスと比べると手に馴染みやすいカメラと言えるでしょう。
カスタマイズ
もともとLUMIXはカスタマイズ性の高いカメラでしたが、特にG9 PROは際立っているように感じます。
そもそもミラーレスとしてはボディサイズが大きく、ボタン数が多いため機能を登録できる箇所が多い。さらにLUMIX独自のタッチFnにより、モニターへ追加5カ所のFnボタンを配置可能。最大で19カ所に任意の機能を割り当てることが出来るのです(さらにリアホイールやコマンドダイヤルを別枠で登録可能)。
加えて、登録できる機能は数多く、自分好みの操作性へカスタマイズすることができます。
巨大なファインダー
35mm判換算で0.83倍と非常に大きなファインダーを持っています。この倍率はフルサイズミラーレスのα7系やフジフイルムX-T2よりも大きい。同程度のファインダーを搭載しているのはGFX 50Sなど中判センサーカメラくらいでしょうか。
ファインダーの光学系に糸巻き型歪曲が少し残っているため気になると感じる人がいるかもしれません。私は1週間ほどで慣れてしまいましたが。
倍率が高いのでパナソニック独自の拡大方式「PIP表示」が非常に見やすく便利な機能へと昇華しています。全画面拡大せずともシビアなピント合わせが可能となりました。
画質
画質の印象は個人差があるので参考までに。比較機材はNikon D850・EOS 6D Mark II・PENTAX K-1・α7 III・X-Pro2・X-E3・Kiss M・80D・E-M1 II・GX8・GX7MK2あたり。
- シャープ:オリンパスほど攻撃的なシャープネスでは無く、線の細い繊細な描写。ライバルのOM-D E-M1 Mark IIと比べると、ハイレゾモードでもG9 PROの方が明らかに良好。風景撮影やマクロ撮影で画質を重視するのであればコチラがおススメ。
- 色:オリンパスと比べて自然風景などの青や緑の発色は彩度が強すぎずナチュラルな印象。肌色はE-M1 Mark IIがややマゼンダ寄りとなるのに対し、G9 PROはニュートラルか少しイエロー。正直に言うとどっちでもいい。高感度を使う場合に色褪せやすいのはG9 PRO(ISO3200あたりで差が出てくる)。
- ダイナミックレンジ:E-M1 Mark IIとドッコイ。ハイレゾモードを使うとAPS-C以上、最新フルサイズ未満と言ったところ。ハイライト重視はE-M1 Mark IIほどでは無いため暗部のノイズは少し穏やか。露出制御が良いのかE-M1 Mark IIよりもしっくり来る場合が多い。
- 高感度耐性:E-M1 Mark IIより悪いものの僅差。ISO3200までなら許容範囲内と思って使っています。iDレンジコントロールを強めに設定していると暗部をモリモリ持ち上げるので注意(ノイズが増える)。高感度を使うときはiDレンジコントロールは切っておいた方が良いかも。ぶっちゃけ、フルサイズでもノイズリダクションを適用するとG9 PROとビックリするほどの差は無かったり。(高画素フルサイズは別)
- ノイズリダクション:仕上がり設定ごとに調整できる点がグッド。オリンパスのようにメニュー画面を呼び出さなくても調整可能だったり。標準?強設定はディテールの損失感が強いので、個人的にはオフ?弱設定。
- 仕上がり設定:オリンパスよりもバリエーション豊かで調整幅が広い(もしくは細かい)。
- ホワイトバランス:実写で特にこれと言った問題は無し。シチュエーションがガラっと変わる場合、一時的に寒色へ傾く場合がありました。
- 露出制御:露出傾向はキヤノンと似ておりオリンパスよりも良好。逆光で人体認識・顔検出をしているにも関わらず被写体がアンダーとなる制御は改善して欲しいところ。アンチフリッカーは対応していないため、屋内での露出ムラには気を付けたい。
連写機能・シャッター
- 超高速:電子シャッターを使用して最大60コマ秒を叩き出す連写モード。追従連写でも20コマ秒を発揮します。電子シャッターのため被写体によってローリングシャッターの影響を受けますが、電子シャッターの幕速はE-M1 Mark II並なのでほぼ問題無いはず。超高速時の追従連写は高速駆動に対応した純正レンズ以外だと追従AFがうまく作動しない。
- プリ連写:オリンパスのプロキャプチャーモードと同じ機能を持つモード。連写枚数や連写速度の調整は出来ませんが、使い勝手はプロキャプチャーとほぼ同等。
- 高速:メカシャッターを使用可能な通常の高速連写モード。9/12コマ秒での連写が可能でオリンパスレンズを使用しても問題無く追従可能。
- 4K/6Kフォト:30?60fpsのフレームレートで動画の切り出し画像を生成できるモード。秒間60コマでの追従も可能ですが、駆動速度はそこまで速く無い。ちなみに超高速と違いオリンパスレンズでも追従動作が安定している。
- フォーカスBKT/合成:従来の4Kフォーカス合成(800万画素)と異なり、6Kの解像度(1800万画素)で撮影が可能。実用性が極めて高くなっているので積極的に使っていきたい機能です。
- セルフタイマー:特筆すべきことはありません。オリンパスの「セルフタイマー+連写設定」のような機能はありません。
- インターバルタイマー:タッチパネルでライブビューから直接メニュー画面へ移行できるので楽。この辺はオリンパスも見習ってほしいところ。開始時間を設定できる機能はありがたいと感じる人もいるのでは。
- バッファ:E-M1 Mark IIとドッコイ。UHS-II対応スロットが二つあるので総合的に見るとG9 PRO有利か?超高速60コマ連写を使うと一瞬でバッファを食い尽くすので超高速2や高速モードが無難。秒間コマ数を細かく調整できるオリンパスのほうが柔軟性は高い。バッファクリア中でも各種設定にアクセスできる点はグッド。
- 電子シャッター:1秒?1/32,000秒まで対応。F1.2の大口径レンズでも日中に絞り開放で使用可能です。ローリングシャッターの影響は比較的小さいので積極的に使って問題無いはず。ネックは長秒露光が1秒までなこと。無反動のスローシャッターとして使い辛い上、電子シャッター必須のハイレゾモードで厄介となる。
- メカシャッター:GX7MK2やG8の世代から始まった低反動のメカシャッター。E-M1 Mark IIのシャッターよりも静か。
トップクラスの連写性能・連写機能
「追従連写20コマ/秒・AFL連写60コマ/秒」と抜群の連写性能を持つカメラです。
加えてシャッターチャンスから遡って連写記録が可能な「プリ連写機能」を実装しており、今まで撮影が難しかったシチュエーションも非常に簡単に撮影可能。
例えば昆虫の飛翔シーンなど、一眼レフで30分?1時間ほどかけてシャッターチャンスを捉えていたのに対し、G9 PROは10分程度あれば使えそうなカットが何枚も手に入ります。
電子シャッターを使うため、高速移動する被写体がローリングシャッターによって歪む可能性はありますが…。
オートフォーカス
- ピンポイントAF:他社の「拡大中にAF」と似た機能ですが、LUMIX独自のPIP表示によって全体のフレーミングを注意しながら拡大AFをすることが出来るモード。マクロや風景撮影ではとても重宝するものの、G9 PROは「AFスコープ」を実装しているためピンポイントAFを使う機会は現象。
- 1点AF:他社と同じような機能ですが、像面位相差AFを持たないG9 PROはフォーカスエリアとサイズを細かく調整可能。前述したようにコントロールダイヤルに「AFエリア」を設定しておくと使い勝手が非常に良好。
- カスタムマルチAF:LUMIXで一度は使ってみて欲しいモード。菱形のグループエリアの他に縦一文字・横一文字・225点中任意のエリアを選択可能。菱形・横・縦はサイズと位置を移動させることが出来るため、他社では真似できないフォーカススタイルを取ることが出来ます。このAFモードでもコントロールダイヤルの機能は有効。
- 225点:基本は全点オートモードですが、フォーカスレバーを操作することで1点?169点までのフォーカスエリアへ瞬時に切り替えることが可能。
- 顔・瞳認識:基本は225点モードとなり、「人体認識」を含めて顔・瞳を検出して優先するフォーカスモードです。レバーを操作することで「1点AF」が作動しますが、顔・瞳検出は優先されます。人体認識のお陰で子供の撮影が非常に快適となりました。
- 人体認識:「顔・瞳認識」に内包された検出機能。ちょっと怖いくらい人体を認識するキラーフィーチャー。人体であれば後ろを向いていても、座っていても、寝転んでも、上半身だけでも検出可能。監視カメラや車載カメラも製造しているパナソニックらしい高性能な検出機能ですね。
多彩なフォーカス機能・人体認識AF
基本は225点のコントラストAFです。699点の像面位相差AFを持つソニーα7 IIIなどと比べるとイマイチパッとしないスペックに見えるかもしれません。
しかし、他社では類を見ないカスタムマルチAFやPIP表示が可能なピンポイントAF、シームレスにエリアサイズを変更できる背面ホイールなど非常に使い勝手の良いフォーカスシステムに仕上がっています。
キヤノン・ニコン・ペンタックス・ソニー・フジフイルム・オリンパスと使ってきましたが、フォーカスシステムの自由度と使いやすさはトップクラス。「C-AFの追従性能」はベストでは無いものの、多くのユーザーにとって「使いやすさ」が刺さるポイントとなるはず。
人体認識
私がこのブログで何度もおススメしているポイント。
既存の顔検出・瞳AFと異なり、対象人物が後ろを向いていても、座っていても、寝転んでいても「人体」を検出しざっくりピントを合わせてくれる機能です。
検出頻度は秒間12コマと通常の検出回数と比べて遥かに少ないのでスポーツやアクションの撮影にはやや不向きですが、家族や旅行の写真では十分すぎるほどのパフォーマンスを発揮します。是非ともパパママカメラマンに使ってほしい機能。
2018年6月現在でこの機能を搭載しているのはLUMIX G9 PROのみ。
コントラストAF
最近では多くのミラーレスメーカーが採用している「像面位相差AF」を採用しておらず、昔ながらの「コントラストAF」を導入しています。
とは言っても、像面位相差AF搭載カメラと比べて「使い辛い」と感じるシーンは多くありません。むしろ人体認識AFや多彩なフォーカス機能の恩恵を受けて他社よりも使いやすいくらいです。
ただし、ピント移動距離が大きくなる至近距離では像面位相差AFと比べて比べて少し劣っています。(レンズに依ることが大きく、パナソニック純正の高速駆動に対応したレンズならばとても高速です)
撮影・作画機能
全てをピックアップすると膨大な量となってしまうため、主要なところをピックアップ。
- 手振れ補正:従来のLUMIXと比べて効果的な手振れ補正であり、E-M1 Mark IIといい勝負。超望遠や動画撮影時の補正効果はオリンパスと比べて滑らかでぎこちなさは感じない。
- AFスコープ:LUMIXに初導入された機能。平たく言えば「拡大機能」なのですが、PIP表示に対応しているところがポイント。全画面で拡大してしまうとフレーミングがズレてしまう可能性があるため、PIP表示でフレームに気を付けつつピント面の確認が出来る機能はありがたい。そのままオートフォーカスを作動させることも可能。高倍率ファインダーを搭載するG9 PROならではの機能と言えるでしょう。
- 下限シャッター速度:他社と似たような機能ですが、ファンクションボタンに登録可能なうえ、設定速度は1/3段ごとの細かい調整が可能です。個人的に娘や昆虫を撮るときに重宝しています。
- ハイレゾモード:イメージセンサーをずらしながら8枚の写真を合成して超高解像な画像を生成するモード。最大で「XL=80.5M」となり、これはオリンパスのハイレゾショットのRAW現像時と同じ。ただし、「80.5M」の解像性能に耐えられるレンズは限られており、大抵は「LL=40M」で問題無いはず。LUMIXでハイレゾを使ってみたかったら現状でG9 PRO一択。正直に言って解像性能はオリンパス以上。ただし、前述したように1秒以上の長秒露光に対応していないため、ハイレゾモードを使った夜景や高濃度NDフィルターの撮影で制限を受けやすい。
- ブラケット:絞りブラケットの存在が大きい。設定枚数に応じて1段絞って撮影することが可能。「ALL」を選択することで絞り開放から小絞りまでをワンプッシュで撮影出来ちゃうのはありがたい。
- 多重露光:2枚以上の多重露光でRAW出力に対応。オリンパスのライブコンポジット(多重露光の比較明合成)と比べてテンポは悪いものの、1枚ごとに丁寧な撮影をする場合は便利。オリンパスの(ライブコンポジットでは無い普通の)多重露光は基本2枚合成であり、追加で露光する場合はいちいち撮影した画像を選ぶ必要がある面倒な仕様なのです。
- タイムスタンプ:画像データ(JPEG)の左下に撮影時の日時を出力します。家族写真などを直接プリントする場合に重宝します。他社には無い面白い機能ですね。
- ハイライトシャドウ:オリンパスの「ハイライトシャドウコントロール」と似ていますが、中間域のトーンを調整することは出来ません。
- iDレンジコントロール:主にシャドーを持ち上げることでダイナミックレンジを拡張する機能。当然ながらシャドーのノイズが目立つので「強」は非推奨。AUTOで適切に補正されるので、必要と感じなければ弄る必要性なし。
- 超解像:細部のシャープさを強める機能です。不自然なシャープニング処理では無いため、常時適用しても違和感ありません。
ハイレゾ
オリンパスの「ハイレゾショット」、ペンタックスの「リアルレゾリューションシステム」、ソニーの「ピクセルシフトマルチショット」に続き4社目となる高解像撮影機能です。
仕様はオリンパスと同じように8枚合成。合成処理が上手いのかオリンパスよりもシャープな画質です。
合成処理によりノイズが低減するためシャドーの持ち上げ耐性がフルサイズ並みとなるため積極的に使っていきたいところ。
再生機能
- レスポンス:再生ボタンを押してから再生画面への移行がかなり遅い。SDカードを入れ替えても変わらないため相性の問題では無さそう。頻繁に再生画面へアクセスする人はストレスたまるかも。
- RAW現像:前述した通り、SDカードのRAWファイルへアクセスするためかレスポンスや処理速度がイマイチ。また、オリンパスのようにRAW現像でデジタルフィルターを適用することが出来なかったりする。その一方で仕上がり設定の細かい調整が出来る点はグッド。
- 連写カット:テイク毎にグループが生成されるため管理が非常に楽。ただし、前述の通りSDカードへのアクセス、レスポンスが少し悪い。
- 拡大:×16まで拡大可能です(オリンパスは×14)。AFフレーム枠と連動していないため、四隅へAFした場合の確認作業が少し面倒。
拡張性・通信機能
- USB3.0端子:USB-C端子では無いのが痛い。充電・給電に対応している点は良し。テザー+給電が出来るようにUSB端子が2カ所あればなお良かったです。
- Bluetooth:スマートフォンと低消費電力で常時通信接続が可能となっています。他社と比べて凄いのは電源オフから遠隔操作で撮影まで対応しているところ。野生動物などの撮影で長時間の待機を強いられる環境においてバッテリーを温存することが可能です。一般的な使い方でも、カメラバッグに収納したG9 PRO(電源オフ状態)からいつでも画像転送できるのは便利。その他にリモコン変わりとして使うことも出来ます。
- WiFi:遠隔操作や画像転送時はBluetoothからWiFiへ切り替えて使用します。デジタルカメラでは珍しい5GHz(IEEE802.11ac)に対応しているため安定した通信接続が可能となっています。
- スマートフォンアプリ「Image app」:キヤノンの「smart connect」ほどではありませんが、安定して使いやすいアプリだと思います。
LUMIX G9 PROは買いか?
G9 PROのおすすめ8ポイント
- 大型ボディで大口径レンズや超望遠ズームとのバランスが良好
- 大型ボディでボタン・ダイヤル操作が豊富で自由度が高い
- 多彩なフォーカスモードと驚異の人体検出機能
- マイクロフォーサーズでトップクラスの画質・作画性能
- トップクラスの連写性能とユニークな連写機能
- ユニークな撮影機能が多く、幅広いジャンルの撮影が可能
- 柔軟性が高い通信接続機能
- 給電・充電に対応しているため長時間の撮影に対応
冒頭で述べたように、ミラーレスの強みをありったけ詰め込んだカメラ(小型化以外)。非常に多機能でマルチロールな活躍が期待できます。
購入する理由は数多くあり、購入しない理由は「サイズ・コントラストAF・センサーサイズ」と単純明快。この3ポイントが気にならなければカメラ屋さんへGO。
オートフォーカスが極めて重視されるシチュエーションには不向きですが、個性的なフォーカス機能や並外れた連写性能を活用することで新しい道を切り開くことが出来るかもしれません。
画質はフルサイズ並みとはいきませんが、レンズの明るさや携帯性を考慮すると顕著に差が開くシチュエーションはそう多くありません。使い勝手が良く携帯性の高いマイクロフォーサーズはα7 IIIやD850よりも稼働率は高いです。ぶっちゃけG9 PROの便利なフォーカスシステムを体験してしまうと追従AFが必要な時以外はα7 IIIやD850は不便なのですよね…。
2018年7月時点でG9 PROの価格は14?15万円。この価格帯の競合カメラを考慮すると随分と高機能なカメラなのでは無いかなと感じます。
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