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トキナー atx-m 56mm F1.4 同クラスの中では非常に高性能なレンズ

Optical Limitsがトキナー「atx-m 56mm F1.4」のレビューを公開。欠点が無いわけでは無いものの、このクラスとしては非常に高性能でボケも強みとなる描写と高く評価しています。

Optical Limits:Tokina atx-m 56mm f/1.4 X - Review / Lens Test Report

レンズの紹介:

  • 富士フイルムがサードパーティメーカーへマウント情報を開示し始めた。Xマウントに参入したレンズメーカーには1950年創立のTokinaも含まれている。(現在はケンコーの子会社となっている)
  • この56mmはフルサイズ判で言うところの85mmに相当する焦点距離だ。
  • トキナーが公開しているレンズの仕様はVILTROX製レンズと非常に良く似ている。ただし、メーカーが公開しているMTFやレンズ構成にはわずかな違いがある。

ビルドクオリティ:

  • ビルドクオリティはとても良好だ。フォーカスリングや絞りリングを含めて金属製である。
  • 深い円筒型の金属製レンズフードが付属する。
  • レンズに補正用プロファイルが含まれていないので、JPEG出力時に自動補正を利用することが出来ない。
  • レンズのファームウェアアップデートが必要になった場合はトキナーのサービスセンターへ送る必要がある。

携帯性:

  • レンズ全長はフォーカシングに関わらず一定だ。

操作性:

  • 絞りリングは無段階式だ。静止画には理想的な仕様と言えないが、Aポジションでカメラ側での操作にも対応している。

オートフォーカス:

  • ステッピングモーター駆動のAFはノイズレスで高速だ。

マニュアルフォーカス:

  • バイワイヤで動作し、富士フイルム最新レンズとほぼ同じ操作性である。

手ぶれ補正:

  • 光学手ぶれ補正は搭載していないものの、ボディ内手ぶれ補正を利用することが出来る。

解像性能:

  • 完璧では無いが、2600万画素のセンサーで確かなパフォーマンスを発揮する。
  • 中央の広い範囲で絞り開放から非常に良好だが、コントラストが少し低下する。
  • 周辺部の画質は絞り開放で悪い。
  • F2まで絞ると中央周辺が優れた性能となり、F2.8でピークに達する。
  • 周辺部はF2.8で良像を得られ、F5.6まで絞ると非常にシャープだ。

像面湾曲:

  • 像面湾曲はわずかだ。

ボケ:

  • 玉ボケは縁取りがなく、内側の描写はとても滑らかだ。
  • 玉ボケの口径食への影響が少なく、イメージサークルが広いものと思われる。
  • 前後のボケは滑らかだ。前ボケのほうが少し良好である。

色収差:

  • 倍率色収差はF1.4で平均1.3pixelにきちんと抑えられている。絞ると減少し、全体的に良好な結果だ。
  • 軸上色収差はF1.4とF2でハッキリと現れる。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 光学的に1.4%の糸巻き型歪曲だ。理想的ではないが、大部分の被写体で許容範囲内となるだろう。

周辺減光:

  • F1.4における光量落ちはわずか0.6EVと穏やかだ。追加補正の必要は無い。
  • F2まで絞ると0.4EVまで減少し、F2.8ではあまり変化が無い。
  • しかし、F4まで絞ると再び減少しており、奇妙な動き方を見せる。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 記載なし。

総評

Tokina atx-m 56mm F1.4 Xは、このレンズクラスの中では非常に高性能なレンズだ。もちろん、いくつかの注意点があるものの、それはすべてのレンズに言えることだ。シャープネスに関して、このようなレンズで最も重要な部分、つまり画像の中心部の広い範囲で良好な性能を発揮している。F1.4とF2の周辺部と隅はソフトだが、それ以降はかなりまともで、中程度の絞り値では本当にシャープだ。

倍率色収差や歪曲収差は、場合によって目に付くものの穏やかに抑えられている。周辺光量はF1.4から気になる低下が見られない。レンズに補正プロファイルが無いものの、問題とはならないだろう。そして、ボケ味の良さがこのレンズの強みであることは間違いない。アウトフォーカスのハイライトはF1.4で非常にきれいで、隅を除いて円形を維持している。一般的なボケ表現も滑らかだ。一方、絞り開放では軸上色収差が目立つ。また、コントラストの高い、難しいシーンではパープルフリンジが発生することもある。

総金属製の筐体、滑らかなコントロールリング、インナーフォーカスなど、ビルドクオリティは驚くほど高い。防塵防滴仕様ではないが、AFはスピーディーでノイズレスだ。

全体的に見て、多くの点で良好な結果となり、そしてフジノンXF56mmF1.2 Rの半分以下の価格で実現されている。さらに、よりコンパクトで軽量だ。VILTROX 56mm F1.4の方が手ごろな価格かもしれないが、トキナーは少なくとも主要国にサービスセンターがあり、よく知られているブランドであることは強みとなるだろう。

とのこと。
VILTROX製レンズよりも高価ですが、国内のサービスセンターで日本語の対応が可能なのは有難いですね。ただ、ファームウェアアップデートがあった場合はサービスセンター送りが必須となるのは不便。この辺りのバランスと価格差を考慮して気になるほうを購入するのが良さそうです。

比較的辛口なコメントが多いOptical Limitesにしては評価の高いレンズとなっているように見えます。決して完璧な光学性能ではありませんが、ポートレートレンズとしての要件は満たしている模様。私はトキナー製レンズが登場する前に「VILTROX AF 56mm F1.4 STM」を購入しましたが、なかなか良いレンズだと感じています。VILTROX製APS-Cレンズの中では絞り開放が最もシャープで安定しており、ボケも綺麗で使いやすい。ただ、23mm F.4・33mm F1.4と同じく、絞り開放でコントラストが少し低下する点で富士フイルム純正レンズと異なります。これを長所と見ることができるかで評価が分かれそう。

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atx-m 56mm F1.4
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