Canonの高画素機誕生
今年の2月には既に発表されていたCanonの高画素機、「EOS 5Ds」「EOS 5DsR」が今月の18日に発売する。基本的にはEOS 5DMarkIIIのブラッシュアップとセンサー周辺のリニューアルとなっており、価格差は現在のEOS 5DMarkIIIの倍ほど違う。Canonフルサイズユーザーならば、新しいフルサイズ機が気にならないわけがない。
今回はそんな5Dsと5DsRについて見て行きたい。
変更点確認
EOS 5Ds 5DsR | EOS 5D Mark III | |
有効画素数 | 約5060万画素 | 約2230万画素 |
処理エンジン | DIGIC6*2 | DIGIC5+ |
対応メディア | UHS-I対応 | UHS-I非対応 |
RAW/JPEG L サイズ |
8688*5792 | 5760*3840 |
LVAF | コントラストAF | 位相差orコントラストAF |
連写 | 5.0コマ/秒 | 6コマ/秒 |
連続撮影 | JPEG LF 31枚 RAW 12枚 JPEG+RAW 12枚 |
JPEG LF 65枚 RAW 13枚 JPEG+RAW 7枚 |
露出制御 | 252分割測光 | 63分割測光 |
出力 | USB3.0 | ー |
撮影可能枚数(OVF) | 常温約700枚 | 常温約950枚 |
撮影可能枚数(LV) | 常温約220枚 | 常温約200枚 |
サイズ | 152.0*116.4*76.4mm | 152*116.4*76.4mm |
重量 | 約930g | 約950g |
画素数に目を向けなければ、そこまで際立った変更点は無い。DIGIC5+からデュアルDIGIC6になった点だけだろうか。5DMarkIIIの画作りに満足しており、さらに高画素に興味が無ければそこまでといったところだが…。詳しく見ていこう。
有効画素
一気に倍以上の画素数に上げてきた。大丈夫なのか?と不安になるレベル。特に5DsRではローパス効果をキャンセルする事でさらに解像度を上げてきている。
解像度を求める為にはボディの能力だけで無く、レンズの光学性能にも左右される。今まで安心して使用してきたレンズで荒が見えてくる可能性もあるし、「まさか、このレンズでここまで写るとは!」ってレンズもあるかもしれない。また、必要以上に荒が見えたり、手振れやシャッター速度に敏感になる。正直2000万画素あれば十分な気もするが、トリミング上等なら5000万画素逝っちゃえばいいと思います。
デュアルDIGIC6
画素数が倍以上になり、膨大なデータ量を処理する為には致し方ない処理エンジンの拡張。これでも5DMarkIIIの秒間6コマ/秒には追いつかない。ま、倍以上だしね。脳みそが増えた分、必要なエネルギーも増えている訳で…。撮影枚数はOVF時に200枚程度のダウン。高画素機の宿命ですな。
AF
ファインダー時のAFは一緒。61点の測距点を持つ。公式には頼りになる解説が書かれているが、基本的に5DMarkIIIと一緒の事が書かれている。気になる点としては、ライブビュー時の位相差検出AFが出来なくなった点。
連続撮影
上でも述べた様に画像データが倍以上に膨れ上がっているので、処理は大変。と思いきや秒間コマ数では劣っているものの連続処理は結構頑張っている。JPEGの吐き出し量では負けるものの、RAWデータのやり取りは僅差でJPEG+RAWでは勝っている。デュアル処理エンジンの恩恵の様だ。
特に解像度を活かすのであれば、RAWで保存して自宅でしっかりと現像したいところ。
露出制御
4倍の分割量で測光出来る様になっている。何が違うのかと聞かれると、それだけ細かく露出状況を判断でき、適正な明るさの露出を判断出来る様になったと言うこと。
出力 USB3.0対応
データ量が倍以上になる訳だし、これは必須と言ってもいいくらい。PC側もUSB3.0対応である必要があるし(コネクタ部が青ライン入っている)、USBケーブルも3.0対応でなければいけない。
?連続撮影枚数(バッテリー耐久)
先にも述べたが、処理エンジンが倍に増えているので撮影可能枚数は減っている。まあしょうがないので諦めよう。ライブビュー時には一転してドッコイどころか勝っている。液晶の省エネ化が図られたと考えていいのだろうか。
サイズ
5DMarkIIIのリニューアルだけあってほぼドッコイ。むしろ重量は軽くなっている。
ローパスキャンセラーについて
ついにキヤノンもローパスフィルターレスか!と言いたいところだが、そうではないらしい。
ローパスで分離した光情報を再度、ローパスをかます事で結像し直すと言う技法。他社のローパスフィルターレスとは考え方が違う。「ローパスフィルターはあって然るべき物」と言う理念に基づきながらも、ローパス効果を消し去るにはどうしたら良い物かを苦慮した結果。
なのだが、実は他社でもやっている。
ニコンのD800とD800Eが丁度、5Dsと5DsRと対比になる。その後に登場したD810は「E」の称号無しにローパスフィルターレスとなっている。さて、この経緯を見るにキヤノンのローパスキャンセラーの実力は如何に。
手元にはプルプル震えるローパスセレクタのK-3があったりするのでこの経緯はちょっと気になるところ。PENTAXのフルサイズはどうなるのだろうねえ…。
低振動設計について
なるほど!高解像度を活かすためには確かにミラーショックの低減は欠かせない。Canonは抜かり無く、低振動設計を組み込んできた。ミラーアップはバネとバネに力を伝えるためのレバーを動力とするカメラが多い中で、ギア駆動によるトルクのかかり易い駆動方法を採用している。これにより、バネやレバーの様にブレーキが効きにくい構造では無くなったので従来の方式よりもミラーショックを抑えこむことが出来る。
ギア式にすることで、ギアの寿命が気になる所だけども15万回のシャッターユニット試験時にミラーアップもしてるはず!
ミラーアップ以外にも、ミラーバランサーやボディの剛性などで振動を抑制できるような設計がなされている。
共通して言えること。
ローパスフィルターレスを積極的に採用している一眼レフメーカーのNikonやリコーイメージングと違う点はレンズからローパスフィルター、CMOSセンサー、ソフトウェアまでを一貫して設計・製造している点。
もちろん、それぞれをその道のプロフェッショナルが製造した方が効率は良いと思うが、全体のバランスを考えるとCanonの理念も一理ある。それ故に、あえてローパスフィルターレスに拘らず、ローパスキャンセラーと言う方式を採用できたのかもしれない。それほどまでに自信があったのだろう。
EOS 5Ds・5DsRは買いなのか?
潤沢なレンズ資産をお持ちであれば迷わず買い換えるべき
正統進化は5Dsだが、特に解像感に感動を得ることが出来るのはRの方だ。5DMarkIIIを持っているのであれば、5DsRにするべきだろうと思う。また、そこまでレンズ資産が無いのにこのボディを買ったとしても、このボディを活かしきるレンズがあるかどうかは微妙なところ。
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D810とかどうでしょう?
このボディを買う資金がギリギリなのであれば、いっそD810とレンズにぶっ込んだ方がお手軽だと思われる。5000万画素はあまりにもデータ量が大きすぎて、維持管理の負担が大きい。恐らく5000万画素に耐えうるレンズ沼に嵌って行くと予想できる。3600万画素もあれば十分。
逆にD810ユーザーが5DsRの購入を考えていたりと、着実に沼にハマっている方もいらっしゃる。資金が十分にあるのなら何を迷う必要があるのだろうか?どうぞ5DsRにお逝きなさい。いっそ5Dsも(ry
マップカメラにて5Ds。楽天市場では最安値付近
価格:454,890円 |
5DsRの楽天市場最安値。もう一度言うと最安値だ。
もはやプロ機のお値段。
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ちなみにD810の新品、マップカメラにて。
まあ少し冷静になってこちらも考えてみては…。
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