ついにK-3IIが発売。リアルレゾリューションシステム(長いからRRS)や強化された手振れ補正やGPS内蔵など、K-3ユーザーから見ても目新しい機能がてんこ盛りだ。
しかし、ちょっと待って欲しい。上記3点以外はK-3とあまり変わらなかったりする。機材道楽なら迷うこと無くK-3IIに突撃する所だけども、K-3とK-3IIの価格差は大きい。特にK-3IIに乗り換えるべく、オークションや中古販売でのK-3の在庫が増えてきている。5月上旬から下がり始めた新品のK-3の価格もそろそろ底打ちした感があり、7万円は切らないだろうなあ…というところ。
RSS以外は、なんとかなる(三脚や一脚で手振れをカバー・O-GPS1を装着でGPS使用可能)のでRSSに魅力を感じなければ正直K-3で良いと思う。
そこで、今回はそんな迷える子羊をPENTAX沼に叩き落とすべく記事を書いていこう。
スペック比較
まずはお馴染み公式仕様ページからスペックを比較。
製品名 | K-3II | K-3 |
---|---|---|
画素数 | 約2435万画素(有効画素) 約2471万画素(総画素) |
約2435万画素(有効画素) 約2471万画素(総画素) |
撮影素子 | APS-C 23.5 x 15.6 mm CMOS |
APS-C 23.5 x 15.6 mm CMOS |
高感度(ISO感度) | ISO100-51200 | ISO100-51200 |
連写撮影 | 約8.3コマ/秒 | 約8.3コマ/秒 |
シャッタースピード | 1/8000-30秒 | 1/8000-30秒 |
液晶モニター | 3.2インチ 約103.7万ドット |
3.2インチ 約103.7万ドット |
ファインダー形式 | ペンタプリズム | ペンタプリズム |
ファインダー視野率 | 約100% | 約100% |
ファインダー倍率 | 約0.95倍 | 約0.95倍 |
電池タイプ | D-LI90P | D-LI90P |
電池寿命(撮影枚数) | 約720枚 | 約720枚 |
記録メディア | SDHCカード SDカード SDXCカード Eye-fiカード FLUカード |
SDHCカード SDカード SDXCカード Eye-fiカード FLUカード |
動画撮影サイズ | 1920 x 1080 (フルHD) | 1920 x 1080 (フルHD) |
防塵・防滴 | ○ | ○ |
GPS | ○ | △(O-GPS1使用) |
RRS リアルレゾリューションシステム |
○ | X |
内蔵フラッシュ | X | ○ |
手振れ補正 | 4.5段分 (センサーシフト方式) |
3.5段分 (センサーシフト方式) |
幅 x 高さ x 奥行き (突起部含まず) |
約131.5 x 100 x 77.5 mm | 約131.5 x 100 x 77.5 mm |
質量(重さ) | 約800g(電池、SDカード付き) 約715g(本体のみ) |
約800g(電池、SDカード付き) 約715g(本体のみ) |
発売日 | 2015年5月22日 | 2013年11月1日 |
お判りだろうか?既にお調べの方には愚問だけども、差は赤印の所だけだ。画像処理エンジンやセンサーは従来のPRIME IIIだったりSAFOX 11だったりする。差があるとしたらRSSの使用可能かどうかだ。そこで、今一度、K-3の良いところを取り上げていこう。
センサー・画像処理
2400万画素CMOSセンサー
これは現在のAPS-Cでは限界だろうと言われる2400万画素。コレ以上となるとSIGMAのFoveonセンサーぐらい。
ローパスフィルターレスであり、光学情報を遮るガラスが一枚無いお陰で解像度も高まっている。当然、画素数も相まって手振れに敏感であり繊細な扱いが必要になる。言い方を変えると今までは手振れと分からなかった部分までしっかりと解像することで手振れと判るようになった、と言えると思う。
つまりは今までの1600万画素ローパスフィルター機では拾いきれていなかったレンズの光学情報を拾う事が出来るようになったと言うことだ。Kマウントのレンズを最大限活かす事が出来るPENTAXのカメラは、今のところK-3とK-3IIだ。
あまり使用する機会は少ないが、例えモアレが発生してしまったとしても、ローパスセレクタでモアレの軽減を行うことが出来る。
PRIME III
最高でISO51200までの高感度を設定出来る。PRIME IIIではノイズのノリ具合によってノイズリダクションの効果を設定する事が出来るので、購入したら実際い試写を行い自分好みの設定をしておこう。ネットでの評価だとK-5シリーズに比べて高感度が弱くなったとの評価が多い。高感度の評価については、1600万画素のK-01がそろそろ家に届くのでその後で比較して言及して行こう。
「ペンタブルー」とか「ペンタグリーン」とか聞くように青や緑の表現時に印象に残る発色する。特にPENTAX特有のホワイトバランスである「CTE」は同系色が多い時に、更に同系色を強める発色の処理をする。RAWで現像せずとも印象的なJPEGを吐き出したりするのでオススメだ。RAW現像する際もCTEでの出力を見ながら発色を調整して現像するのもアリ。マジックアワー時にCTEで撮ると全体的に青みがかった発色の傾向にある。
また、速写性に優れており秒間8.3コマのRAW撮影が可能だ。バッファもRAW23枚まで可能と動体が得意じゃない割には結構撮れてしまう。これで動体追従が良いセンサーとAF早いレンズがあればなあ…。
オートフォーカス
最新AFシステムとしてSAFOX 11を導入しており、27点のうち25点がクロスセンサーの高感度センサーを採用している。中央3点ではF2.8対応のクロスセンサーとなっている。
上図をご覧の通り、測距点は多いけども中央に結構集まっている。測距点の範囲で言えばK-5シリーズとあまり変わらない。ラインセンサーがおまけ程度に左右に1点づつ存在する。諦めて中央1点なりエリア拡大スポットで使おう。低輝度でのAFが強く、中央25点で-3EVでのAFが可能だ。Nikonの最新機種であるD7200ですら-3EV対応は中央1点だけだったりする(その他は-3未満)。
K-3IIでは奥行き方向の動体に対しての追従性能の向上が見込めるそうだ。最新のレンズ3種についてはAF.Sの速度向上も見込める新アルゴリズムらしい。
手振れ内蔵
オリンパスやソニーのα7IIと同じように、手振れ補正はセンサーシフト方式を採用している。これにより、レンズに余計な機構を組み込む必要が無いのでレンズを小さくする事ができ、さらにオールドレンズ群にも手振れ補正を利かせることが出来る。
PENTAXは特にこのセンサーシフト方式を活用した新機能が目白押しで
- アストロトレーサー:簡易赤道儀
- ローパスセレクタ:擬似ローパスフィルタ効果
- リアルレゾリューションシステム:超解像撮影
- ダストリムーバブル I:センサーダスト除去機構
などに活用している。なるほどレンズ内の手振れ補正である限り出来ないコンテンツが多い。
K-3IIでは手振れ補正が4.5段分となり、オリンパスの手ぶれ補正5段分に追いつく勢いだ。
GPS・防塵防滴・WiFi
GPS
K-3IIなら内蔵で単独使用可能。K-3でも別売りのO-GPS1を装着すれば対応かのうだ。もちろん簡易防滴構造。
これで一番利用する機会があるのがアストロトレーサーを使った星空撮影時だろう。長時間露光をすると天体が移動してブレた写真しか撮れないが、アストロトレーサーを使いセンサーを動かしながら撮影する事でブレていない天体を撮影することが可能。今度、長野に星を見に行くのでコイツを買おうかかなり悩んでいる。しかし、K-01を中古で買ったばかりだしなあ…、う?ん嫁さんが首を縦に振ってくれるかどうか…。
防塵防滴
防塵防滴には定評があり、なにしろ簡易防滴・防塵防滴のレンズがかなり手頃な値段で存在するのはPENTAXの強み。旅行中の突然の雨や登山中の濃霧などでも気にすること無く使うことが出来る。究極のフィールドカメラとは良く言ったもので、しっかりレンズも手頃に揃えてあるのは有難い。
耐寒性もよく、南極探検隊もPENTAX機を持って行ったとかなんとか。-10度までの使用に耐えることができるので、北海道や東北に冬場に突撃しない限りは常用出来る。そもそもカメラマンの方がヤバイ。スキー場などでも防滴システムで行けば問題なく使えると言うことだ。
米軍が砂まみれにした後に水でジャバジャバ洗っている動画はあまりにも有名。
WiFi
両機ともに内蔵はしていないが、デュアルスロットを活かして片方にWiFiカードを挿して使うことが出来る。特にPENTAX純正のWiFiカードも販売しており、スマホのアプリをダウンロードすれば遠隔操作も行うことが出来る。
同価格帯でWiFi内蔵のミドル機はCanonのEOS 70DとNikonのD7200だけだ。70Dはデュアルスロットで無いので、K-3と同等になるがD7200はWiFi内蔵でデュアルスロットなのでD7200には劣る。が、K-3IIではその分GPSが内蔵だったりと色々とトレードオフ状態。
惜しむらくはPENTAX純正の「FLUCARD」は16GBのカードしか販売が無い。どちらも64GBのカードを指しておきたい方にはちょっと物足りないだろう。
まだまだ戦えるK-3
という訳で項目を分けてK-3を改めてレビューしてみた。特に伸びしろが無くなってきたAPS-Cセンサーにおいては終点に近いカメラボディとされている。コレ以上となるとリアルレゾリューションシステムなどの変わり種を盛り込んでいく他ないと言った具合。
リアルレゾリューションシステムの有無と手振れ補正1段分の差で価格差を考えよう
K-3IIもRRS以外には手ぶれ補正の向上とソフト面の強化のみとなっているので、価格ほどの性能差は存在しない。K-3でもまだまだいけちゃうと思う。RRSはどう転んでもK-3には出来ない機能なので、そこを重視するならK-3IIを。手振れ補正は一脚や三脚の使用でカバーできるので重要視していないが、手持ち撮影に拘りがある方や三脚が使えない方には重要な項目。
RRSは一度店頭で使ってみて試して見ることをおススメする。OM-D E-M5Mark2のハイレゾショットも使ってみたが、事前の説明通り三脚にしっかりと固定して撮影を行わないとハイレゾショットの意味がない。K-3IIもRRSは無風の部屋撮りか、屋外であれば頑丈な三脚にカメラを固定して撮影を行わないと実力を発揮できないと思う。
今後の展開が期待できるPENTAX
特に、APS-C専用の安くて軽いレンズが揃っているのがPENTAX。また、フルサイズ発表にあたってフルサイズ対応のレンズもロードマップには色々記載されているので今後が期待出来るメーカーだ。現在、開発中のフルサイズ機に搭載されるかどうかは定かではないが、画期的なAFシステムの特許申請もあったりするらしいので今後の追加情報が気になるところ。K-3IIかK-3か…はたまた秋のフルサイズまで我慢するか…。
機材道楽はまだまだ続く
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