このページでは2018年に発表されたソニーのミラーレス一眼「α7 III ILCE-7M3」を同価格帯の競合カメラと外観・スペックを見比べています。
Index
更新履歴
- 2018-03-10:ページの存在を忘れて更新が停滞していました。スペックリストを更新し、コメントを追記。
- 2018.2.27:α7 IIIの公式発表を受けてひとまずページを作成しました。α7 IIIの仕様が全て公開されていないので暫定的な比較表のみ追加。
外観比較
α7 IIIの外観的な特徴
α7 IIIの強みと弱み
- Good:フルサイズセンサーながらコンパクトなボディ:組み合わせるレンズ次第で一眼レフでは実現できないシステムサイズとなる。
- Good:AFジョイスティックの搭載:シームレスにAFポイントを移動させることが可能。(ただし、D750や6D Mark IIでも設定次第でマルチコントローラーやマルチセレクターでダイレクトな操作が可能)
- Good:ボディデザインがシリーズで統一されている:各種アクセサリーの使いまわしが可能。(第3世代用)
- Bad:大型レンズを装着するにはグリップが小さすぎる:アクセサリーで対応可能だが、それでも大型レンズを使うにはやや小さい。
- Bad:シャッターボタン周りの操作性:カスタムボタンは多いが一眼レフのような機能を配置するとボタンが足りなくなる。
比較画像
サイズ比較
スペック比較
α7 IIIのスペック的な特徴
α7 IIIの強みと弱み
- Good:裏面照射型2400万画素センサー
- Good:5軸5.0段 ボディ内手振れ補正搭載:手振れ補正を搭載していない単焦点レンズでシャッター速度を抑えることが出来る。
- Good:UHS-II対応のデュアルSDカードスロット
- Good:高密度・広範囲の693点像面位相差AF:小さな被写体や四隅の被写体へピント合わせが容易。
- Good:サイレントシャッター:静音撮影によりシチュエーションへの配慮やシャッターショック低減が可能。
- Good:10コマ秒のメカシャッター連写:フルサイズ一眼レフでは一部の高級機しか達成していない連写速度。さらにD750や6D Mark IIより1段高速なシャッター速度の設定が可能。
- Good:深いバッファを持ち連続撮影可能枚数が多い:連続するシャッターチャンスに対して強い。
- Good:大型電子ビューファインダー:露出や仕上がりをファインダーで確認することが可能。
- Good:4K動画・S-log・HLG対応:フルサイズ一眼カメラの動画撮影仕様としては充実した内容。
- Good:USB充電対応:バッテリーライフは短いが、大容量モバイルバッテリーから給電することで長時間のインターバル撮影などが可能。
- Bad:白飛び補正機能が無い(ゼブラ表示は可能)
- Bad:インターバル撮影・タイムラプス非対応:インターバル撮影機能を持つレリーズケーブルを別途用意する必要があります。
- Bad:ボディ内RAW現像不可:ソニーの一眼カメラは全てボディ内RAW現像不可。
- Bad:バッテリー持続時間:ミラーレス一眼としては健闘しているが、一眼レフカメラと比べて持続時間は短い。
スペック比較リスト
α7 III | D750 | 6D Mark II | |
---|---|---|---|
センサー | Exmor R CMOS | CMOS | CMOS |
センサー備考 | 裏面照射型 フロントエンドLSI 銅配線 | ・×1.2 クロップ ・DX クロップ ・12/14bit RAW | デュアルピクセル CMOS |
有効画素数 | 約2420万画素 | 2432万画素 | 約2620万画素 |
ローパスフィルター | あり? | あり | あり |
手ぶれ補正 | 5軸 | ー | ー |
手ぶれ補正効果 | 5.0段 | ー | ー |
画像処理エンジン | BIONZ X | EXPEED 4 | DIGIC 7 |
メディアスロット | ・SDカード UHS-II対応 slot1 ・メモーリースティック | SDカード UHS-I対応 | SDカード UHS-I対応 |
スロット数 | 2 | 2 | 1 |
測光方式 | 1200分割 | 91KピクセルRGBセンサー | 7560画素RGB+IR測光センサー |
測光範囲 EV | -3- 20 | 0~20 | 1~20 |
ISO感度 | 100-51200 | 100~12800 | 100~40000 |
拡張ISO感度 | 50/204800 | 50~51200 | 50/51200/102400 |
露出補正 | ±5 | ±5 | ±5 |
フリッカー低減 | 対応 | ー | 対応 |
AF方式 | ファストハイブリッドAF | ・位相差:OVF | ・位相差:OVF ・デュアルピクセルCMOS AF:LV |
測距点(位相差) | 693点 | ・51点:OVF (11点F8対応) | ・45点:OVF (全点F8対応) |
測距点(コントラスト) | 425点 | ||
測距輝度範囲 EV | -3 | ・-3~19:OVF | ・−3~18:OVF ・-2.5~18:LV |
AFフレーム | ・ワイド ・ゾーン ・中央 ・フレキシブルスポット S/M/L ・ロックオン (全モード対応) | OVF ・シングル ・ダイナミック ・3Dトラッキング ・グループエリア ・オート LV ・顔認識 ・ワイド ・ノーマル ・ターゲット追尾 | OVF ・スポット1点 ・任意1点 ・ゾーン ・ラージゾーン ・自動選択 LV ・顔+追尾優先 ・スムーズゾーン ・ライブ1点 |
AF-C特性 種類 | ・被写体追従感度 | ・被写体追従 ・速度変化 ・乗り移り |
|
フォーカス備考 | 瞳AF AF-C対応 縦横フォーカスエリア切換 F11対応 | 縦横フォーカスエリア切換 | 縦横フォーカスエリア切換 |
シャッター速度 | 1/8000-30秒 | 30-1/4000秒 | 30-1/4000秒 |
電子シャッター速度 | 対応 | ー | |
フラッシュ同調速度 | ~1/250秒 | ~1/250秒 | ~1/180秒 |
高速連続撮影 AF-C | 約10コマ/ | 約6.5コマ/秒 | 約6.5コマ/秒 |
高速連続撮影 AF-S | 約10コマ/ | 約6.5コマ/秒 | 約6.5コマ/秒 |
連続撮影可能枚数 | RAW:約89枚 JPEG:約163枚 | RAW:約21枚 JPEG:約100枚 | RAW:約18枚 JPEG:約110枚 |
電子先幕シャッター | 対応 | ー | 対応 |
連写備考 | |||
仕上がり設定 | ・13種類 ・カスタム6枠 | ・7種類 | ・8種類 ・カスタム3枠 |
ホワイトバランス | ・11種類 | ・14種類 | ・8種類 |
HDR撮影 | 対応 | 対応 | 対応 |
多重露出 | ー | 対応 | 2~9枚 |
インターバル撮影 | ー | 微速度撮影 | 対応 |
タイムラプス動画 | ー | ー | 4K対応 |
ブラケット | ・WB ・AE ・フラッシュ ・DRO | ・AE ・ADL ・WB | ・AE |
特殊作画機能 | ・DR補正 | ・DR補正 ・白飛び補正 | ・DR補正 ・白飛び補正 |
ファインダー方式 | 0.5型 OLED | ペンタプリズム | ペンタプリズム |
ファインダー解像度 | 2,359,296 ドット | ー | |
リフレッシュレート | ー | ||
視野率 | 100% | 約100% | 約98% |
アイポイント | 約27mm | 21mm | 約21mm |
ファインダー倍率 35mm換算 | 約0.78倍 | 約0.7倍 | 約0.71倍 |
視度調整範囲 | -4.0-+3.0m | -3~+1m | −3.0~+1.0m |
モニターサイズ | 3.0型 | 3.2型 | ワイド3.0型 |
モニター解像度 | 921,600ドット | 約122.9万ドット | 約104万ドット |
モニター可動 | チルト | チルト | バリアングル |
タッチパネル | 対応 | ー | 対応 |
モニタ備考 | |||
4K 動画 | ~30p 100Mbos | ー | ー |
FHD 動画 | ~120p 100Mbps | ~60p | ~59.94p 60Mbps |
外部出力 | 4K 30p 4:2:2 8bit | FHD | |
ハイスピード動画 | 1~120fps | ー | ー |
動画備考 | ・HLG対応 ・PP対応 | ||
ボディ内RAW現像 | ー | 対応 | 対応 |
デジタル端子 | USB-C 3.1 | USB 2.0 | USB 2.0 |
シンクロ端子 | ー | 別売対応 | ー |
HDMI端子 | タイプD | タイプC | タイプC |
マイク入力端子 | 3.5 mm | 3.5mm | 3.5mm |
ヘッドフォン端子 | あり | 3.5mm | ー |
リモコン端子 | RM-VPR1 | アクセサリーターミナル | N3タイプ |
Bluetooth | あり | ー | 4.1 |
WiFi | あり | 802.11b/g | 802.11b/g/n |
NFC | あり | ー | 対応 |
GPS | ー | ー | ・GPS衛星 ・GLONASS衛星 ・準天頂衛星みちびき |
水準器 | あり | あり | あり |
内蔵フラッシュ | ー | あり | ー |
コマンダー機能 | ー | 対応 | ー |
防塵防滴 | 対応 | 対応 | 対応 |
バッテリー | NP-FZ100 | EN-EL15 | LP-E6N |
USB充電 | 対応 | ー | ー |
USB給電 | 対応 | ー | ー |
撮影可能枚数の目安 | 710枚 | ・約1230枚:OVF | ・約1200枚:OVF ・約380枚:LV |
大きさ mm | 127x96 x74 | 140.5×113×78 | 144.0×110.5×74.8 |
質量 CIPA | 650g | 約840g | 約765g |
質量 ボディのみ | 610g | 約750g | 約685g |
レンズラインナップ
Eマウントのレンズラインナップ特徴
α7 IIIの強みと弱み
- Good:比較的コンパクトなレンズが多い
- Good:社外製レンズが続々と参入している
- Good:AF対応のマウントアダプターが多い
- Good:新しいレンズが多く基本性能が高い
- Bad:新しいレンズが多く、比較的高価
- Bad:純正レンズラインナップに穴がある(広角・望遠単焦点レンズ)
ラインナップは急速に拡大しているものの、純正レンズのラインナップはキヤノンEFやニコンFと比べて数が少ない。
例えば純正レンズは2018年3月現在で広角単焦点は28mmまで。ワイドコンバージョンレンズを装着することで21mm F2.8となるものの、専用設計された超広角レンズは存在しません。
広角レンズを小型化しやすいミラーレス一眼なので是非とも力を入れてほしいところ。幸いにも広角ズームはF2.8・F4・12-24mmが揃っている。
天体撮影などでより明るいレンズを使いたい場合には社外製の単焦点レンズを使うしかないでしょう。24mm F1.4や20mm F1.8あたりは純正レンズとして欲しい。
社外製レンズの勢いが凄い!
2018年は国産レンズメーカーのシグマとタムロンが本格的にEマウントレンズへ進出する年となりそうです。シグマは一眼レフ用ArtレンズのEマウント化を図り、タムロンはα7に丁度いいサイズの大口径標準ズームの開発を発表しました。今後は一眼レフ勢のラインナップに迫るものとなるでしょう。
また、Carl ZeissやSamyangのAF対応レンズが多く、純正で存在しない大口径の広角単焦点が数種類存在する。
レンズリスト
Canon?EF | 広角域 | 標準域 | 中~望遠域 |
Nikon?F | 広角域 | 標準域 | 中~望遠域? |
SONY?E | 広角域 | 標準域 | 中~望遠域 |
α7 IIIは買いか?D750や6D Mark IIの強み
α7 III ILCE-7M3
ここがおススメ!
- コンパクトなボディサイズ:小さなレンズと組み合わせることで一眼レフでは真似できないコンパクトさを実現可能。
- 高速連写+連続撮影可能枚数が多い:フルサイズ一眼でこの性能は最安値でコストパフォーマンスは高い。
- α9譲りのAFシステム(not連写性能):C-AFに対応する瞳AFは家族写真やポートレートで活躍し、カバーエリアの広いオートフォーカスは動体撮影時の構図自由度が高まる。
- 電子シャッター:静粛さを求められる環境やスローシャッターが必要なシーンに便利。
- 充実した動画撮影仕様:価格が倍のα9より充実した動画仕様。
- 外部給電可能な電源システム:動画・インターバル撮影などで電源を入り切りせずに長時間使用可能。
コンパクトなボディとセンサー周りの性能が他2機種を大きく引き離すポイント。さらに無反動の電子シャッターが実装されているので、ミラーショックやシャッターショック不可避の一眼レフ勢と比べてスローシャッターに強い点も魅力的。
また、カバーエリアの広いAFシステムや連写速度・連続撮影枚数から動体撮影にも強い。動画仕様もこのクラスのカメラとしてはとても充実しており、ネックであるバッテリーライフもUSB給電などで対応可能だ。価格を考慮するとパフォーマンスは驚くほど高い。
その一方で、一眼レフカメラや他社ミラーレスと比べて操作性が異なっていたり、インターバル撮影やボディ内RAW現像不可など割り切った部分も目立つ。「一眼カメラ」と言うよりは「光学レンズ用撮影デバイス」的な印象なので、買う前に操作感は確かめておくべき。
不評だった操作性は1世代、2世代と重ねるごとに良くなってきています。実際に3世代目の操作感を確かめるべく、私はα7 IIIを予約しました。
注意点
- 本格的なレンズは一眼レフ並みのサイズ
- ボディでインターバル撮影設定不可
- ボディ内RAW現像不可
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α7 III ILCE-7M3 レンズキット | 楽天市場 |
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Nikon D750
ここがおススメ!
- ピクチャーコントロール:他社と違い「0.25」刻みで調整できる仕上がり設定や、「明瞭度」を自分好みに調節可能。コダワリのJPEG画質を追求できる
- 豊富なクロップ機能:APS-C(DX)クロップに加えて×1.2クロップに対応。
- フラッシュ内蔵:コマンダーモードに対応して外部スピードライトをワイヤレス制御可能。
- 単焦点レンズが豊富:超望遠・F1.4G・F1.8Gシリーズのレンズラインナップが充実している。
発売から年月が経っているのでタッチパネル非対応やフリッカー低減非対応など、システム的に陳腐化している部分が目立つ。
しかし、2014年発売のカメラにも関わらずセンサー性能が良好でまだまだ現役の一眼レフカメラ。
個人的にニコン機でおススメはピクチャーコントロールで仕上がり設定を細かく調整できること。正直に言うと、初期設定は味気ない仕上がりだったが、ピクチャーコントロールで仕上がりを追い込むと後処理要らずのJPEGが飛び出てくるようになった。
また、このクラスでは珍しくなった「内蔵フラッシュ」を搭載するモデルだったりする。コマンダーモードで外付けスピードライトを制御できる点は他の機種に無い強みと言えるでしょう。
注意点
- フリッカー低減機能が無い
- ライブビューがコントラストAF
- ボディ内手振れ補正が無い
- タッチパネル非対応
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EOS 6D Mark II
ここがおススメ!
- 使い勝手の良いバリアングルモニタとタッチUI:フルサイズ一眼カメラとして、この二つの機能を併せ持つカメラは貴重な存在
- 充実した通信環境:WiFi・Bluetooth・NFC・GPSを併せ持つ貴重なカメラ。
- お手頃な純正レンズが豊富:手ごろな価格で高機能なズームレンズや比較的安価な単焦点レンズが多い。ニコンFマウントと同じく超望遠レンズが充実している。
- 特殊レンズが豊富:魚眼ズームやチルトシフト、高倍率マクロなど専門分野の純正レンズが多い。
α7 IIIやD750と比べて操作がシンプルで取っつきやすいカメラ。
さらに手ごろな価格のズームレンズが揃っているのでコストを抑えたフルサイズシステムを構築することが可能。
細かい話を抜きにすると使いやすくておススメ。
細かい話をし始めると「ダイナミックレンジが狭い」と言う話題がネット上で飛び交っているため要チェック。
Nikon D850とEOS 6D Mark IIを持つ私としては特に気にならない程度と感じますが…。白飛びを防ぎつつシャドー持ち上げが多い人は気を付けるべきでしょう。
注意点
- ファインダーの位相差AFエリアが狭い
- ダイナミックレンジがやや狭い
- SDカードスロットが一つ
- ヘッドホン端子が無い
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