- 2017.4.21:α9とα7シリーズの違いについての記事を追加しました。
- 2017.4.20:海外のソニー公式発表をうけてひとまずページを作成。α99 IIやα7R IIの高画素と比べると低画素ですが足回りが段違いの化物スペックになっています。特にバッファはα6500もびっくりの性能ですね。
外観比較
サイズ比較
正面
α7シリーズからの変更点:ロゴの金色化
見た目はα7シリーズとあまり変わりませんが、ネームプレートがゴールドに切り替えられて、リッチ感が増していますね。
背面
α7シリーズからの変更点:ジョイスティックの採用、AELの場所が変更、カスタム可能なボタンが増えている、録画ボタン
α99 IIと同じようにジョイスティックが搭載されています。その為α7シリーズのAF/MF・AELレバーが無くなりましたが、AELは右上にボタンとして存在します。そしてAF/MFの切替は左肩のドライブダイヤル下へ移動しています。
上面
α7シリーズからの変更点:ドライブダイヤルの追加、AFモード切替ダイヤルの追加、カスタムモードの数拡張
カメラ上部は大きく進化しており、もはや別物となっています。特に持て余していた左肩にドライブダイヤルとフォーカスモードダイヤルが追加された事により物理操作で設定し易くなっているのは大きなポイントですね。
スペック比較
空欄は未確認の項目です。情報を発見次第更新しています。
画像処理
センサー
α9 | α99II | α7RII | |
有効画素数 | 約2420万画素 | 約4240万画素 | 約4240万画素 |
ローパスフィルター | 非搭載 | 非搭載 | |
手ぶれ補正 | 5軸 5.0段 |
5軸 4.5段 |
5軸 4.5段 |
備考 | 裏面照射・積層型 | 裏面照射型 | 裏面照射型 |
*この積層型はFoveonのような三板式というものではありません。RX100 Vにも採用されているタイプですが35mmフルフレームに採用されるのは初。
フルサイズ初の積層 裏面照射型CMOSと最適化された処理エンジン
α9はフルサイズ一眼カメラとしては初となるDRAMを積層したセンサー。
(1)撮像面(2)積層メモリ(3)高速信号処理回路(4)画像処理エンジン
高速信号処理回路を画素領域と別の層に配置できる「積層構造」を採用し、処理回路部分が大幅に拡張され信号処理のスピードが飛躍的に向上。さらにセンサーからの大量の出力信号をDRAM チップ(メモリー)に一時保管することで、α7 IIと比べて20倍も高速な読み出し速度を実現しています。
有効画素数はα99 IIやα7R IIの方が段違いに多い
α9が高速処理に特化した性能である反面、有効画素数は2400万画素に留まっています。これは初代α7、α7 IIと同程度の解像力(ただし、裏面照射型ですので高感度性能に差がある)。
一方でα7R IIやα99 IIは処理速度こそα9に劣るものの、4200万画素の高解像な画像を生成できる点は魅力的。特に情報量の多い風景撮影やトリミングしてクローズアップしたい野鳥撮影などの分野では気になる有効画素数と言えるかもしれません。ただし高解像である分、レンズの光学性能が高くないとその解像力を活かすことが出来ません。
処理エンジン・記録形式・方法
α9 | α99II | α7RII | |
画像処理エンジン | BIONZ X | BIONZ X | BIONZ X |
RAW形式 | 14bit 非圧縮 |
14bit 非圧縮 |
14bit 非圧縮 |
メディアスロット | メモリースティック PRO デュオ SD/HC/XC UHS-II対応 デュアルSDスロット *UHS-IIはスロット1のみ |
メモリースティック PRO デュオ SD/HC/XC UHS-I対応 |
メモリースティック PRO デュオ SD/HC/XC UHS-I対応 |
Eマウントでは初のデュアルスロット採用
従来までのシングルスロットからデュアルSDカードスロットとなり、スロット1がUHS-IIに対応しました。XQDは採用されていませんが、高速書き込みに対応するUHS-IIに対応している点は歓迎できますね。
ただし、UHS-IIに対応しているのはスロット1のみですので、スロット1をメインにスロット2をサブとして使う感じでしょうか。
露出制御
α9 | α99II | α7RII | |
測光方式 | 1200分割ライブビュー分析測光 | 1200分割ライブビュー分析測光 | 1200分割ライブビュー分析測光 |
測光範囲 | EV-3- EV20 | EV-3- EV20 | EV-3- EV20 |
ISO感度 | 100-51200 100-25600(ES使用時) |
100-25600 | 100-25600 |
拡張ISO感度 | 50/204800 | 50/102400 | 50/102400 |
露出補正 | +/- 5 | +/- 5 | +/- 5 |
備考 | フォーカス位置連動 | フォーカス位置連動 |
フォーカス位置連動測光に対応している
従来のα7シリーズでは対応していなかった「フォーカス位置連動測光」に対応してます。これはα6500やα99 IIから導入の始まった機能で、スポット測光のポイントがAFポイントに連動して調整される便利なモードです。
他社では前から導入されていますが、ソニー機ではなかなか採用されず気になっていたポイント。
連写・AF
オートフォーカス
α9 | α99II | α7RII | |
方式 | ファストハイブリッドAF | 位相差検出方式 像面位相差検出方式 |
ファストハイブリッドAF |
測距点 | 693点 像面位相差 25点 コントラスト 299点 APS-C 像面 |
79点? 位相差 399点 像面 |
399点 像面位相差 25点 コントラスト |
クロス測距点 | ー | 15点 79点 デュアル |
ー |
測距輝度範囲 | EV-3-20 | EV-4-18 | EV-2-20 |
備考 | フルサイズ4D FOCUS 瞳AF |
フルサイズ4D FOCUS 瞳AF |
瞳AF |
進化したAF
来るところまで来てしまったAF性能のように感じる693点測距。α7R IIでも驚かされたAF性能ですが、さらにα9は次の世代に突入したようですね。
α7R IIには「4Dフォーカス」が冠されていませんが、それはAF性能と言うよりは連写性能が低いためにソニーがあえて4Dフォーカス群に入れなかったと述べています。
α9はα7R IIと比べて暗所におけるAF性能が向上しており、測距輝度を-3EVまで(α7R IIは-2EV)対応。しかし、AF専用のセンサーを持っているα99 IIはさらに暗所に強い-4EV対応となっています。この辺はミラーレス一眼カメラよりも上手と言った所でしょうか。
F11対応
α7R IIは開放F8測距まで対応していたそうですが、α9はさらに1段向上したF11測距に対応しているとのこと(デジカメWatch)。
つまりFE100-400mm F4.5-5.6 GM OSSに2倍テレコンを装着してもAFに対応しているらしい。つまり200-800mmまでをカバーする驚異的な超望遠ズームレンズとして使えるようになる。
望遠ズームにラインナップの少ないαEマウントにおいて、この測距性能はかなり歓迎されるものでしょう。
?シャッター・ドライブ
α9 | α99II | α7RII | |
シャッター速度 | 1/8000-30秒 | 1/8000-30秒 | 1/8000-30秒 |
電子シャッター速度 | 1/32000-30秒 | ー | ー |
フラッシュ同調速度 | 1/250秒 | 1/250秒 | 1/250秒 |
高速連続撮影 速度 | 最高約20コマ/秒 | 最高約12コマ/秒 | 最高約5コマ/秒 |
連続撮影可能枚数 | JPEG 362枚 RAW 241枚 RAW+ JPEG 222枚 |
RAW 54枚 | JPEG 24枚 RAW 23枚 RAW+ JPEG 9枚 |
備考 | 電子先幕 サイレント撮影 1/32000秒はS・Mモードのみ |
電子先幕シャッター | サイレント撮影 (連写不可) |
比較にならない高速連写性能
フルサイズ一眼カメラとしては大手一眼レフのハイエンドモデル「Nikon D5」や「Canon EOS-1D X Mark II」をも上回る20コマ秒(追従AF/AE)を達成。
さらに、ミラーレス一眼最速だったオリンパスOM-D E-M1 Mark IIの18コマ秒を上回る性能でもあります。これをこの小型ボディに詰め込んでいるのは驚異的なパフォーマンスと言えるでしょう。
当然、α7R IIとは雲泥の連写速度であり、α99 IIと比較しても大きなアドバンテージとなっています。
ブラックアウトしない連写
(A)がα9の連写で、(B)がメカシャッターを使用した場合の連写イメージ。メカシャッターは物理的にセンサーへの光を遮ってしまうので、当然ブラックアウトする瞬間が発生します。
一方でメカシャッターを使わずに高速連写するα9はブラックアウトすることなく被写体を追従する事が可能。スポーツ撮影など目まぐるしいシャッターチャンスの連続に対応するには最適なカメラと言えるでしょう。
1世代前までは電子シャッターによる動体が歪む現象がありましたが、最も新しい世代のカメラ(例えばα9やE-M1 Mark IIなど)は電子シャッターによる歪みがとても緩和されています。まず心配する必要が無いでしょう。
分かりやすそうな動画を一つ掲載しておきます。
操作性
ファインダー
α9 | α99II | α7RII | |
方式 | 1.3cm(0.5型)電子式ビューファインダー 3 686 400ドット |
1.3cm(0.5型)電子式ビューファインダー 2,359,296 ドット |
1.3cm(0.5型)電子式ビューファインダー 2,359,296 ドット |
視野率 | 100% | 100% | 100% |
アイポイント | 約23mm | 約23mm | 約23mm |
倍率 | 約0.78倍 | 約0.78倍 | 約0.78倍 |
備考 | 60・120fps 輝度はα7R IIの2倍 フッ素コーティング |
フッ素コーティング |
世代の変わった高精細ファインダー
見た目こそ同じように見えますが、α99 IIと同じくメンテナンス性の高いフッ素コーティングを施されています。さらに従来の約236万ドットから約370万ドットの高精細なファインダーへと進化。そしてリフレッシュレートは最新のミラーレス一眼と同じく120fpsを発揮するようです(標準は60fps)。
これはLEICA SLほど高解像(440万ドット・60fps)ではありませんが、国産ミラーレス一眼としては最高クラスの電子ビューファインダーと言うことが出来るでしょう。
?ライブビュー・モニタ
α9 | α99II | α7RII | |
モニターサイズ | 3.0型 1,440,000ドット |
3.0型 1,228,800ドット |
3.0型 1,228,800ドット |
タッチパネル | 対応 | 非対応 | 非対応 |
モニター可動ギミック | チルト方式 | 3Wayチルト | チルト方式 |
備考 | タッチAF対応 |
フルサイズEマウントでは初のタッチパネル対応モデル
αシリーズはα5100で初導入され、ついにフルサイズEマウントでも採用されました。僅かですが解像度も向上しているようですね。
可動機構は従来のチルト式ですのでα99 IIの3Wayチルト方式のような自由度はありませんが、ローアングルやハイアングル程度であればタッチパネルと合わせて活用できそうです。
動画
α9 | α99II | α7RII | |
映像記録方式 | XAVC S: MPEG-4 AVC/H.264 AVCHD: MPEG-4 AVC/H.264 MP4: MPEG-4 AVC/H.264 |
MPEG-4 AVC/H.264 | XAVC S: MPEG-4 AVC/H.264 AVCHD: MPEG-4 AVC/H.264 MP4: MPEG-4 AVC/H.264 |
音声記録方式 | XAVC S: LPCM 2ch AVCHD: Dolby Digital MP4: MPEG-4 AAC-LC 2ch |
LPCM 2ch Dolby Digital (AC-3) 2ch |
XAVC S: LPCM 2ch AVCHD: Dolby Digital MP4: MPEG-4 AAC-LC 2ch |
記録形式 | XAVC S AVCHD規格 MP4 |
XAVC S AVCHD規格 MP4 |
XAVC S AVCHD MP4 |
記録サイズ・フレームレート | 4K 30p FHD 120p HD 30p S&Q FHD 1-120fps |
4K 30p FHD 120p HD 60p S&Q FHD 1-120fps |
4K 30p FHD 60p HD 120p |
備考 | 4K 24p(全画素読み出し) 4K 30pは1.6倍クロップ HDMI出力(4K 4:2:2 8bit) |
4K(全画素読み出し) S-Log HDMI出力(4K 4:2:2 8bit) |
S-Log HDMI出力(4K 4:2:2 8bit) 4K(全画素読み出し) |
その他機能
作画機能
α9 | α99II | α7RII | |
ノイズ改善機能 | 無 | 無 | マルチショットNR |
ボディ内RAW現像 | 非対応 | 非対応 | |
フリッカー低減 | 非対応 | 対応 | 非対応 |
ピクチャープロファイル | 非対応 | 対応 | 対応 |
α9はピクチャープロファイルに非対応
従来まではα7 IIにも搭載されているピクチャープロファイル機能が省略されています。特に動画で重宝するS-logなどを使うことが出来ません。
電子シャッターの読み出し速度の向上で、動画撮影にはかなり適しているはずですが今後出るであう動画・高感度特化の「S系」への布石なのかもしれません。α7R IIやα99 IIはピクチャープロファイルに対応しており、S-logも使用可能です。
インターフェース・搭載機能
α9 | α99II | α7RII | |
特殊端子 | LAN | 無 | 無 |
シンクロ端子 | 搭載 | 搭載 | 無 |
HDMI | タイプD | タイプD | タイプD |
外部マイク入力端子 | Φ3.5mm | ||
ヘッドフォン端子 | Φ3.5mm | Φ3.5mm | 有 |
Bluetooth | 搭載 | 搭載 | 非搭載 |
WiFi | 搭載 | 搭載 | 搭載 |
NFC | 搭載 | 搭載 | 搭載 |
電子水準器 | 2軸 | 2軸 | |
防塵防滴 | 対応 | 対応 | 対応 |
ボディ・電源
α9 | α99II | α7RII | |
バッテリー | NP-FZ100 | NP-FM500H | NP-FW50 |
USB充電 | 対応 | 非対応 | 対応 |
撮影可能枚数の目安 ファインダー | 480枚 | 390枚 | 約290枚 |
撮影可能枚数の目安 ライブビュー | 650枚 | 490枚 | 約340枚 |
大きさ | 126.9×95.6×63.0mm | 142.6x104.2x 76.1 | 126.9*95.7*60.3 |
質量 (CIPAガイドライン) | ?673g | 849 g | 約625g |
質量 ボディのみ | 約770g | 約582g |
α9はバッテリーが最新型に切り替わっている
どれを買ったらいいのやら?
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- 秒間20コマの追従AE/AFの連写性能
- DRAM積層センサーの高速処理による豊富な機能改善
- 高精細なファインダー
- スポーツカメラに相応しいドライブダイヤル
- 多点測距をサポートするジョイスティック
- タッチパネル対応
- 動画系機能の省略
一眼カメラの中ではトップクラスの連写性能と広く高密度な測距点を持つスポーツカメラ。
α7R IIやその他高画素機と比べて高解像に撮影は出来ませんが、従来機と比べて全体的に機能強化が施されておりオールラウンドに立ち回る事ができる性能を持っています。価格はそれなりに高価ですが、α7R IIの初値を考慮すると驚くほど高くはないでしょう。
一方でピクチャープロファイルが使用不可と言うことで本格的な動画撮影に重宝するS-Logなどを使うことが出来ません。α7シリーズよりもより静止画方向にカテゴライズされたカメラと捉えるのが正しいでしょう。
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有効画素数が多く、風景のように情報量が多い撮影シーンに適しているモデル。α9の高速連写性能や高速処理が必要なければ最良の選択肢でしょう。それなり高価ですが、価格も落ち着いてきたので今が買い頃。機能に制限はあるものの、より安価で3600万画素のα7Rという選択肢もアリ。
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