- 2017.6.10:フォトヨドバシにてD7500の作例が公開されています
- 2017.6.3:IMAGING RESOURCEにてD7500・7200・500の高感度ISOノイズを比較したページが掲載されていますので参考になるかもしれません。
- 2017.4.16:「連写」項目において、各モデルの連写中の動画を掲載しました。
まえがき
2016年に衝撃の登場を飾った「Nikon D500」から1年とちょっと。ニコンDXのハイエンドモデルは登場したが、いかんせん値段が高い。とは言え、Nikon D7200はD7100のマイナーチェンジモデルで性能は良いがD500比べると見劣りする部分も多い。
そんな中で現れたのがNikon D7500。
今回の主軸は「Nikon D500を買うか?D7500を買うか?」という点で考えていきたいと思います。
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外観比較
正面
D7500のグリップデザインはD500に近いものとなっています。これはグリップ上部のボタン配置にも影響しており、D7200とは違ったグリップ感と言えるでしょう。従来通り10ピンターミナルは採用されていませんが、よく見るとAI-S連動レバーが省略されています。
背面
新型のD7500はD500に似ていますが、AFレバーが無かったりボタン配置にやや違いが見られます。ファインダー上部にアイセンサーが初導入されていますね。D7200と比べると背面の赤外線受光部が省略されています。
上面
D500のみ操作デザインがハイエンド機仕様となっており、モードボタンが左肩に搭載されています。
D7500は右肩がD500で左肩がD7200と言ったデザインになっています。意外な点としてストラップ金具が従来の形から変更されてり、三角金具を付けるタイプでは無くなっています。また、サブ液晶パネルがやや小さいですね。
ファインダー
スペック比較
D500 | D7500 | D7200 | D7100 | |
ローパスフィルター | 無 | 無 | ?無 | 無 |
有効画素 (画素ピッチ指数) |
2088万画素 (0.17) |
2088万画素 | ?2416万画素 (0.15) |
2410万画素 |
処理エンジン | EXPEED 5 | EXPEED 5 | EXPEED 4 | EXPEED 3 |
RAW画質モード | 12・14bit ロスレス圧縮・圧縮・非圧縮 |
12・14bit ロスレス圧縮・圧縮 |
12・14bit ロスレス圧縮・圧縮 |
12・14bit ロスレス圧縮・圧縮 |
ISO感度 | 100-51200 拡張Hi5 1,640,000 拡張Lo 50 |
100-51200 拡張Hi5 1,640,000 拡張Lo 50 |
100-25600 拡張 102,400 |
100-6400 拡張 25,600 |
AF | 153点 (クロス99点 F8対応15点) |
51点 (クロス15点 F8対応1点) |
51点 (クロス15点 F8対応1点) |
51点 (クロス15点 F8対応1点) |
検出輝度 | -4-20 | ?-3-19 | ?-3-19 | -2-19 |
速写 | 秒間10コマ | 約8コマ/秒 (14bit RAW) |
7コマ秒 (x1.3クロップ時) 6コマ秒 (12bit RAW) 5コマ秒 (14bit RAW) |
7コマ秒 (x1.3クロップ時) 6コマ秒 (12bit RAW) 5コマ秒 (14bit RAW) |
連続撮影 | 200コマ (ロスレスRAW) |
50コマ (ロスレスRAW) |
18コマ (ロスレスRAW) |
6コマ (ロスレスRAW) |
測光 | 18万ピクセルRGB マルチパターン測光III |
18万ピクセルRGB マルチパターン測光III |
2016分割RGB マルチパターン測光II |
2016分割RGB マルチパターン測光II |
モニタ | 3.2型 236万ドット チルト液晶パネル タッチパネル採用 |
チルト液晶パネル 約92.2万ドット タッチパネル |
?3.2型 123万ドット 固定式 RGBW配列 |
3.2型 123万ドット 固定式 RGBW配列 |
ファインダー | 視野率100% 1.0倍(換算0.66倍) |
視野率100% 0.94倍(換算0.62倍) |
視野率100% 0.94倍(換算0.62倍) |
視野率100% 0.94倍(換算0.62倍) |
シャッター | 30-1/8000秒 (Mup時電子先幕可能) |
30-1/8000秒 (Mup時電子先幕可能) |
30-1/8000秒 | 30-1/8000秒 |
動画 | 4K UHD 30p | 4K UHD 30p | ?FHD 60fps | ?FHD 30p |
メディア | XQD+SD | SD UHS-I対応 |
デュアルSD UHS-I対応 |
デュアルSD UHS-I対応 |
フラッシュ同調 | 1/250秒 | 1/250秒 | 1/250秒 | 1/250秒 |
内蔵フラッシュ | 非搭載 | 搭載 | 搭載 | 搭載 |
WiFi | 対応 | 対応 | 対応 | 未搭載(別売りオプション) |
Bluetooth | 対応 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
ボディ | カーボン+マグネシウム モノコック構造 防塵防滴 |
高剛性炭素繊維複合材料 防塵防滴 |
マグネシウムボディ 防塵防滴 |
マグネシウムボディ 防塵防滴 |
バッテリー | EN-EL15 EN-EL18(グリップ) |
EN-EL15a EN-EL15 |
EN-EL15 | EN-EL15 |
追加グリップ | 対応 | 非対応 | 対応 | 対応 |
サイズ | 147*115*81mm | 135.5×104×72.5mm | 135.5*106.5*76mm | 135.5*106.5*76mm |
連続撮影 | 1240枚 | 約950コマ | 1110枚 | 950枚 |
重量 | 860g | 約720g | 765g | 765g |
備考 | AF微調節の自動設定 ハイライト重点測光 フリッカー低減機能 |
AF微調節の自動設定 アイセンサー カメラ内一括現像 ハイライト重点測光 フリッカー低減機能 PC オート |
画像処理エンジン
代を重ねるにつれて、画像処理エンジン『EXPEED』が進化している。
特にEXPEED 4では従来までよく言われていた「黄色被り」が緩和されて、やや寒色よりに調整されている。また、高感度時のノイズ処理など画質面での向上もあり「EXPEED 3」よりは「EXPEED 4」だろう。
D500・D7500には最新の「EXPEED 5」が搭載されているが、各種カメラ雑誌を見る限りでは「EXPEED 4」との大きな差はなさそうだ。主な改善点は高い演算処理能力を使って連写性能を高めているものと思われる。また、ホワイトバランス「オート1」に設定すればEXPEED 3世代の光原色を残したバランス型の設定も可能になっている点は便利。
ISO感度
D7100の常陽感度上限がD7100で2段、D500・D7500でさらに1段向上している。拡張感度はD500でかなりぶっ飛んだ数値になっているが、非常用と言った感じなので割り切る必要あある。
前述したように、画像処理エンジンによって高感度時のノイズ処理性能が日進月歩で改善されている。「新しい方が性能が良い」のは間違い無いだろう。
AF・連写性能・追従性能比較
AF
D500の圧倒的性能
D500が測距点数(153点)と広範囲なエリアで圧倒的に差をつけている。D7200(D7100も同様)と比較するとそのカバーエリアは一回り広い。特にx1.3クロップした場合にはクロップ域をほぼカバー出来る程だ。DX機では初となるグループエリアAFを搭載しているのもD500の特徴。
さらに、暗所においても-4EV対応と従来モデルよりも性能が上がっているので、屋内や夕景・夜景にも効果的だ。さらに望遠レンズにテレコンバージョンレンズを付けた場合に必要なF8対応の測距点がD7200では1点だったものが15点に増加している。
D7500/D7200/7100のAF性能はFX機D750と同等のAF性能
比較してD7500・D7200・D7100も負けてはいない。測距点数こそ少ないものの、FX機のD750にも採用されている評価の高い『アドバンストマルチCAM3500II』センサーモジュール。51点で広範囲をカバーしており、D500と比べるとやや心もとないが競合他社機と比べるとかなり健闘していると言える。
F8対応の測距点は中央1点のみなので、テレコン使用時の使い勝手はやや制限される。暗所性能は-3EVは確保されているので、D500ほどでないにしろ健闘出来る性能だろう。
さらにD7500だけは測光センサーがD500と同等の性能となっているので、オートエリアAFにおける顔認識精度が向上していると思われます。そして、グループAFが追加されているのでより動体を捕捉し易い仕様。
連写
D500が凄すぎるんです
豊富なバッファとXQDメディアとの連携ではRAWで200枚連写と言う従来機を突き放す性能を持っている。実際に連写するとあっという間にメディア容量が一杯になってしまうが、「ここぞ!」という場面で連写が詰まらないのはなんとも頼もしい限り。
速写性はこれまでのAPS-C最速と言われている「EOS 7D Mark II」同様で秒間10コマを叩き出している。バッテリーが7Vという電圧で、一眼レフ機で10コマを稼げるという超性能。
D7500はミドルクラスのAPS-Cとしては大健闘
D500程ではないものの、8コマ秒という連写速度はミドルクラスのAPS-Cモデルとしては最速クラス。さらにバッファ容量はロスレスRAWで50コマとD7200と比べても劇的に向上している。
D500が「連写番長」であればD7500は「連写入門機」と評するカメラになるかもしれませんね。
ちなみにRAW14bit形式で考えると、D7500の秒間8コマ連写はD7200の5コマ連写と比べて大幅に連写能力が向上していると言えるでしょう。
D7100では散々だったが、D7200で改善
*注 7コマ秒設定における連写速度
D7100はRAW連写で6枚という少なさで詰まってしまう。競合他社と比較してこれはあんまりにも…という性能だったものの、D7200で競合クラス並みに改善されている。
速写性能はどちらも秒間6コマとD500に比べると少なく、競合他社と比較してもやや物足りない。とは言え、往年の連写機D300が秒間6コマだったりするので、こんなもんでしょう。
追従性
各種カメラ雑誌での比較記事に目を通すと、D7200がかなり健闘している。
稼げるコマ数が少ないので、その点でマイナスされているものの合掌率が高いので結果オーライな性能。
D500の性能は言わずもがな。AF微調整をし始めるときりがなさそうな印象は受ける。連写コマ数が稼げる分、合掌率が下がってしまうシーンもありそうだ。と言っても、合掌しているコマ数が結果的にD7200よりも多かったりする。つまるところ大容量メディア必須。
ファインダー・モニタ
ファインダー
D500はFXの上級機に採用される丸窓を取り入れている。
そのファインダー性能はAPS-Cクラスの一眼レフでは最上となる倍率1.0倍を達成。とても見やすい光学ファインダーを備えている。ファインダー内の表示には有機ELを採用しているので、明るい屋外での視認性も良好だ。D5と同様にフッ素コート付きのアイピースが装着されている。
D7200も同様にファインダー内の表示には有機ELを採用している。ファインダー倍率はやや落ち、0.94倍となっている。
その他機能
D500はボタンが光る
D500はFX機で好評だったボタンイルミネーション機能が搭載されている。
D500・D7500の180K RGB測光センサー
D500とD7500には18万RGB画素の測光センサーが採用されています。この恩恵を受けて「ハイライト重点測光」や「フリッカー低減機能」などが利用可能。
フリッカー低減は屋内スポーツなどで連写を要する場合に人工照明で色再現にバラつきが発生する原因を緩和する機能。屋内スポーツの撮影が多いのであればD500かD7500をチョイスしたいところ。
通信関連
Buletoothが使えるD500・D7500
ニコンの最新機種で導入が進んでいるBluetoothに対応するシステムをD50・D7500が搭載している。WiFiと比べて低電力でスマホと常時接続を可能にしているので、画像の転送やスマホの位置情報を写真に追記するなどの飛び道具が利用可能。
WiFiを搭載したD7200
D7200はBuletoothこそ使えないものの、WiFiはしっかり搭載している。さらにニコン一眼レフとしては初となるNFC対応モデルでもあるので、接続方法も簡単で便利。
遠隔操作や写真の転送が可能だ。ただし、GPSを利用するには別途オプションパーツを購入する必要がある。
D7100はどちらも単体では不可能
D7100にはWiFiもGPSも搭載されていない。
何を買うべきか?
APS-C最強のD500
- クラス最高の10コマ秒
- 最新の処理エンジン
- 膨大なバッファ容量による連写枚数
- 高性能なオートフォーカス
- 180K RGB測光センサーと諸機能
- 高感度性能
- タッチパネルモニタ
- 4K 30p
- DX機の中では最も高価
連写を重視するならベスト
EOS 7D Mark IIをぶっちぎり、APS-C一眼レフの頂点に立つ連写・速写モデル。もはや何も言うことが無い。
他にもフリッカー低減機能やボタンイルミネーション、AWB3モードなど追加機能がとても多い。D5には手が出ないものの、速写・安定感を極めたいのであればD500はそれに答えてくれる1台だ。
ボディ・アクセサリーも高いが、レンズの充実も必要
性能がぶっちぎりなら価格もぶっちぎり。現在のところ、APS-C(DX)機としてはとても高価な機種で、マルチパワーバッテリーパックもかなり高価なスペックになっている。
さらに、D500の性能を最大限に発揮するつもりならば、ボディ性能に加えてレンズ性能を底上げしておく必要がある。レンズ性能(AF速度)がキャップとなってしまい、追従性が低下してしまうとなると勿体ない。逆に、既に高性能レンズを所有しているならば、その性能を最大限に引き出せるスペックをこのD500は持ち合わせている。
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連写入門モデル D7500
- D500同等の撮像・測光センサー
- 最新の処理エンジン
- ミドルクラスとしては多いバッファ
- タッチパネルモニタ
- 4K 30p
- AFはD7200と同等
- バッテリーグリップ非対応
- シングルSDスロット
- AI-S連動レバーがない
メリットとデメリットが混在する異色のモデル
D500の撮像センサーと測光センサーが導入され、グリップもD7200系から改善されています。さらにバッファはAPS-Cミドルクラスとしてはかなり強力で連続撮影性能は高いと言えるスペック。
その一方でD7200のAFセンサーを踏襲していたり、バッテリーグリップに非対応、SDカードスロットが1つになるなどD7200から省略されている部分も多い。D7200からのステップアップとして購入するには気難しい面があるので、いっそ価格帯が似ているFX機のD610やD750に突撃したいところ。
D7200の後継モデルと言うよりは新しい世代の「連写入門機」「連写ミドルクラス」と言う方がしっくりくるモデルですね。D7200ユーザーにはあまり魅力的に写らないかもしれませんが、連写性能は確実に向上しています。
画素数は減ったがダイナミックレンジは良好
D7200よりも有効画素数は現象していますが、D500譲りの広いダイナミックレンジを持っています。風景撮影において解像力よりも諧調性を重視するのであればD7500は良い選択肢となるかもしれませんね。
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精度や描写性能は引けを取らない D7200
D500・D7500の上を行く解像感
DXハイエンドの座をD500に譲ってしまったが、まだまだ現役の高性能モデルには違いない。
そもそもD500の他モデルをぶっちぎるスペックを使いこなせるのか、と疑問ならばD7200で大丈夫だろう。並みの連写性能とEXPEED 4の高感度耐性は中々のもので、描写性能だけで言えばD500とあまり変わらない。むしろ有効画素数が多い分、情報量の多い風景などでは有利。
D500の登場で「これはもうD7200終わったな」という空気が一時流れたものの、実はとてもパフォーマンスが高い1台。お値打ち価格になってきたので、ここら辺が買いごろ。
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?低感度ならまだまだ現役 D7100
処理エンジンの古さやバッファ量に致命的な差が発生しているものの、ローパスフィルターレスの2400万画素が織りなす高精細な描写はまだまだ現役。
連写しなければバッファも要らず、AF性能はD7200同様なので一発入魂で勝負すればそうそう大差は生まれないはず。風景メインで連写は極々まれというスタイルであれば頑張ってD500やD7200に行く理由があまり無い。
とは言っても、新品もあまり見なくなってきているので基本的には中古を探すしか無い(Amazonにはまだ新品の出品が残っている)。また、新品で1~2万円程度の差額であればD7200の方が良い(リセールバリューや高感度性能を考えると、長い目で見てD7200が良い)
変化球でEXPEED 4搭載のD5500・D5300やD3300という選択肢もあるが、防塵防滴や操作性を重視するならやっぱりD7100。
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更新履歴
- 2017.4.12:公式発表をうけて現在ページを改修中。SDカードのシングルスロット化や追加グリップが無くなったものの、D500と同じ撮像センサーと測光センサーを採用しているみたいですね。連続撮影性能はD7200から大きく向上している”ミニD500”な性能となっているようです。
- 2017.4.12:画像リークがあったので外観比較にD7500を追加しました。本日か明日には公式発表のようですね。
- 2017.4.11:前情報でD7500ボディは量販店で159,000円、バッテリーはEN-EL15aとのことです。バッテリーはEL15の改良型でしょうか。
- 2017.4.7:D7500が登場しそうな気配になってきたのでページを公開。すごいフライング公開ですので、スペック表は空欄だらけです。今後、リーク情報や公式発表を経てD7500の詳細を埋めていきたいと思います。と言うことで現在は暫定公開中という点に気を付けてご覧ください。
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