- 2016.6.19更新:「ディテール重視について」「DxOMarkセンサースコア」 追加
まえがき
EOSデジタルの万能ミドル機であるEOS2桁シリーズに最新モデル『EOS 80D』が登場。
先に『EOS 70D』との比較記事を作成したところ、旧モデルと比べてパワーアップしているポイントが多かった。しかし、悩ましいのは連写性能とAF性能が抜群のAPS-Cフラッグシップ機『EOS 7D MarkII』の存在。
7D Mark IIは価格が熟れてきているので、十分手が届く範囲となっている。『EOS 70D』『EOS 7D MarkII』との比較記事は以前に作成しているので参照して欲しい。
今回は『EOS 80D』『EOS 7D MarkII』に絞って比較。すると、EOS 80Dが7D2に迫る実力を持っていたり、利便性で勝る部分もあったりと上位機種を上回る下克上カメラと言うことが判明。
購入早見表
EOS 80D
- 2016.6.13:EOS 80Dの購入キャンペーンが6月末に迫っていたので、ついついポチってしまった。カード使える最安値の店は減ってきている。楽天市場でカード使えて150000円台が今のところ安かった。取り敢えずキャンペーンの特典はやっぱり「パワーズームアダプター」の予定。コネクトステーションにも惹かれたものの、キヤノン以外にもペンタックスやらオリンパ・パナなど使っているので使い難そうな感じ。
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中古レンズの購入早見表
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外観比較
正面
前面からみて大きな違いはマウント部付近の絞込ボタンの有無。(2016.5.11ご指摘により修正)
EOS 7D MarkIIのグリップ付近にあるボタン。これを押すことで、ファインダーを覗いたまま一時的に絞った状態の被写界深度を確認することが出来る。但し、電子ビューファインダーと違って絞った分ファインダー像が暗くなるのでハッキリと被写界深度を確認するのは慣れてこないと難しい。比較的分かりやすいのは元々被写界深度が浅い望遠レンズで使ってみると良いだろう。ボタンはカスタム可能であり、別の機能を割り当てることが可能。
EOS 80Dは同じような場所だが、マウント部側部に配置されている。このため7D Mark IIと比べてやや押しづらい。
背面
背面の違いは大きく分けて2点。
モニタが固定式・バリアングル式
便利なバリアングル・タッチパネルモニタがEOS 80Dには搭載されている。しかし、その可動範囲からボディの背面左側にボタン類を配置出来ないというデメリットが発生する。プレビュー・レタッチ系が左側に集められている7D MarkIIと両手で操作する必要がある80Dと言ったところ。
80Dはタッチパネル搭載機なので、積極的にタッチ操作を行えば不便どころか便利過ぎる。そう考えると、バリアングル液晶を搭載していた方が何かと都合が良い。
さらに「Q」ボタンの使い勝手がタッチパネルによって格段に向上する。
測距エリア選択レバーの有無
嬉しい悲鳴だが、EOS 80Dは測距点が45点になったのでいちいち十字キーでエリア指定をするのは面倒くさい。
7D MarkIIは専用のレバーが配置され、さすが上級機と言った操作感だ。80Dにはレバーが無いため、動体をファインダーで追いかけながらエリア変更は難しい。
ニコンのD5500のようにマルチコントローラー代わりとなる「タッチFn」のような機能はEOS 80Dには無いのがちょっとだけ残念。
上面
7D MarkIIのモードダイヤルは至ってシンプル。その代わりにカスタムモードが80Dよりも一つ多い。
その反面、80Dはクリエイティブアシストなど簡単撮影モードが多い。急にカメラマン役を嫁さんに任せる事になった時も、シーンモードを選択してやれば後は走るだけ。
右肩部分に関しても差別化が図られている。7D MarkIIはボタン毎に前後のダイヤルに機能が割り振られているため、スムーズな設定調整を行うことが出来る。プロフェッショナルな撮影に特化しているのは7D Mark II。
スペック比較
主なスペック差(EOS 80Dから見て)
? | EOS 80D | EOS 7D MarkII |
有効画素 | 2420万画素 新しい微細化プロセス |
2020万画素 |
画像処理エンジン | DIGIC 6 | デュアルDIGIC6 |
ISO | 100-16000 拡張 25600 |
100-16000 拡張 25600 |
AF | 45点 全点クロスタイプ F8対応 27点 検出-3EV対応 |
65点 全点クロスタイプ F8対応 1点+4 検出EV-3~18 |
ライブビューAF | デュアルピクセルCMOS AF (AF追従) |
デュアルピクセルCMOS AF |
測光 | 7560ピクセルRGB+IR測光センサー | 15万画素RGB+IR測光センサー |
連写 | 7コマ秒 静音連写 3枚 RAW 20枚 JPEG 77枚 |
10コマ秒 静音連写 3枚 RAW 24枚 JPEG 130枚 |
シャッター | 1/8000-30秒 同調 1/250秒 |
1/8000-30秒 同調1/250秒 |
ファインダー | 視野率100% 0.95倍 スクリーン固定 |
視野率100% 1.00倍 スクリーン交換可能 |
モニタ | 3.0型 バリアングル・タッチパネル |
3.0型 104万ドット 固定式 |
動画 | FHD 60fps AF追従 HDRムービー 5種ムービークリエイティブフィルター |
FHD 60p |
WiFi/NFC | 搭載 | ー |
GPS | ー | 搭載 |
記録 | SD/SDHC/SDXC (UHS-I対応) | CF+SD/SDHC/SDXC |
フラッシュ | 搭載 ガイドナンバー12 |
搭載 ガイドナンバー11 |
防塵防滴 | 採用 | 採用 |
バッテリー | LP-E6N/LP-E6 1390枚 |
LP-E6N/LP-E6 800枚 |
サイズ | 139.0*105.2*78.5mm | 148.6*112.4*78.2mm |
重量 | 730g | 910g |
備考 | フリッカーレス撮影 タイムラプス HDR クリエイティブフィルター 新PS『ファインディテール』 10種類シーンモード |
フリッカー低減機能 |
ざっくり比較すると、EOS 80Dに心が揺れ動いてしまう。それぐらい出来が良い。
EOS 70Dで不満だった点が解消している上に、連続連写コマ数が向上している。瞬間的なコマ数さえ気にしなければEOS 80Dで全く問題無く感じてしまう。さらに、70Dまでバネで動いていたミラー制御が7D2と同じモーター制御のミラー振動制御システムに換装されている。
要となるAFシステムはカバーエリアこそ7D Mark IIに劣るものの、F8対応測距点が大幅に拡張されている。超望遠ズームレンズに×1.4テレコンを装着した際の利便性が各段に向上している。
従来モデルからのバリアングル+タッチパネルによる便利なライブビューはさらに進化、連写中もAFが追従するようになっている。EOS 80Dの代でやっとライブビューAFが実用の域に達したと言っても過言では無いでしょう。
ファインダーは7D2と同じ視野率100%にパワーアップしており、測光方式も7D2までとは行かないまでもIR測光センサーを採用。従来よりも安定した露出が可能になっている。さらにフリッカーレス撮影へ対応したため、古いタイプの人工照明においてちらつきが緩和。
EOS 80Dの主なポイント
- 有効画素数が向上し7D Mark IIよりも高画素機となっている
- 画像処理エンジンのバージョンは同じ、連続撮影枚数にも大きな差はない
- 測距点は少ないものの、F8対応数は多い。中央は同じく-3EV対応
- フリッカー低減に対応
- AIサーボAFII(7D Mark2はIII)
- ライブビューで追従AF可能に
- 瞬間連写コマ数は劣る
- バリアングル液晶モニタ+タッチパネル
- HDR動画やクリエイティブフィルター使用可能
- WiFi使用可能
- GPS使用不可
- バッテリーの持ちが倍近く良い
- 小さくて軽い
2016.6.19追記 DxOMark センサースコア
従来のAPS-Cモデルと比べてセンサー性能が向上している模様。
ただし、ダイナミックレンジは低感度番長なところがあり、高感度域では7D2に軍配が上がる。とは言え高感度性能は7D2並となっており、70Dよりもやや向上している。
? | EOS 80D | EOS 70D | EOS 7D Mark II | 8000D |
総合点 | 79 | 68 | 70 | 70 |
色深度 | 23.6 | 22.5 | 22.4 | 22.6 |
DR | 13.2 | 11.6 | 11.8 | 12.0 |
許容ISO | 1135 | 926 | 1082 | 915 |
2016.6.19追記:ピクチャースタイル「ディテール重視」とシャープネス
EOS 80Dを購入して改めて実感したポイントが一つある。
それは、新しいピクチャースタイルである「ディテール重視」及びシャープネスの細かい設定項目「しきい値」「細かさ」がかなり素晴らしい機能性な点だ。これはEOS 5Ds/Rから追加された機能性。
- 「細かさ」はペンタックスの「ファインシャープネス」のような線の細いシャープネス処理を表現する時に便利。
- 「しきい値」はシャープネス処理を施す判定基準を操作するもので、コントラストが低いエッジに処理を施すかどうかと言った設定。
有効画素数が2400万画素となった80Dには特に有り難みが大きく、ディテールの繊細な描写が可能になっている。「ディテール重視」はこの2つの設定値を「1」に設定し、線の細いシャープネスを細かい部分にまで適用するピクチャースタイルとなっている。
DPPではこれらの数値を調整出来るが、ボディ内で設定出来るのは5Ds/Rや80Dのみ。手持ちの機種によるRAWデータを使ってDPPでしきい値や細かさを変更し「これをボディ内で設定出来るのか」という点に魅力を感じたらEOS 80Dオススメ。
2016.3.24追記:ダイナミックレンジについて
dpreviewによると、EOS 80Dはダイナミックレンジの大幅な改善が見られるみたいだ。つまりは従来のセンサーであるEOS 7D Mark IIとは出力される画質において違いがハッキリと出てくるポイントとなりそうだ。
画質面においても高水準に位置する事になるEOS 80Dの購入動機がまた一つ増えた。これは中々に悩ましい。
EOS 80Dと7D Mark IIのセンサーノイズ比較
ISO3200の高感度域では画素ピッチの狭い7D Mark IIの方がややノイズが少ない。
しかし、低感度時において暗部を持ち上げる場合は7D Mark IIよりもノイズが少なくダイナミックレンジの広さを感じさせられる。
高感度域を使ってでもシャッタースピードを稼ぎたい7D Mark IIと、バランスの良いダイナミックレンジを持つ80D。
EOS 80Dを実際に使ってみて
EOS 70DやEOS 8000Dとの違いは歴然で、広範囲を緻密にカバーする測距点は使っていて気持ちのいいものです。
EOS 7D2と使い比べて大きな違いはマルチコントローラーの有無ですが、45点程度の測距点であれば十字ボタンで事足りるかな?というのが実際のところでした。X-Pro2を使った際に百点以上ある測距点をピンポイントに指定する場合には有用かとは思いますが…。
連写に関しては特にコマ数を稼ぎたいスポーツや鉄道・野鳥などの分野でない限り必要十分な性能です。それらの分野ですらカジュアルに撮影する場合、7D2よりもオールラウンダーとして使っていけるポテンシャルを持っています。特にキットレンズの18-135USMと組み合わせると、爆速を通り越して超速でピントが合うのでとても快適に撮影できます。
また、従来のピクチャースタイル「風景」よりも「ディテール重視」で撮る事が多くなりました。撮って出しJPEGでも線の細い自然なシャープネスをかけることが出来るので、いちいちRAWデータでシャープネスを調整する必要がなくなったのは大きいです。風景撮影が多い方であれば、特におススメ。
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