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PENTAX K-1 リアルレゾリューション vs OM-D E-M1 Mark II ハイレゾショット【比較】

センサーを動かして解像力を高める、所謂「画素ずらし」の超解像撮影が可能なPENTAX K-1(リアルレゾリューションシステム)とE-M1 Mark II(50MBハイレゾショット)。

その2つのモデルが手元にあるので、「これは比べてみないといかんね」と思い立っていつもの公園へ。

目的は「E-M1 Mark IIでどこまでK-1の超解像撮影に迫る事が出来るのか?」と言う点の確認。E-M1 Mark IIで静止画の解像力を十分に高める事が可能であれば、あえてシステムサイズの大きいK-1を引っ張りだす必要性が薄くなる。

すると、フルサイズのK-1はボケ生産マシーンとしてズームレンズを手放し単焦点レンズ中心のレンズ構成へシフト出来る。さて、E-M1 Mark IIの真価はどんなもんだろうか?

状況

P1000219

場所は福井県グリーンセンター。撮影には三脚を利用して、焦点距離と構図はだいたい同じかな?というレベルで合わせてみました。

「E-M1 Mark IIはK-1の代わりになるか?」という観点から比べているので、実際に撮影する際のカメラ設定で臨んでいます。生憎、日が差したり差さなかったりと日照条件も悪く、ベストなコンディションではありません。

もともとセンサーサイズも違えばアスペクト比も異なり、使用レンズも違うので厳密な比較検証では無い点をご了承ください。

比較1:普段使うズームレンズ

使ったレンズ

どちらも解像力に定評のあるズームレンズ。12-100 RPOと比べて28-105は半値の標準ズームレンズですが、絞った時の解像力は個人的に結構評価しています。

28mm

PENTAX K-1

28mm-2-k-1

クロップ

E-M1 Mark II

28mm-2-em1

クロップ

E-M1 Mark IIのハイレゾショットにおけるRAWデータはパソコンで現像すると80MBの画像データとして生成可能。つまり、K-1の3600万画素とくらべると倍以上の解像度(レンズ性能で解像しているかは別として画素数的に)となります。解像力に関してはE-M1 Mark IIの80MBハイレゾショットに分があると言えるでしょう。

そもそも論として、このショットではE-M1 IIの画像が僅かにブレて画像が乱れています。解像力が高い反面、カメラブレを拾い易くK-1以上に撮影時のコンディションは整える必要がありそうです。

E-M1 Mark IIの画像ではシャドウ部にノイズが目に付きます。これは80MBの画像データを3600万画素並みにリサイズしたとしてもK-1より目立ちます。

E-M1 Mark IIは元の画素数が多いので、ノイズリダクションを強めに適応した場合にはどうなるか?と思って見比べてもみましたが、結果はあまり変わりません。今回のシーンではあまり目立ちませんが、例えば輝度差の激しい山間部での撮影などの場合には影響度合いが大きくなると想定できます。

対してPENTAX K-1は3600万画素と解像度に変化はありませんが、1画素毎に色補完がなされているので解像感が非常に高まっています。クロップ時の画像はハイレゾショットより小さいものの、細かい字が判別できるのはK-1のリアレゾです。解像効率として考えると非常に性能が高いですね。

50mm

PENTAX K-1

50mm-3-k-1-f8

E-M1 Mark II

50mm-3-em1

K-1 クロップ

E-M1 II 80MBハイレゾ

E-M1 II 通常撮影

日照条件が変化してしまいK-1とE-M1 IIで輝度差が発生してします。クロップした画像を確認する限りでは、画素数に違いがあるものの解像能力は伯仲。

有効画素数が多い分、E-M1 Mark IIの方がジャギーが目立ちませんね。通常撮影2000万画素のクロップと見比べると随分と解像力が増しています。

100mm

PENTAX K-1

100mm-2-k-1

E-M1 Mark II

100mm-2-em1

K-1

E-M1 II ハイレゾ

E-M1 II 通常

帰宅して気が付いたのですが、K-1の100mmはF5.6=絞り開放状態で撮影していました。とは言え、このレンズの中央描写は開放からシャープなので今回はそのまま見比べてみましょう。

画素数による差は他の焦点距離同様で解像力もまた同じような傾向。3600万画素ながらK-1の解像感はしっかりとしたものですね。

マクロ

レンズ

実写

PENTAX K-1

_K1I8014

クロップ

E-M1 Mark II

EM125603

クロップ

やはりE-M1 Mark IIの方がわずかにノイズが目立つかな?K-1と比べて色がやや淡いのはカラープロファイルの違いです。

PENTAX K-1はリアレゾとエクストラシャープネスの相性が凄まじい。ナチュラルで抜群の切れ味はさすがとしか言いようがありません。さらにノイズも少なく諧調豊に感じます。

とは言え、E-M1 Mark IIも負けておらず、マイクロフォーサーズとは思えない解像力を発揮しています。

まとめ:ハイレゾはリアレゾの代わりになるか?

解像力 僅差で80MB ハイレゾショット
ノイズ耐性 リアルレゾリューション
使い勝手(撮影) ハイレゾ…撮影時の微ブレにデリケートな対策が必要
リアレゾ…光のちらつきでもドット柄になる
使い勝手(現像) オリンパス(専用ソフトがGood)
ペンタックス(ボディ内現像がGood)
レンズ MFT…ズーム・単焦点共に多い
Kマウント…活かしきるレンズが少ない

代わりになる

12-100 PROは高倍率ズームであるにも関わらず、ハイレゾショットで大きく解像力の向上が可能。35mm判換算で24mmの広角から200mmの望遠までをオールインワンで超解像出来るのだから超便利。

マイクロフォーサーズらしからぬ線の細い繊細な描写を楽しめるこの機能は素晴らしく、フルサイズに全く引けを取らない解像力。同画素内で色補完をしているK-1と比べて違いが分かりやすいので、「ここぞ」と言う時に撮る気にさせてくれる機能です。

とは言え、ズームレンズでは8000万画素まで分解する能力を持て余していると感じるのも事実です。8000万画素分の解像力をフルに活かしきるのであれば、解像力の評価が高い単焦点レンズをチョイスしてみましょう。

対してリアルレゾリューションは3600万画素ですのでズームレンズでも無理をする事なく解像感を高めていると言えるかもしれません。

PCで現像推奨、K-1なら撮って出しOK

K-1と比べてダイナミックレンジに起因するシャドー部のノイズが気になる所、それを処理するならオリンパスビューワーでTIFF現像。そこからLightroomで丁寧にノイズ処理を行えば中々良い結果になる。後述しますが、周辺部に残存するの倍率色収差が見えてしまうことがあるので、丁寧に処理するためにもこの工程を踏む必要があります。

比べてPENTAX K-1は撮って出しJPEGでも非常にナイスな画質を提供できるのでそれはそれで魅力的。特に独自のエクストラシャープネスがリアルレゾリューションとマッチして凄まじい解像感を発揮する。

とは言え、こちらもレンズによっては周辺部にオリンパス同様の問題が発生。リアレゾはパソコンで処理する場合、DCPU(専用ソフト)の動作が非常に重たい点はマイナス。DCPUを通さずにTIFFに現像してLightroom使った方がストレスフリー。ボディ内現像が非常に優秀なので、あえてパソコン使う必要もなかったりしちゃったり。

ハイレゾショットも細かい事気にしなければカメラ内の設定を追い込み、撮って出しでOK。

システムが小さいと言う事

なんと言ってもマイクロフォーサーズはボディが軽く、レンズも小型で軽量。

これが何を意味するかと言うと三脚必須の超解像撮影において、フルサイズよりも三脚に求める性能を下げる事が可能。コスト的にも重量的にもフットワークが軽い。

P1000221

特にマクロ撮影において三脚に取り付けるフリーアングルの可動式アーム「ベルボン V4ユニット」などを使用する場合にシステムの軽さを意識させられました。取り回しの良さは大正義。

ただし、マクロレンズのMF操作がフォーカスバイワイヤという点が不満。いまいち直観的な操作が出来ないのですよねえ…。

80MB RAWから2000万画素にリサイズする

情報量の多い高解像の8000万画素データを元の2000万画素並みにリサイズしてやるとどうなるか?

80MB リサイズ クロップ

通常撮影 クロップ

ご覧のように一目瞭然。情報量の多い画像データを小さくしているので線の細いシャープな描写となっています。同じ2000万画素の画像ですが、マイクロフォーサーズとは思えない繊細な描写ですね。

いい意味でオリンパスらしくないシャープさです。

カメラで撮影時に「25MB」のハイレゾショットを記録形式として選択できます。ボディ内でハイレゾショットをリサイズして出力するので、サイズは控えめながらK-1のように解像感の高い画像を生成できるという認識で良いかなと思います。

ズームレンズ使うなら「25M」で丁度いいかもしれません。保険として「RAW」を記録しておくと後から修正が効きます。

周辺部はハイレゾの恩恵が少ない(レンズにもよる

これは12-100 PROの25mm(35mm判換算で50mm)時の左下の画像。通常撮影と比べて解像力は若干増していますが、同時に通常撮影では見えない残存している色収差が見えるようになっています。

さらに、2000万画素にリサイズしたとしても色ズレが残ってしまいます。画像サイズを考えると気になる色収差ではありませんが、シーンによっては目立つ場合があると思います。その場合にはリサイズする前に色収差の補正をデジタル処理した方が良いでしょう。

8000万画素まで解像させる性能をフルに活かすためには、やはり抜群の性能を持つ単焦点レンズが必須。ペンタックスKマウントと違ってレンズにバリエーションがあるので、ベストな選択を出来る点は良いですね。(Kマウントは広角で撮ろうと思うと現時点でD FA15-30mmのみ。まあこれはこれで超性能なレンズではありますが…)

その他写真

Flickrから元データをダウンロード可能。20MBとか重いデータですので通信環境に注意してください。

PENTAX K-1

_K1I8018

_K1I8021

_K1I8019

_K1I8023

OM-D E-M1 Mark II

EM125614

EM125651

EM125609

EM125590

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