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キヤノン EF16-35mm F2.8L III USM 交換レンズデータベース

このページでは一眼カメラ用交換レンズ「EF16-35mm F2.8L III USM」の情報を収集しています。

更新履歴

  • 2017.11.11:ページレイアウトを更新しました。
  • 2017.7.28:フォトヨドバシを作例に追加しました。
  • 2016.12.17:DxOMarkのベンチマークテスト結果を追加

データベース

レンズの特徴

中央解像力 ?開放から非常に良好
ピーク F2.8-F5.6
周辺解像力 開放から良好
ピーク F2.8-F8
軸上色収差 ?完璧 倍率色収差 ?35mmでやや目立つ
球面収差 問題無し コマ収差 完璧では無い
非点収差 やや大きい 歪曲 広角側で樽型大
周辺減光 広角で非常に目立つ
F8で緩和
逆光耐性 比較的良好
AF 高速・静音・正確 手ぶれ補正
ボケ傾向 このクラスとしては比較的良好
備考 MF回転角110° ・防塵防滴・フッ素コーティング・ASC・SWC

購入早見表

EF16-35mm F2.8L III USM
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レンズポーチ LP1222
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レンズフード EW-88D
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レンズキャップ E-82 II
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フィルター購入早見表
プロテクト C-PL ND ソフト
X-CAP

レンズデータ

レンズ仕様

画角(水平・垂直・対角線) 98°〜54°・74°10'〜38°・108°10'〜63°
レンズ構成 11群16枚
絞り羽根枚数 9枚
最小絞り 22
最短撮影距離 0.28m
最大撮影倍率 0.25倍(35mm時)
フィルター径 82mm
最大径×長さ φ88.5mm×127.5mm
質量 約790g

MTFチャート

EF16-35mm F2.8L III USM-mtf

レンズ構成図

EF16-35mm F2.8L III USM-lens

紹介

EF 16-35mm F2.8L II USM」が2007年に発売されてはや9年。その間に高評価のF4L ISの登場や安価で高性能のサードパーティ製が出てきたりと色々と選択肢が増えました。光学性能はF4L ISと比べて見劣りする部分が増えてきたり、サードパーティ製の競合レンズの存在で中々購入に踏み切れなかった方がいると思う。

そこへ満を持して登場したのが「III型」となった本レンズ。

表面上は分かり辛いが、中玉と後玉の光学設計に改良が加えられると共に、SWC(Subwavelength Structure Coating)、ASC(Air Sphere Coating)、フッ素コーティングと言ったキヤノンレンズにおける最新のコーティングが贅沢に採用。基本性能に加えて広角レンズで重要な逆光耐性やメンテナンス性の底上げを図っている。

その光学性能は定評のあるF4L IS以上。開放では周辺部にやや甘さが残るものの1段も絞ればグッと引き締まる。レンズの明るさと解像力からキヤノンEFで広角レンズを究極的に選ぶのであればこのレンズ。

競合・他社レンズと比べると広角端がやや抑え気味であるものの、市販のねじ込みフィルターを使用可能という点は大きい。他の大口径な広角ズームは出目金レンズである事が非常に多い。広角で多用したいC-PLやNDフィルターを利用しやすい点は非常にGoodなポイント。また、クラスとしては重量が軽く、一回り小さいF4L ISと比べても重量差は少ないので携行性も悪くない。

?海外の評価

DxOMarkのベンチマークテスト

解像力は従来モデルと比べて抜群に良好ですね、歪曲・色収差の補正もベストのようです。

軍資金が潤沢にあるのでしたらIII型をチョイスで間違いないでしょう。

一方でF4Lと比べると解像力は肉薄しつつも僅かにF2.8Lが勝るようです。しかしその他項目で見ると、僅差か色収差の補正で劣る部分もありますね。

F4Lが非常にコストパフォーマンスの高いレンズとなっていますので、F2.8の明るさを必要としなければF4Lで間違いないでしょう。手ぶれ補正も搭載しているので汎用性の高さは特筆すべき。

LensTips

長所
  • 堅牢な鏡筒
  • 中央の素晴らしい描写
  • APS-Cのイメージサークルにおける四隅の非常に良好な画質
  • フルサイズのイメージサークルで良好な画質
  • 軸上色収差はごく僅か
  • 周辺部における色収差の問題が無い
  • 穏やかな球面収差
  • 競合レンズよりも良好な歪曲収差
  • ボケが綺麗
  • 静かで高速かつ正確なオートフォーカス
短所
  • 望遠端におけるコマ収差
  • 非常に大きい周辺減光

このレンズの最もたるライバルは兄弟レンズであるF4Lの存在だろう。光学手ぶれ補正を搭載し、価格は半値ほどだ。

ePHOTOzine

造り

EOS 5D Mark IVと完璧にマッチします。レンズの組み立て品質は非常に良好であり、ボディと組み合わせた際のバランスが良いので790グラムよりも軽く感じます。

レンズフードは正確にフィットしますが、偏向フィルターを装着して回転させる為にはレンズフードを外す必要があります。スライド式や操作窓を持つフードと比べると効率的ではありません。

オートフォーカスは高速でかつ正確に動作します。望遠レンズほど必要性は高くありませんが、手ぶれ補正を搭載していません。

解像力

広角端は絞り開放のF2.8からF11まで優れたシャープネスを示し、F16でも非常に良好なままでありF22でも良好な画質を維持しています。隅は絞り開放F2.8からF8まで素晴らしい解像力を発揮し、F11からF16でもなお非常に良好な解像力を示します。F22でのみ柔らかくなります。

中間の20mmや望遠端の35mmでも非常によく似た性質を持っています。

総じてズームレンジ全域で優れたパフォーマンスを発揮し、目に見える違いは非常に小さいです。これは非常に高いパフォーマンスのレンズであり、キヤノンのレンズ制作能力の信頼性を表しています。

色収差

広角端の中央は事実上完全に補正されています。隅は少し発生していますが、それでも大きくて1ピクセル未満でありソフトウェアで簡単に除去する事ができます。

20mm時の色収差補正はさらに良く、F22まで絞った四隅のみ半ピクセルほど発生します。

24mmは中心も隅も驚くほど補正されており、35mmの望遠端まで続きます。

35mmの望遠端では四隅で少し発生しますが、これは依然として良好な結果です。

歪曲

16mmで-3.14%の樽型歪曲が発生しますが、簡単にソフトウェアで補正してしまいます。その後、20mmで-1.17%の樽型歪曲、24mmで0.245%の糸巻き型に切り替わります。

これは35mmの望遠端で1.16%の糸巻き型歪曲へと徐々に歪曲が大きくなっていきます。一般的にこれは問題になるレベルではありませんが、必要であればソフトウェアで簡単に修正できます。

逆光

逆光耐性は良好でフレアを発生させるのは非常に困難です。レンズデザインとコーティングは明らかに優れた性能を発揮しています。

総評

長所

  • 全体的に優れたシャープネス
  • 優秀な色収差補正
  • フレアが発生しない
  • パフォーマンスの一貫性
  • 高品質のレンズビルド
  • 防塵防滴
  • 接写性能

短所

  • 手ぶれ補正非搭載
  • 非常に価格が高い

競合レンズ

EF 16-35mm F2.8L II USM

EF16-35mm F2.8L II USM-lens-3

新型が発売されたので在庫処分の値下げが期待できるレンズである一方、値段を見て買うならタムロンのSP15-30の方がおススメ出来る。とは言え、ボディ内でデジタル補正やデジタルレンズオプティマイザが使える純正レンズに勝機を見出す事もできると言える。

しかし、新品の価格がとても大幅な値下がりをするとおも思えないのでやや価格は高いものの新型の「III」を買われた方があとあと後悔しないだろう。特に逆光耐性の向上が期待できる新コーティングとメンテナンス性が向上するフッ素コーティングの有無は地味に大きいと思われる(物理的にも精神的にも)

このレンズの利点は現行のラインナップ(サードパーティを含め)で最軽量でコンパクトなこと。なのだが、この価格でそれを求めるにはやや割高感は否めないか

EF16-35mmF4L IS USM

Canon公式より

レンズの明るさはF4と明るくないものの、手ぶれ補正を搭載してるので手持ち撮影がかなり楽。

さらにフレーム全域で切れ味のするどいシャープな描写を得意とするレンズで、その解像力はF2.8L IIIと比べても遜色がない。

究極的には大口径ズームの方が撮影できる幅は広いものの、手軽さや費用帯効果を考えるとこちらも十分説得力のあるレンズ。風景撮影が主な用途ならこちらの方が合っている。

SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD

tamron15-30mm

タムロンの大口径広角ズームで、この手のレンズとしては珍しい手ぶれ補正機能を搭載。さらに光学性能は評価の高いニコンの「1424G」に比肩すると言われており、純正にこだわりが無ければ魅力的な選択肢。

それを後押しするように、価格は純正の半値程度とケチをつける隙がない。敢えて言えばその大口径広角らしい巨大な風体で、人によっては拒否反応が起こるかもしれない大きさ。

また、出目金レンズのためフィルターワークの難易度が高いのと逆光に僅かだが弱い傾向がある。簡易防滴のため防塵防滴ほどの耐候性は期待しない方が良いだろう。

AT-X 16-28 F2.8 PRO FX

AT-X 16-28 PRO FX 16-28mm F2.8

タムロン15-30よりも安価で手に入れやすいのがこのレンズ。逆光に弱かったり、開放では甘かったりと描写性能は大手を振って薦める事はできないものの、F5.6まで絞れば描写はかなり安定する。

とは言え、大口径広角レンズで絞ってどうする?と言った点や、大口径広角の活用シーンである夜景撮影の際に強い光源に弱いといった点は要検討。

また、サイズ的にはSP15-30とドッコイ。

留意点としては古いロットの中古品などで衝撃を加えるとマウントからずっぽぬけるという恐ろしい不具合を公式発表している。極めて稀だそうだが…。

【比較】EF 16-35mm F2.8L II USM

外観

III型

II型

スペック

EF 16-35mm F2.8L III USM EF 16-35mm F2.8L II USM
レンズ構成 11群16枚
非球面レンズ 3枚 UDレンズ 2枚
12群16枚
非球面レンズ 3枚 UDレンズ 2枚
絞り羽根 9枚(円形絞り) 7枚
最小絞り 22
最短撮影距離 0.28m 0.28m
最大撮影倍率 0.25倍(35mm)、0.12倍(16mm) 0.22倍(35mm時)
フィルター径 82mm 82mm
最大径×長さ φ88.5mm×127.5mm φ88.5mm×111.6mm
質量 790g 640g
フード EW-88D EW-88
備考 SWC
ASC
フッ素コーティング
防塵防滴
防塵防滴

MTF曲線

III型は周辺部から四隅にかけての解像力に改善が見られます。

16-35III

EF16-35mm F2.8L III USM-mtf

16-35II

EF16-35mm F2.8L II USM-mtf

コメント

外観とスペックだけを見比べると、レンズ構成に大きく違いはありませんが全長がかなり伸びていますね。

最大径は同様ですが、全体的な鏡筒の太さは新型がかなり太くなっている印象です。操作部の大きなデザイン変更はありませんが、より現行モデルに近いデザインとなっています。

性能面では最大撮影倍率が若干ですが向上しています。さらに既存のキヤノンのコーティングは網羅されている贅沢な仕上げとなっているようです。光学性能とコーティングの向上と引き換えにやや重くなっていると言ったところでしょうか。

フードの型番が違います。画角が同様なので基本的には一緒だと思いますがデザインを変更しているかもしれません。

更新履歴

  • 2016.12.16:Lenstipsのレビューを追加し一部を抄訳
  • 20162.12.13:DPREVIEW 作例 real world sampe を追加
  • 2016.12.5:デジカメWatch交換レンズレビューを追加
  • 2016.11.24:参考サイトにePHOTOzineのレビューを追加し、抄訳を一部掲載・EOSzineのレビューを追加
  • 2016.11.14:加筆・修正、競合レンズ紹介にF4L ISを追加し加筆
  • 2016.10.22:Lensrentals レビュー追加

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