【評価･作例】まだまだ現役、純正テレマクロ『EF180mm F3.5L マクロ USM』

2002年発売とやや古さが目立ち、手ぶれ補正非搭載だがキヤノン純正で貴重なテレマクロレンズ。

マクロ域での描写性能はさすが単焦点のマクロレンズと言えるもので、高コントラストで高解像、MFT曲線は横一文字の全域で安定した性能を誇る。遠景ではやや描写の甘さがあるものの、絞れば普通に高性能なレンズとなる。手ぶれ補正を搭載していないテレマクロなので、三脚は必携。

とは言え、手ぶれ補正が搭載されていたとしてもこの焦点距離だと被写界深度がかなり浅いのでマクロ撮影時には三脚前提なのは変わりない。このレンズで中・遠景を撮るなら手ぶれ補正が搭載されていない点を不満に感じる事だろう。

タムロンやシグマから同焦点距離のテレマクロレンズが販売されている。タムロンのテレマクロは手ぶれ補正は非搭載でAFはてんで使い物にならないが、描写性能は一級品で価格はこのレンズの4分の1と非常にリーズナブル。シグマのレンズはこのレンズよりも安く描写性能の評判も良い、手ぶれ補正を搭載している（参考：APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM）。

また、ワーキングディスタンスを短くしても良いのであれば、マクロレンズの中でも非常に評判の良い『EF100mm F2.8L マクロ IS USM』が存在する。単純にマクロレンズが欲しければ、この100mmマクロIS選んだ方が無難だ。

このマクロレンズをオススメ出来るポイントとしては、180mmのテレマクロが必要な上で純正レンズでしか出来ない『デジタルレンズオプティマイザ（DLO）』を適用できる点だ。特にリアコンx1.4やx2.0を装着した場合もDLOに対応しているので、サードパーティ製よりもRAWで追い込みを掛ける際には段違いの使い勝手を誇る。