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マイクロフォーサーズ「Alice Camera」がIndiegogoで予約販売開始

イギリスの会社「Photogram AI」が1100万画素センサーを搭載したマイクロフォーサーズカメラ「Alice Camera」の予約キャンペーンをIndiegogoで開始しました。

Alice Camera

DPReview:Alice MFT camera combines smartphone AI with interchangeable lenses, now live on Indiegogo

Photogramは、スマートフォンカメラのAIやコンピューショナルフォトの特性と、マイクロフォーサーズシステムの大型センサーと交換レンズシステムを組み合わせたカメラ「Alice camera」の予約キャンペーンを開始した。

このコンセプトは2020年9月に発表されており、イギリスの同社は今年の秋にカメラの出荷を開始する予定だとしている。Photogramは、すでにイギリスの様々な政府機関や業界団体からの資金提供を受けており、Indiegogoキャンペーンが資金調達ではなく予約注文のためのものであること言及している。しかしカメラはまだ技術デモンストレーション(試作機)の段階であるため、リスクがあることに変わりはない。

Alice Cameraは、Wi-Fi接続されたスマートフォンを背面に搭載し、専用アプリを介してカメラ用モニターとコントロールポイントとして機能するように設計されている。
カメラはフォーサーズ 1070万画素のデュアルネイティブISO・マルチアスペクト比センサーを使用し「17:9、16:9、4:3」のアスペクト比でC4K/4K 30pのビデオを記録することができる。
DNG RAWとJPEGファイルで撮影することが可能だ。カメラはスマートフォンに接続されているため、ソーシャルメディアに直接動画コンテンツをライブストリーミングすることも可能だ。

通常のカメラと主な違いは、スマートフォンと同じように影を明るくしたり、青空の彩度を上げたり、ノイズを減らしてダイナミックレンジを改善するためにマルチショット技術を使用したりするため、イメージ調整用のAIを使用するということだ。さらにAIは露出やAF、ホワイトバランスの処理にも利用され、ノイズやダイナミックレンジを最適化するという。

Photogramによると、使用するアルゴリズムは、フォトグラファーが処理したかのように見えるようイメージにどのような処理調整が必要か訓練されており、アルゴリズムはGoogleのEdge専用
テンソル・プロセッシング・ユニット上で実行される。

ユーザーは、クイックモードでカメラを自動的に動作させることができ、プロモードに切り替えることで、カメラと画像設定を自分で完全にコントロールすることができるようになる。また、ユーザーはAIアルゴリズムからの様々な入力を受け入れることができる。
オープンソース・ソフトウェアにより、カメラをカスタマイズしたり、他のユーザーと共有できる機能のための新しいアプリケーションを作成したりすることが可能だ。

Photogramは、AIアルゴリズムがより高度になる継続的なアップデートを約束し、開発が進むにつれて新機能を追加していく予定と述べている。
Indiegogoキャンペーンでは、早割価格550ポンド(約760ドル)でAlice Cameraを予約注文することができ、出荷日は2021年10月を予定している。詳細については、Indiegogoキャンペーンページを参照してほしい。

とのこと。
1070万画素センサーを使用した珍しいカメラですね。形状は異なりますが、「Olympus Air」と同じようにスマートフォンと連携して機能する模様。以前にもWi-Fi接続のモジュールカメラはいくつも存在しますが、「Wi-Fi接続」が足かせとなってあまり流行らなかったような気がします。この辺りをどのように克服するつもりなのか注目したいと思います。

使用センサーは「IMX294」と明言しており、Blackmagic ポケシネ4KやZ CAM E2などで使用しているセンサーと同じであり、パナソニック「LUMIX GH5S」で使われている「IMX299」とよく似ています。おそらくセンサー性能にそう大きな違いはないですが、IMX299がより高速な通信に対応していると思われます。
イメージセンサーの1070万画素は静止画用として使うには低解像ですが、ピクセルピッチが4.63μmと大きく、高感度性能は期待できそう。AIアルゴリズムを活用したAFや露出、そして仕上がり機能がどのように機能するかも気になるところ。

いずれにしても、ここ最近はあまりいい話を聞かないマイクロフォーサーズ陣営ですが、このように面白い会社が参入してくるのいい傾向と言えるかもしれません。

以前の情報

Alice Camera:BETTER CONNECTIVITY THAN A DSLR WITH HIGHER QUALITY THAN A SMARTPHONE

  • Alice Camera™はコンテンツ制作者のために英国で作られているAIアクセラレータカメラ。専用のAIチップを搭載したレンズ交換式カメラであり、機械学習を高め、カメラができることの限界を押し広げる。
  • Aliceはコンセプトプロトタイプの段階にあり、2020年秋にIndiegogoで公開される予定だ。
  • Aliceはコンパクトで薄型のカメラで、ほとんどの標準的なスマートフォンをカメラ背面に取り付けることができる。
  • 人間工学に基づいたグリップは、撮影する際の手の置き場所と安定性を向上させる。
  • 最も柔軟でコンパクトな交換レンズシステムであるマイクロフォーサーズレンズマウントを採用しており、50種類以上のプロ品質のレンズを用意している。
  • Aliceのマイクロフォーサーズセンサーは、低照度下での撮影に優れており、クロップなしで高品質の4Kビデオを撮影することが可能だ。大きなピクセルサイズと革新的なクアッドベイヤー構造により、非常に低いノイズと高いダイナミックレンジを実現。
  • デジタル技術が1990年代を変えた様に、人工知能が2020年代の写真を変えようとしている。
  • 主な仕様
    ーアルミボディ
    ーマイクロフォーサーズマウント
    ー1100万画素クアッドべイヤーHDR
    ーディープラーニングカラーサイエンス
    ー電子手ぶれ補正
    ーAIによる自動露出
    ーAIによる自動フォーカス
    ーMicro SDカード
    ーUSB-C充電
    ー3.5mm マイク端子
    ー5GHz WiFi
  • 本体価格:750ポンド
    ー早期割引:450ポンド
    ーIndegogo:550ポンド

スマートフォンと連携するタイプのカメラはソニーやオリンパスが過去に投入していますが、現在は廃止されてしまっています。(OLYMPUS AirやQX1など)
まさか再びこのようなシステムがマイクロフォーサーズシステムでお目にかかれることになるとは驚きですね。APS-Cやフルサイズと比べ、レンズが小型軽量であり、既に豊富なラインアップが揃っているのは魅力的。
面白いのはオリンパスやパナソニックが導入していない低画素のクアッドべイヤーセンサーを採用していたり、AI技術を積極的に利用したカメラであること。センサー性能をはじめ、どのような使い勝手・撮影体験のカメラとなるのか気になるところ。

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