Digital Camera Worldがハッセルブラッド「X2D 100C」のハンズオンを公開。動画機能は搭載していないものの、見違えるほど向上したAFや1億画素センサーの優れた画質などを高く評価しています。
Digital Camera World:Hands on: Hasselblad X2D 100C review
紹介
- 長い間待たされたカメラのように感じるが、待つだけの価値があるカメラだ。
- メーカー史上最も高性能なカメラ。
- 中判写真のいくつかの分野で新しい基準を打ち立てている。
- 既存のX1D IIの解像度が2倍となろ、あらゆる点で前モデルを改良している。
(1つを除いて)- ボディ内手ぶれ補正が導入され、富士フイルムのライバル機よりも優れた補正効果を発揮する。
- ダイナミックレンジの拡大、低ISO感度、高解像度ファインダー、チルト式タッチパネル、CFexpressカード対応、ストレージに内蔵SSDを搭載。
機能
- 富士フイルムGFX100Sと同じ1億画素センサーを搭載。
- 15stopsのダイナミックレンジと16bitの色深度を実現。
- 独自のボディ内手振れ補正システムを開発し、5軸補正はGFX 100Sより1段高い7段の補正を実現。
- 1TBの内蔵ストレージを搭載しており、約4,700枚のRAWファイルを保存することが可能。
- 現在512GBまでのカードに対応しているCFexpress Type Bスロットは「第2のメモリーカード」としての役割を担う。
- 最も大きな特徴の一つは、ハイブリッドAFの実装だ。294点で約89%のカバー率を特徴としている。
- 新レンズと組み合わせて高速なフォーカス速度を実現する新しいオートフォーカスモジュールを搭載。
- 唯一の欠点は動画機能が一切ないことだ。雑にパッチを当てたX1D IIとは異なり、この機能は後日ファームウェアで導入されることはない。
性能
- X1D IIを愛していながら、その様々な欠点や遅さゆえに惚れ込むことができなかった者として、X2Dは待ち望んでいたカメラだ。最高に嬉しく思っている。
- X1Dシリーズの最大の問題は、その糖蜜のようにねっとりと遅いコントラスト検出AFだった。位相差AFを搭載した初代GFX100がX1D IIと同じ年に発売されたことを考えると、マニュアルフォーカスでなければ使えないカメラシステムを受け入れるのは大きな挑戦だ。
- しかし、もう大丈夫。小型センサーのカメラほど電光石火のAFは期待できないが、X1D IIとはとは天と地ほどの差がある。
- スタジオの棒立ちで使われるようなカメラから、街撮りができるカメラとさえ言えるほど応答性の高いものに変化した。
- しかしAFが魔法のように完璧であるということではない。他社のような洗練された顔や瞳の検出機能がまだなく、AFが細かいディテールや騒がしい背景のあるシーンでミスショットが発生する。
- とは言え、90%の確率でピントを合わせることが出来た。以前のような苦労とはおさらばだ。
- 手ぶれ補正と完璧に近いエルゴノミクスのおかげで、超低感度のISO64で、しかもF2.5のレンズを使って、一日中手持ちでストリート写真を撮影した。
- X1Dのように座して瞑想的なペースで作業するのではなく、クリエイティブに、フリースタイルに、狂ったようにダイヤルを回してカメラを放り投げることができる。
画質
- 1億画素の超高解像度のおかげで、適切なレンズを持っていなくても問題にはならない。焦点距離が短くとも、あとからクロップして十分な解像度を備えている。
- 解像度が高く、ディテールに富んでいることは言うまでもないが、それ以上の画質を備えている。
- キヤノンは最高のカラーサイエンスを持つと広く知られているが、我々はハッセルブラッドのナチュラルカラーソリューション、特にX2Dで撮影したネイティブ16bitフォーマットで撮影した気品のある色調に勝るものはないと思っている。
- 最もゴージャスでフィルム的なLUTやプリセットを、カメラから直接画像に適用しているようだ。「ルック」を求めるならこれだ。
動画
- 動画がない点が痛いと言えばイエスでもあり、ノーでもある。
- GFX100が驚くほど高性能な動画機能を備えていることは否定できない。
- シネマカメラを買って、スチル撮影ができないことに文句を言う人はいないように、究極の写真機かもしれないカメラで動画撮影ができないことに文句を言う必要があるだろうか?
総評
ハッセルブラッド X2Dはパンチの効いたカメラだ。1億画素センサー、ネイティブ16ビット色深度、15stopsのダイナミックレンジ、7段分のボディ内手ぶれ補正、1TBの内蔵ストレージを搭載し、富士フイルムGFX100シリーズと互角に渡り合うことができるカメラとなっている。動画機能はないものの、純粋なイメージングマシンとしては無敵なカメラだ。ラボテストが終わるまで最終的な判断を保留するが、大きくは変わらないだろう。
- 長所:
・1億画素の見事な画質
・7段分の手ぶれ補正
・1TBの内蔵ストレージ- 短所:
・動画なし
・ジョイスティックなし
・タッチパネルはチルトモニタのみ
とのこと。
1億画素センサーや手ぶれ補正、像面位相差AFなど、従来モデルと比べて改善点が多いカメラとなっていますね。とは言えX1D IIと比べてかなり高価なモデルとなっているので、改善点を考慮しても購入に踏み切るのは覚悟が必要かもしれません。動画周辺は相変わらずですが、DCWが言及しているとおりスチルカメラに動画機能を期待する人は多く無さそうです。最近は静止画と動画のハイブリッドが多いだけに珍しいカメラ。
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