DPReviewがCP+2019で実施したシグマへのインタビュー内容を記事として発信しています。
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シグマがハイブリッドAFを導入する?
- CP+はマウントアダプターと単焦点レンズの発表にとどまり、発売することは無かった。しかし、思っていたよりも反応が良好で驚いている。
- 今年はフランジバックを短く設計したレンズをいくつか発売する予定だ。
- Lマウントを成功させるためには、ズーム・単焦点に関係なく数多くのレンズが必要だ。そのために、まずは11本のレンズを発表した。これらは全て今年中に発売予定である。
- 我々はハイクオリティで手ごろな価格設定の製品を提供したいと思っている。最も安く提供できるメーカーでは無いが、手ごろで最高品質を目指して最善を尽くしている。製造コストは非常に高いが、組織を最小限に抑えてスリム化を図っている。マーケティング、販売、管理、人事の担当者は非常に少ない。必要以上に値上げしないようにしている。
- パナソニックのDFDテクノロジーをシグマレンズに対応させることが出来るかどうかは回答できない。各社のエンジニアとLマウントシステムを強化するために協議している理由はここにある。
- RFマウントとZマウントにはとても興味がある。しかし、現在はこれらのマウントを調査中だ。対応レンズをリリースするかどうか答えるのは時期尚早である。今のところレンズアダプターを利用するRF・Zユーザーが多いので、それらに最適化することを優先している。レンズはほぼ完璧に機能することを確認している。
- キヤノンやニコンのミラーレスはフランジバックの長さに大差ないものの、マウント直径は多少の違いが見られる。大口径で高性能なレンズを設計するにはニコンZマウントがとても良好だ。
- ただし、フランジバックが短く、バックフォーカスが短すぎるとセンサーに近すぎて反射の問題を危惧している。とは言え、大口径マウントは理論上、レンズ設計者にとって自由度の高いマウントである。
- 各社のマウントに互換性を持たせるレンズを作るとしたら、最もフランジバックの長いマウントを基準とする。マウントに多少の違いはあるものの、レンズ設計に大きな違いは無い。(ただしマウント直径は大きなほうが自由度が高い)
- 将来的にはコンパクトなF2単焦点レンズもリリースするかもしれない。
- 最高の光学性能を求める場合にコントラストAFへの対応が難しい。コントラストAFは「ウォブリング」がどうしても発生するため、フォーカスレンズを小型軽量化してアクチュエーターで動かしやすくする必要がある。しかし、フォーカスレンズを小さくすると近距離での性能が低下する傾向にある。フォーカスレンズが大きいと近距離で光学性能を維持するのが簡単だ。
- キヤノンはデュアルピクセルAFを採用して位相差検出のような動作だが、ニコンにゃソニーはハイブリッドAF(コントラストAFを内包する)システムを導入している。我々もおそらくハイブリッドAFシステムを実装するだろう。
- コントラストAFに最適化されたレンズは(速度と正確さの点で)像面位相差AF対応カメラでより良好なパフォーマンスを発揮するだろう。しかし、理論上の欠点として光学性能を挙げることが出来る。この問題を解決する技術を多く持ってはいるが、理論的に言えば難しい。
- レンズの設計にあたり、ソフトウェアを使ってボケ描写をシュミレーションしている。
- とても近代的で高性能レンズを製造するライン用に工場の拡大計画が進行中だ。
- フジフイルム用レンズに関してはよく質問されるが、Xマウントはオープンなマウントでは無いのでリバースエンジニアリングが必要だ。これは本当に時間のかかるプロセスなので、ソニーEマウントやLマウント、そして既存一眼レフマウントやマイクロフォーサーズを優先している。
- しかし、リバースエンジニアリングのコストと市場規模のバランス次第ではレンズ設計に着手するかもしれない。(キヤノンRFやニコンZマウントのこと)
- 将来的にシグマのカメラ事業はより個性的で極端なものになるだろう。大手が市場にリリースする子が出来ないかもしれない個性的なカメラをお届けしたい。どのように個性的となるかは今のところお話しできない。
- フルサイズFoveonは基本的に従来と技術は同じだ。しかし、APS-Cとフルサイズではまったく異なる画質を期待できる。構造は1:1:1に戻ったのでとても豊富なデータをセンサーから読み出すことが出来るはずだ。
- フルサイズFoveonでは読み出し速度・色分解・ノイズ性能を改善しようと試みている。色分解は同程度だが、高感度ISO性能の向上には可能性がある。
- DNG出力の画質よりも、処理速度が遅かったとしてもほとんどのユーザーはSPP出力を好んでいるようだ。DNG出力の改善にはカメラ内でとても大きな処理能力が必要となってくる。
- 他社で感銘を受けたレンズはキヤノンの「RF28-70mm F2 USM」と「RF50mm F1.2L USm」だ。彼らのRFマウントはとても見事である。フォーカス速度は遅いが、レンズを設計をするメーカーならどこも似たような課題を抱えている。
とのこと。
コントラストAFがメインとなるパナソニックLUMIXと一眼レフの位相差AF用レンズを多く製造しているシグマで良好な互換性を維持するのはなかなか難しいようですね。今のところミラーレス専用シグマレンズは「DC DNシリーズ」や「DN Artシリーズ」など比較的小型軽量なレンズのラインアップとなっています。DC DNシリーズは光学性能の面で一部を妥協し、DN ArtシリーズはF2.8と小口径にすることでハイブリッドAF・コントラストAFに対応するレンズ設計をしているということでしょうか?今後どのようなフルサイズミラーレス専用レンズが登場するのか気になるところですねえ。
少し気になったのが「我々も[ハイブリッドAFシステムを導入する]だろう」と言うくだり。ただし、[]で補足された文となっているのでDPReviewが推し量ったものなのか、山木社長が直に述べたことなのかは不明。インタビューの流れからすると「位相差AFをメインにしてフォーカスレンズが大きく光学性能の高いレンズを作りたい」と言っているようにも聞こえますがさてはて…。
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