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像面位相差AFの検出性能をボディ内手ぶれ補正で高めるキヤノンの特許出願

2021年9月2日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。センサーシフト式手振れ補正ユニットを活用して、像面位相差AFの検出能力を高める技術のようですね。

概要

  • 【公開番号】特開2021-128303(P2021-128303A)
  • 【公開日】2021年9月2日
  • 【発明の名称】撮像装置
  • 【出願日】2020年2月17日
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】被写体が横線模様であっても焦点検出可能な撮像装置を提供することである。
  • 【解決手段】結像レンズにより形成された像の焦点状態を検出するために像面上の所定方向の位相差を検出するための画像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子を前記結像レンズの光軸に垂直な面内において並進方向と回転方向に駆動可能な撮像素子駆動手段と、前記撮像素子による撮像結果に応じて前記撮像素子駆動手段により前記撮像素子を回転させて焦点検出する焦点検出手段と、を有する、ことを特徴とする構成とした。
  • 【0003】
    従来、位相差検出方式のAFとして、二次結像光学系とAFセンサを用いた二次結像位相差AF、または、撮像素子を用いた像面位相差AFが知られている。二次結像位相差AFにおいて、AFセンサは縦方向に分離した被写体像が結像する縦目センサと、横方向に分離した被写体像が結像する横目センサから構成されるため、横線模様や縦線模様の焦点検出が可能となっている。
  • 【0006】
    しかしながら、像面位相差AFにおいては、撮像素子の各画素が一方向のみに分割された画素群で構成されている場合、画素の分割方向によっては横線模様や縦線模様の焦点検出ができないことがある。一般的な像面位相差AFが可能な撮像素子は、画素が左右方向に2分割されているため、撮像装置の正位置における横線に対して焦点検出しにくい。
    そして、上述の特許文献1に開示された従来技術では、各画素が一方向のみに分割された撮像素子の像面位相差AFであって、横線模様の被写体の焦点検出ができないという課題が解決できない。

像面位相差AFで対応しにくい線を検出しやすくなる技術ですね。ミラーレスは一眼レフで言うところの「クロスセンサー」に相当するものがなく(オリンパスOM-D E-M1 Mark IIなどを除く)、特定方向の線を検出し辛くなっています。センサーの高画素化でそれも問題なくなりつつありますが、キヤノンはこれを物理的に解消しようと考えているのでしょうか?

キヤノンはシフト・回転ぶれを抑えるボディ内手ぶれ補正を「EOS R5」や「EOS R6」に搭載しており、このシステムを活用して検出精度を高める模様。原理は至って単純で、検出し辛い線に対してセンサーを傾けることで検出しやすくなるようです。
この機能が既にEOS R5・R6に実装されているのか不明。しかし、ボディ内手ぶれ補正を搭載して間もないにも関わらず、キヤノンが様々な観点から手ぶれ補正を活用しようと考えていることが伺えます。今後のさらなる発展に期待したいところ。

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