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OMデジタルのアストロトレーサーライクな天体追従撮影機能の特許

2023年5月8日付けでOMデジタルの気になる特許が発行。ボディ内手ぶれ補正を活かした疑似的な赤道儀ライクの機能のようですね。以前の特許と異なり、経緯台との連携については言及していません。

概要

  • 特許7269354
  • 【発行日】2023-05-08
  • 【発明の名称】撮像装置、システム、像ぶれ補正方法、プログラム、及び記録媒体
  • 【出願番号】P 2021543894
  • 【国際公開日】2021-03-11
  • 【特許権者】
    【識別番号】321001056
    【氏名又は名称】OMデジタルソリューションズ株式会社
  • 【技術分野】
    【0001】
    本発明は、日周運動に追従して天体を撮影する技術に関する。
  • 【背景技術】
    【0002】
    目視では見ることができない天体をカメラで撮影する場合は、数秒以上の長時間露光が必要であるものの、カメラを三脚等に固定して撮影したとしても露光中に日周運動の影響に依り星が流れてしまう。こういった日周運動の影響は、カメラの焦点距離が長くなるほど大きくなり、星が流れずに撮影できる露光時間も短くなる。
  • 【0005】
    星が流れずに撮影できる方法の1つとして、赤道儀を使う方法がある。赤道儀は、回転軸を地軸と合わせて地球の自転を打ち消すべく回転することに依り、赤道儀に設置されたカメラの光軸が天体を追従できる構成を有する。
  • 【0006】
    しかしながら、赤道儀はコストや機材の設置の手間等を考慮すると、手軽に使用できる方法ではない。また、子午線を超えて撮影しようとする場合は、撮影中に設定の変更が必要になる等、様々な問題が生じる。
  • 【0009】
    特許文献1に開示の技術では、撮影の度に、撮影地点の緯度情報、撮影方位角情報、撮影仰角情報、撮影装置の姿勢情報、及び撮影光学系の焦点距離情報が入力され、その全情報を用いて相対移動量の算出が行われる。即ち、撮影の度に、こういった複雑な計算が必要になる。また、特許文献1に開示の相対移動量の算出方法では、天頂付近の撮影を行う場合に、算出誤差が大きくなるという問題がある。
  • 【0010】
    一方で、センサの検出精度は日夜向上しており、特に角速度センサにおいては地球の自転(約0.004167dps)を検出可能な感度を持つものも登場してきている。
    本発明は、上記実情に鑑み、複雑な計算を必要とせず、天頂付近でも精度を低下させることなく天体追従撮影を可能にする技術を提供することを目的とする。

OMデジタルの古巣であるオリンパスでも似たような特許出願が存在するものの、オリンパスの特許は経緯台との連携を前提とした機能となっていました。経緯台が必須であり、携帯性を強みとするマイクロフォーサーズシステムとは相性が良くなかったのか、オリンパスの特許がそのままカメラに実装することはありませんでした。

今回の特許では経緯台との連携について言及はなく、カメラ単独で追従撮影が可能となっているように見えます。さらにリコーイメージングの特許文献を参考として挙げつつ、より素早く簡単に撮影できる機能としている模様。高性能化した角速度センサーやメモリーに内蔵する星図データが重要となるため、既存のカメラにファームウェアアップデートで導入するのは難しいかもしれませんね。将来的に天体撮影に特化したカメラとして登場するのか、普及タイプのカメラでも利用できるようになるのか気になるところ。

どちらにせよ、この機能が商品化されると決まったわけではありません。過度な期待は禁物です。

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