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キヤノン フルサイズミラーレス用「10-20mm F4」「10-20mm F2.8-4」「9-18mm F4」光学系の特許出願

2023年2月21日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。「RF10-20mm F4 L IS STM」を想定したような実施例から、「9-18mm F4」「11-24mm F4」「10-20mm F2.8-4」などのフルサイズミラーレス用の超広角ズームと思われる実施例が掲載されています。

概要

  • 【公開番号】P2024023099
  • 【公開日】2024-02-21
  • 【発明の名称】ズームレンズおよびそれを有する撮像装置、撮像システム
  • 【出願日】2022-08-08
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】小型かつ良好な光学特性を有するズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供する。
  • 【背景技術】
    【0002】
    撮像装置に用いるズームレンズは、広画角であり、小型かつ良好な光学特性であることが要望されている。広画角のズームレンズとして、最も物体側に負の屈折力のレンズ群を配置した所謂ネガティブリード型のズームレンズが知られている。
  • 【0005】
    ネガティブリード型のズームレンズは、広画角化が比較的容易であり、長いバックフォーカスが容易に得られるという特徴がある。しかしながら、ネガティブリード型のズームレンズは、開口絞りに対しレンズ構成が非対称となる傾向がある。このため、諸収差の補正が難しく、例えばフォーカシングの際の収差変動の抑制が困難となり、高い光学性能を得ることが大変難しい。
  • 【0006】
    特に高速なフォーカシングを行うため、第1レンズ群よりも像側の小型軽量なレンズ群でフォーカシングを行うインナーフォーカス式ではフォーカシングの際の収差変動が増大する傾向がある。
  • 【0009】
    本発明は、小型かつ良好な光学特性を有するズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供する。

実施例1

  • 焦点距離:10.33-19.39
  • F値:4.08-4.12
  • 半画角:61.36-48.13
  • 像高:18.92-21.64
  • 全長:128.82-123.27
  • バックフォーカス:12.13

実施例2

  • 焦点距離:9.20-17.90
  • F値:4.08-4.12
  • 半画角:64.04-50.40
  • 像高:18.90-21.64
  • 全長:125.26-119.35
  • バックフォーカス:10.50

実施例3

  • 焦点距離:11.30-23.90
  • F値:4.08-4.12
  • 半画角:59.29-42.15
  • 像高:19.02-21.64
  • 全長:129.79-129.33
  • バックフォーカス:14.54-10.54

実施例6

  • 焦点距離:10.30-19.80
  • F値:2.89-4.12
  • 半画角:61.76-47.54
  • 像高:19.18-21.64
  • 全長:132.94-127.01
  • バックフォーカス:11.35

実施例1は商品化された「RF10-20mm F4 L IS STM」のようなレンズ構成とパラメータですね。このタイプの光学系はフォーカシングの際に収差変動を抑えるのが非常に難しいとしつつ、それを実現する光学系とのこと。

他の実施例は商品化前に提案された一例でしょうか?より画角の広い9-18mmや、広角側でF2.8と明るい開放F値の実施例などが掲載されています。既に10-20mm F4が商品化されているので、他の実施例が実現する可能性は低い。いずれの実施例にしても、歪曲収差が極めて強く残存しており、カメラ側での補正を前提とした設計のように見えます。

また、歪曲収差の補正時に四隅を引き延ばす設計なのか、広角側のイメージサークルは35mm判フルサイズセンサーをカバーしていません。非Lシリーズでこのような設計のレンズは多かったですが、Lシリーズでも同様の光学設計を採用するようになった模様。

キヤノン RF10-20mm F4 L IS STM 最新情報まとめ

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