DPReviewがキヤノン「EOS R3」について知っておくべきポイントを紹介。外観や操作性、注目の視線入力AFや電源周りについて、さらっと紹介しています。
DPReview:What you need to know about the new Canon EOS R3
- エルゴノミクスについて、EOS R3はEOS-1DシリーズとEOS R5の両方と多くの共通点があり、大きな違いがある。最も顕著な点はサイズと重量だ。EOS R3やR5と1D X Mark IIIの中間であり、重量は1015gである。
- 全高は1D X Mark IIIの168mmに対して142mmしかない。
- 1D X Mark IIIと同様にスピード重視の設計だ。新開発の2400万画素積層型CMOSセンサーを使用しており、電子シャッター使用時に最高解像で30コマ秒の14bit RAW連写が可能である。
- 30コマ秒の連写時はデュアルピクセルCMOS AFに対応しており、毎秒60回のAF/AE演算が可能だ。
- 縦位置グリップ一体型のEOS R3は大きな印象を受けるが、思っていたよりも軽い。
- 縦位置グリップには横位置と同じようにシャッターボタンやコントロールダイヤル、M-Fnボタンを配置している。
- カメラ上面の左側は1D X Mark IIIの面影が残されている。逆にシャッターボタンの後ろ側はEOS Rの影響を受けていることが分かる。EOS-1シリーズと同様に、上面に関して無駄なスペースはほとんど無い。
- 新型マルチアクセサリーシューには防水キャップが備わっている。
- 背面には30年来の「ON/LOCK/OFF」スイッチと大きなリアホイールを継承している。
- EOS-1D X Mark IIIと同じく、光学センサー搭載のAF-ONボタンを採用している。親指でAF-ONボタンを押すと従来通りにAFが動作し、親指を動かすことでAFポイントを操作することが可能だ。
- 光学センサーの操作に慣れない場合は機能をオフにすることが出来る。その代わりにジョイスティックを使って操作することも可能だ。
- キヤノンのプログレードなレンズ交換式カメラとしては初めてバリアングルモニタを搭載した。ハイアングルやローアングル、そして動画撮影で便利なモニタである。
- 動画撮影では6K RAWやオーバーサンプリングされた4K 60pを利用可能だ。また、最大で4K 120pにも対応している。
- 我々のお気に入りは電子ビューファインダーだ。569万ドットのOLEDファインダーで、最大120fps駆動でリアルなファインダー像を得ることが出来る。
- さらに、OLEDパネルの広いダイナミックレンジを活かしたOVFシュミレーションモードを搭載。ハイライトがリアルな明るさで、シャドウがそれほど落ち込まない自然な描写だ。光学ファインダーに近いファインダー体験が得られる。
- 視線入力AFは2000年代初頭にフィルム一眼レフに存在した機能だ。当時のパフォーマンスは不十分で、いつしかなくなってしまったが、これがEOS R3で復活した。
- 視線入力AFを利用すると、黄色いブルズアイレティクルで表示され、視線を向けた先にレティクルが移動する。シャッターを半押しすることで、レティクルに近い物体にピントが合う。
- 視線入力AFは非常に薄い青い目や特定の目、眼鏡着用者などでパフォーマンスが低下する可能性があるとキヤノンは言及している。それでも、フィルム一眼レフの時代とは比べ物にならないほど優れている。はるかに信頼性が高く、幅広い用途に適している。
- 視線入力AFを一度使うと、他の手段でAFを操作するのが難しくなるだろう。
- EOS R5と同様にCFexpress Type BカードとSD UHS-IIカードのデュアルスロットだ。カードスロットのドアはガスケットで密閉されている。
- 他のプログレードカメラと同じく、有線LANに対応している。そしてバッテリーはEOS-1D X Mark IIIと同じEP-E19だ。当然ながらバッテリーライフは一眼レフよりも遥かに短い。
(訳注:標準EVF「440枚」・標準LCD「760枚」・省エネEVF「620枚」・省エネLCD「860枚」)- USB経由での給電に対応していないが、USB-PDでの充電には対応している。
(訳注:キヤノン公式サイトを見る限り「USB電源アダプターPD-E1」を使用した際は給電に対応していません。ただし、USB-PD対応のモバイルバッテリー経由なら給電可能と記載されています)
とのこと。
EOS Rシリーズとしては初となる縦位置グリップ一体型のハイアマチュアモデルですね。積層型CMOSセンサー・視線入力AF・被写体検出「スポーツカー」・上位モデル初のバリアングルモニタなどなど、見所の多いカメラに仕上がっています。
カメラサイズは確かにEOS R5と1D X Mark IIIの中間であり、グリップ一体型のカメラとしては小型軽量。一眼レフ時代の5Dとよく似た重量で携帯できるのは有難いですねえ。レンズも比較的小さくなっているので、システムサイズ全体で携帯性が高まっています。
コントロールレイアウトもEOS Rシリーズと1Dシリーズの良いとこどりとなっているように見えます。AFの操作方法が「視線入力」「スマートコントローラ」「マルチコントローラ」の3系統を用意しているのは凄い。ただし、タッチパッドAFには対応していませんグリップからモニタが離れているので当然と言えるかもしれませんが。
1Dシリーズから移行する際は右肩周辺のボタン操作に戸惑うかもしれませんが、それ以外はお馴染みのボタン配置となっているはず。
このタイプとしてはオリンパスOM-D E-M1X以来となるバリアングルモニタ搭載モデル。3Wayチルトモニタでも良かったような気もしますが、フレキがむき出しとならないバリアングルモニタのほうが耐候性・強度的に良好かもしれませんね(モニタを裏返して保護することも可能)。個人的に415万ドットの高解像パネルがどのような見え具合となるのか気になっています。210万ドットのEOS R5からすると2倍近い。
DPReviewでは触れていませんが、新型マルチアクセサリーシューも注目ポイントの一つ。ソニーのMiシューに続き、アクセサリのデジタル接続に対応しています。これにより、アクセサリへの電源供給やケーブル接続が不要となり、利便性や機能性の向上に繋がっています。外付けマイクやトランスミッターの設定をカメラのタッチパネルで操作できるのは凄いですねえ。さらにスマートフォンを接続することで5G回線と繋げることも出来るそうな。
価格はそれなりに高いものの、1D X Mark III(最安値?791,999スタート)と比べると安くなる可能性あり。EOS R3は本日2021年9月16日 10時から予約販売が始まります。さて初値はいくらかになるのやら。
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