DPReviewがライカ「M EV1」の初期レビューを公開。電子ファインダーのM型ライカは他社のミラーレスカメラと比べて優位性が無く、撮影体験としての魅力が欠けていると指摘。同誌としては驚くほど辛口な評価となっています。
DPReview:The Leica M EV1 is a rangefinderless M
特徴
- M EV1はレンジファインダーと光学ファインダーを廃止し、EVFを採用した点が最大の特徴である。
- これはMシリーズでは初ではなく、M1やMD系でもファインダーなしのモデルが存在した。
- EVFはQ3と同様の576万ドット・倍率0.76倍の新型で、21mmや24mmなどの広角にも正確に対応し、90mmの表示も十分である。
- 拡大ライブビューやフォーカスピーキングにより、従来のレンジファインダーよりも精密なピント合わせが可能になった。明るいレンズ使用時でも高い信頼性を発揮し、細かな調整を要しない点が利点である。
比較
- ライカは高級ブランドであるため、単純なスペック比較は難しい。
- ソニーα7CRは同等のセンサーを搭載し、Mマウントレンズを装着すれば類似の撮影体験が可能である。デザインや高級感は劣るが、実用面では遜色ない。
- α7R VやSL3と比較もできるが、サイズ的にも最も近い比較対象はα7CR。
- 実際に両者を直接比較する人は少ないだろうが、価格差に見合う価値があるかは疑問。オートフォーカス性能や機能面ではM EV1は明確な優位性を持たず、M11-Pやα7CRの方がM EV1にはない多くものを備えている。
ボディと操作性
- 外観はM11-Pとほぼ同じであるが、前面のファインダー窓とISOダイヤルが削除されている。おそらくEVFの搭載によるスペースの都合である。
- 本体の質感や重量感は従来通り高く、手にしっかり馴染む。
- Q3シリーズで好評だったメニューを採用しているが、「ライカ コンテンツ認証」機能が追加されたことで、設定画面に入るまでの手順が増えたのは使い勝手を損なっている。
バッテリー
- M11シリーズと同じBP-SCL7(13.3Wh)を採用。
- 撮影可能枚数はモニター使用時で約244枚、EVF使用時で約237枚とされる。
- 実使用ではこれより多く撮影できるが、300枚未満という数値は少なく、長時間の撮影には予備バッテリーや外部電源の携行が望ましい。
第一印象
- M EV1には、従来のレンジファインダーが持つ「撮影体験としての魅力」が欠けている。
- フォーカスピーキングは便利だが精度が安定せず、明るさや絞りによって表示が変動する。
- 6000万画素の解像度で正確なピント合わせには拡大ライブビューが必須であり、操作は遅く煩雑である。
- 被写体認識や高速フォーカス機能もなく、ピント位置を手動で移動する必要がある。レンジファインダーの直感的な操作感は失われ、単なるマニュアルフォーカス機。
- 一週間使ってみたが、レンジファインダーモデルの91%の値段を払ってまで、レンジファインダーでもない代物を買う意味がわからない。
- マニュアルフォーカスで撮るのに、他のミラーレスカメラと比べて特に優雅なわけでもない。
- 確かに造りは美しく赤い点もあるが、同じセンサーを搭載するソニーのα7CRなどと比べて、どれほどのメリットがあるのか疑問。
- M9で数分間撮影してみて、レンジファインダーを買う人がいる理由がわかった。
- M-EV1を数日間使ってみて、なぜこれを代わりに買う人がいるのか、まったく理解できない。
2025年11月に登場したライカMマウントのレンズ交換式カメラ。
中身はM11-P世代のライカMカメラですが、電子ファインダーのみを搭載。レンジファインダーを特徴とするM型ライカとしては珍しいデザイン。ファインダー使用時の視差がない、広角レンズやマクロ、望遠レンズとの相性が良いなどメリットもありますが、M型ライカの撮影体験とは一線を画すカメラとなっています。
販売価格はM11-Pよりも少し安いですが、電子ファインダーのM型ライカにそれほどの価値があるのかどうか悩ましいところ。(M11-Pでも必要であれば外付け電子ファインダーを装着可能)
他に特徴があるとすればカメラの重量。通常のM型ライカと比べると軽量化されています。薄いレンズを装着すれば、ポケッタブルなM型ライカとして活躍できる可能性あり。
DPReviewの初期レビューでは、同誌としてかなり辛口な評価となっています。レンジファインダーのないM型ライカは、他社のミラーレスカメラと撮影体験の差を感じにくくなった模様。とはいえ、カバーガラスの差もあるので「他社のミラーレスで十分」と言い切ることは出来ないかなと。
電子ファインダーながらM型ライカらしい撮影体験を用意しているのかと思いましたが、DPReviewのレビュワーはメリットを感じられなかったようです。ここまで辛辣な評価は珍しい。
(併せてThe Phoblographerのレビューなどを参考にすると良いかもしれません。)
- 発売日:2025年11月1日
- 予約開始:2025年10月24日(金)午前10時
- B&H:8,995ドル
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主な仕様
| イメージセンサー | タイプ:BSI CMOSセンサー 有効画素:6030万画素 ローパスフィルター無し |
| プロセッサー | Maestro III |
| ISO | 64-50000 |
| ストレージ | SD UHS-II 内蔵メモリ 64 GB |
| 被写体検出 | |
| シャッター | メカニカル:60分-1/4000秒 電子先幕:- 電子:60秒-1/16000秒 |
| フラッシュ同調速度 | 1/180秒 |
| 連続撮影速度 | 4.5 fps |
| ファインダー | 解像度:576万ドット 倍率:0.76倍 |
| モニター | サイズ:2.95型 解像度:234万ドット 可動方式:固定 |
| USB | USB 3.1 Gen1 Type-C |
| Wi-Fi | IEEE802.11 a/b/g/n/ac |
| Bluetooth | v5.0 |
| バッテリー | タイプ:7.4 V/容量:1800 mAh 撮影可能枚数:約244枚 |
| サイズ | 139×80×38mm |
| 重量 | 本体のみ:402 g バッテリー含:484 g |
| 外装 | 金属製(マグネシウム、アルミニウム) |
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