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シグマ 135mm F1.8 DG HSM | Art レンズレビューVol.5 ボケ編

シグマ「135mm F1.8 DG HSM」のレビュー第五弾 ボケ編を公開。球面収差の残る柔らかいボケ質からは程遠いですが、諸収差を抑えた綺麗な描写。

簡単なまとめ

高解像レンズらしく硬さのあるボケですが、2線ボケや玉ねぎボケ、極端な口径食などはありません。軸上色収差によるボケの色づきも目立たず、全体的に使い勝手の良い描写と言えるでしょう。コントラストの高い背景では騒がしい印象があるかもしれませんが、後処理やソフトフィルター・ブラックミストなどで緩和できる可能性あり。

The bokeh is hard, as you would expect from a high-resolution lens, but there is no double-line bokeh, onion bokeh, or extreme vignetting. The coloration of the bokeh caused by axial chromatic aberration is also not noticeable, and overall, it can be said that the lens has a good level of usability. It may look noisy in high-contrast backgrounds, but this can be mitigated through post-processing, the use of soft filters, or black mist.

135mm F1.8 DG HSMのレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

ニュートラルな描写で偏りは目立ちません。また、軸上色収差の影響はほとんど無し。前後で見比べると若干硬調。

前ボケ

後ボケよりも僅かに柔らかい描写。軸上色収差の影響はほとんどありません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

玉ボケの内側は滑らかで綺麗な描写。色収差の影響はほとんどありません。口径食はフレーム隅で若干の影響が見られるものの、過度ではありません。

F2.8まで絞ると口径食の影響はほぼ解消。玉ボケが若干角ばるものの、許容範囲内。

ボケ実写

至近距離では被写界深度が浅く、非常に大きなボケが得られます。背景は大きくボケているので、質感を過たることは出来ません。少し硬調と感じる程度。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。135mm F1.8らしく、全身ポートレートでも背景を十分にぼかすことが出来ます。柔らかい描写ではありませんが、綺麗なボケ。硬すぎると感じる場合はソフトフィルターやブラックミストなどを使うと改善する可能性あり。

まとめ

高解像レンズらしく硬さのあるボケですが、2線ボケや玉ねぎボケ、極端な口径食などはありません。軸上色収差によるボケの色づきも目立たず、全体的に使い勝手の良い描写と言えるでしょう。コントラストの高い背景では騒がしい印象があるかもしれませんが、後処理やソフトフィルター・ブラックミストなどで緩和できる可能性あり。

接近時は質感を議論するほど細部のボケ質は目立ちません。近接時の収差変動は少なく、球面収差による柔らかい描写は期待しないほうが良いでしょう。ここでもソフトフィルターやブラックミストが役に立つと思います。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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