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欠点を補って余りある汎用性と利便性|16-300mm F3.5-6.7 DC OS

Phototrendがシグマ「16-300mm F3.5-6.7 DC OS」ソニーEマウントのレビューを公開。解像性能のばらつき、色収差などの欠点を指摘しつつも、それを補って余りある汎用性と利便性が魅力と評価。

Phototrend:Test Sigma 16-300 mm F3,5-6,7 DC OS Contemporary : pour l’amour des mégazooms

  • 外観:レンズの仕上げは非常に優れている。ただし、ズームリングは非常に埃に弱い。SIGMAのロゴは新しいフォント。
  • 構造:最大絞りはF3.5-6.7と暗めで、ズームに応じて早く絞られる。焦点距離ごとの絞り値は以下のとおり。
    16~20mm:F3.5
    21~28mm:F4
    29~36mm:F4.5
    37~47mm:F5
    48~85mm:F5.6
    86~225mm:F6.3
    226~350mm:F6.7
  • 携帯性:全長約12cm、最大径7.5cmと、焦点距離を考えればコンパクトな部類。ズームにより300mm時には22cmまで伸びるが、これは許容範囲。重量は620gで、タムロン18-300mm F2.8と同じ。EOS R7との組み合わせでは全体重量は1.2kgで、携行性にも優れる。1日通して使用することでその真価を実感。
  • 操作性:ズームリングは使い込むと柔らかくなるが、初期状態では滑らかさに欠ける。自重落下を防ぐために鏡筒側面にロックスイッチを搭載。
  • AF:APS-Cレンズとして初めてHLAモーターを搭載、応答速度・精度・遅延のないフォーカスを実現。日中のAF性能は良好で、EOS R7との組み合わせでは被写体検出・追尾も良好だった。ただし、フルズーム時には信頼性に課題があり、動きが速い被写体ではAFが外れる場面もあった。開放F値が暗いため、低照度下でのAFは遅く、近距離・遠距離間の切替えに難がある。
  • MF:フォーカスリングは細いが、滑らかな操作が可能。フォーカスピーキングを併用すればMF操作は容易。AFや手ぶれ補正に関する物理スイッチはなく、調整はボディ側で行う。
  • 手ぶれ補正:光学手ぶれ補正(OS)は強力であり、ボディ内手ぶれ補正と組み合わせることで効果が向上。広角で最大6段分、望遠で4.5段分の補正効果がある。広角で1秒、ズーム時でも1/8秒程度の低速シャッター撮影が可能だった。
  • 解像性能:広角側で最も良好で、特に16mmでの中央画質は高く、F5.6〜F8で最良の結果。50mmでは開放からシャープであり、周辺部の均一性はやや不足。150mmでは中央がソフトで、絞っても周辺は改善しない。300mmでは若干の改善が見られるが、依然として絞っても改善しない。
  • マクロ:広角端では最短撮影距離17cm、70mmで1:2の撮影倍率となり、クローズアップ撮影に優れる。最大ズーム時には最短撮影距離が105cmまで延びる。近距離撮影時は各種収差が目立つ可能性がある。
  • 像面湾曲:記載なし
  • ボケ:玉ボケが美しく、背景の変化も滑らかで柔らかい。わずかに玉ねぎボケや隅の変形が見られる。
  • 軸上色収差:記載なし
  • 倍率色収差:16mmの周辺部でパープルフリンジが目立ち、補正が困難。ズーム全域でも周辺部に色収差が残るため、明確な弱点の一つ。
  • 球面収差:記載なし
  • 歪曲収差:ソフトウェア補正前提の設計。補正を無効にすると16mmで樽型歪曲が顕著に現れ、300mmでは無視できる程度の糸巻き型歪曲。
  • 周辺減光:絞り込んでも周辺光量は不足し、特に300mmで顕著。
  • コマ収差:記載なし
  • 逆光耐性: ゴーストは全く発生せず、フレアも強く抑制されている。
  • 光条:F11から美しい18本の光条が現れるが、それ以下では効果が弱い。
  • 作例集:リサイズ多数。
  • 総評:一眼レフ時代に人気を博した「高倍率ズーム」市場にシグマが復帰した。小型軽量ながら広い焦点距離をカバーし、日常撮影や旅行に非常に適している。AFの不安定さやシャープネスのばらつき、暗い開放F値など欠点もあるが、それを補って余りある汎用性と利便性。特にEOS Rマウントでは唯一の製品であり、富士フイルムXやソニーEマウント向けのタムロン18-300mm F3.5-6.3と並ぶ存在。自信をもって推薦できるレンズ。
  • 競合について:タムロン 18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD(ソニーE/富士フイルムXマウント)が競合する。Canon RFマウントでは唯一の製品。
  • 備考

2025年2月に発表されたAPS-Cミラーレス用の高倍率ズームレンズ。ミラーレス用の高倍率ズームとしては初となる18.8倍の光学倍率を実現。タムロン「18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD」よりも広角側の画角が広く、自由度の高いレンズとなっています。望遠側の開放F値はやや高め(F6.7)ですが、高倍率ズームでも16mmを使いたい人にとって貴重な選択肢となりそうです。

Phototrendのレビューでは、周辺画質が低下するとしつつも、望遠端で十分な性能を備えているようです。また、この種のズームレンズとしてはボケが綺麗な点を評価しています。AFや手振れ補正は効果的で、明るい日中屋外であれば良好な結果を期待できる模様。低照度ではパフォーマンスが低下するので、コンパクトな単焦点レンズなどを併せて携帯すると良いかもしれませんね。高倍率ズームを所有していない場合は真っ先に検討するレンズとなりそうです。

シグマ 16-300mm F3.5-6.7 DC OS|Contemporary 最新情報まとめ

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レンズの仕様

レンズマウント L マウント
ソニー E マウント
富士フイルム X マウント
キヤノンRFマウント
対応センサー APS-C
焦点距離 16-300mm
レンズ構成 14群20枚
(FLDガラス1枚、SLDガラス4枚、非球面レンズ4枚)
開放絞り F3.5-6.7
最小絞り F22-45
絞り羽根 9枚(円形絞り)
最短撮影距離 17cm(W)-105cm(T)
最大撮影倍率 1:2(焦点距離70mm時)
フィルター径 φ67mm
手振れ補正 搭載 OS2
テレコン -
コーティング 撥水防汚コート
サイズ L マウント:φ73.8mm x 121.4mm
ソニー E マウント:φ73.8mm x 123.4mm
富士フイルム X マウント:φ73.8mm x 123.7mm
キヤノンRFマウント:φ73.8mm x 121.4mm
重量 L マウント:615g
ソニー E マウント:615g
富士フイルム X マウント:615g
キヤノンRFマウント:625g
防塵防滴 防塵防滴構造
AF HLA
絞りリング -
その他のコントロール -
付属品 ・ポーチ
・レンズフード(LH706-03)
・フロントキャップ(LCF-67 IV)
・リアキャップ(LCR III)

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