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ソニー「α1」は幅広いプロフェッショナルが求めるレベルのカメラ

DPReviewが正式発表されたばかりのソニー「α1」について知っておくべきポイントをピックアップしています。解像性能・高速性・通信性能・機能性などなど、隙のない小型軽量なプロモデルに仕上がっている模様。

プロが求めるレベルのカメラ

DPReview:Sony a1: what you need to know about this powerful new full-frame flagship

  • α1はソニーの新しいフラッグモデルだ。スポーツ、報道、ネイチャー、ポートレート、商業写真に使用できるツールと主張している。これを実現するため、従来まで排他的だった「解像度」と「スピード」の組み合わせを実現したそうだ。
  • カメラの心臓部は当然ながら新型5000万画素センサーだ。α9やα9 IIと同じ積層型CMOSを採用して高速読み出しに対応している。
  • センサー背面に組み込まれたDRAMに加え、フォトダイオードとDRAMの間に「新しいA/D高速処理回路」を備えていると言われている。残念ながら、この技術について追加情報は得られなかった。
  • おそらく、最も印象的な機能は「1/200秒未満のセンサー読み出し速度」だ。これは、α9よりも読み取り量が1.44倍にも関わらず、α9よりも1.5倍高速であることを意味している。
  • センサーがデュアルゲイン設計であるか言及されていないが、「ISO 4000のS-logで優れたパフォーマンスを発揮する」と述べている。このため、2つ目のゲイン回路があることを強く示している。
  • α1は圧縮RAW時に30fpsの連写速度を利用できる。ロスレス圧縮RAWや非圧縮RAWでは連写速度が20fpsまで低下する。
  • メカニカルシャッターは最高で10fpsの連写速度だ。
  • 毎秒30コマ秒の連写が必要なものの、必ずしも5000万画素のデータが必要なければ、5000万画素のデータからオーバーサンプリングされた2100万画素のJPEG・HEIF出力モードがある。
  • HEIF出力は4:2:2または4:2:0を選んで撮影可能だ。
  • α1はロスレス圧縮RAWに対応した最初のソニー製カメラだ。ご想像の通り、ファイルサイズは非圧縮RAWよりも小さくなるが、潜在的な柔軟性は損なわれていない。これは従来の圧縮RAWとは異なるものだ。
  • ロスレス圧縮RAWは状況に応じて非圧縮RAWよりも20?50%小さいファイルサイズとなるはずだ。これは圧縮RAWと遜色のない圧縮率である。ロスレス圧縮RAWを使用すると連写速度の最大値が30fpsから20fpsまで低下するが、連続撮影枚数は82枚から96枚まで向上する。
  • ロスレス圧縮RAWは古いプロセッサのカメラで実装できるかどうかは言及されていない。
  • より高速な電子シャッターの読み取り速度は、アクション写真のローリングシャッター歪みを低減するのみならず、1/200秒のシャッター速度でフラッシュの撮影に対応している。APS-Cモードでは1/300秒まで向上する。
    これで不十分な場合はメカニカルシャッターで最大1/400秒、Super35で1/500秒に対応している。
  • シンクロソケット利用時は上記の最高速を利用できない点をソニーが注意している。最速同期はマルチシューを介した高速通信が必要だ。
  • センサー読み取り速度が向上したことで、従来のメカニカルシャッターに十分近い性能となった。このため、人工照明にバンディングのリスクを最小限に抑えることが出来る。
  • ただし、メカニカルシャッターと同様にフリッカーで露出が不安定となる可能性がある。これに対応するため、アンチフリッカー機能を搭載している。
    それでも対応できない場合はシャッター速度を微調整してフリッカーの影響を回避することが可能だ。
  • α9 IIの追従AF性能も見事だが、α1はさらに改善されていると言われている。顕著な違いは鳥のリアルタイム瞳AFだ。人間や動物と同じく、機械学習によってトレーニングしたアルゴリズムを使用している。
  • さらに高速読み出しと処理能力の向上は、全ての機能がより高速かつ頻繁に処理されていることを意味している。α1は毎秒120秒のAE/AFの演算処理を実施しており、これはα9 IIの2倍である。
  • ソニーによるとノイズリダクションが改善されたことで、少ない光情報でもAFが動作可能となっている。これによりF22までのAFに対応した。
  • 興味深いことに、APS-Cモードでも759点の位相差AFを利用できると言われている。これはFEレンズを使用する場合のみ可能だが、動作原理は説明されていない。
  • ファインダーはα7S IIIと同じ944万ドットのOLEDファインダーだ。最大で2048×1536の解像度が得られ、120fpsの高速フレームレートを利用可能だ。
  • ファインダーは240fpsの超高速フレームレートに対応しているが、その際は解像度が1600×1200まで低下すると述べている。これは他のカメラで576万ドットに匹敵する解像度だ。
  • ファインダーには0.9倍(41°の画角)と25mmのアイポイントとなるモードと、画角を33°まで狭くしてアイポイントを33mmまで長くするモードがある。240fpsの場合は自動的にズームアウトモードに切り替わる。
  • ファインダーにはフレームレート下限設定が可能であり、遅いシャッタースピードでもファインダーの応答性を維持することが可能だ。1/60秒よりも遅いシャッタースピードでも60fpsのフレームレートで駆動し続ける。
  • 5000万画素センサーにより、8K動画に対応した。民生用カメラで8Kに対応するカメラはこれで2台目だ。ソニーはキヤノンと異なるアプローチを採用し、8640×4860のフル画角から7680×4320の8K出力へダウンサンプリングしている。アスペクト比が16:9であることに注目したい。
  • 8Kは最大で30p 4:2:0 10Bit XAVC HSとして録画可能だ。最高品質の400MbpsフッテージはV90定格のSD UHS-IIに書き込み可能だが、V60にも対応する200Mbpsの選択肢も用意されている。8KのためにCFexpresへ投資する必要は無い。
  • 8KはHDMI出力も可能だが、この際は4:2:0 8Bitまでだ。
  • α7S IIIと同じ放熱構造を採用している。α7R IVと比べると5倍も効果的に放熱が可能だ。温度管理設定を下げることで30分以上の8K撮影が可能である。
  • α9やα9 IIと異なりS-log2や3を使用して真の10Bit HLG撮影が可能だ。さらにS-cinetoneルックで撮影もできる。S-log3では15EVのダイナミックレンジで撮影可能だ。
  • 4K動画は8Kからのオーバーサンプリングに対応していない。その代わりにフル画角で最大60p、×1.1クロップで最大120pのピクセルビニング4Kに対応している。この際は最大で4:2:2 10bitで記録可能だ。
  • 4K動画ではアクティブ電子手ぶれ補正を使用することも出来る。ボディ内手ぶれ補正に加えて電子手ぶれ補正を連携させる。これは8K動画撮影では利用できない。
    カメラのジャイロセンサーの情報をメタデータとして組み込み、編集中に効果的な手ぶれ補正効果を得ることが出来る。
  • オーバーサンプリング4KはSuper35モードで5.8Kのデータを利用する。XAVC HS・XAVC S-Iを利用可能だ。
  • これまでのソニー機と同じく、ピクセルシフトマルチショットに対応している。4枚の合成でデモザイク処理を回避するモードと16枚の合成で画素数を4倍にするモードがある。どちらの場合も合成には専用ソフトが必要だ。
  • α1は高速電子シャッターにより撮影時間が短縮し、ブレの影響を軽減するのに役立つ。さらにフラッシュを撮影できるマルチショットはα1が初めてだ。
  • プロユースを期待しているため、カメラの接続性は非常に重視していると述べている。テザリング撮影はUSB・イーサネット・無線通信から選択可能だ。
  • Wi-Fiはデュアルバンドの2.4GHz・5GHzを使用する。5GHz帯域でMIMO技術を使えばα9 IIよりも3.5倍高速なFTP転送が可能である。
  • 10Gb/sUSBに対応する最初のカメラだ。これにより1000BASE-Tよりも約10倍高速な通信が可能である。
  • カメラの操作性はα7S IIIやα9 IIと共通している部分が多い。グリップやダイヤル、ボタンレイアウトはα7S IIIと似ている。
  • 最新メニューシステムはバッファクリア時に機能がロックされる可能性が低いことを意味している。そして、従来機よりも幅広いタッチ操作に対応している。Fnメニューもタッチ操作可能だ。
  • α7S IIIと異なりバリアングルモニタではない。モニタは比較的低解像な144万ドットである。
  • カメラは電源オフ時シャッター幕を下ろしてセンサーを保護する機能がある。これら物理的な特性はα7S IIIから継承されている。
  • NP-FZ100バッテリーを使用しており、背面モニタ使用時は530枚、EVF使用時は430枚の撮影が可能だ。とは言え、30コマ秒の連写撮影で14秒しかカメラが持続しないことを意味しているわけではない。
  • USB PD経由でカメラの給電や充電が可能だ。給電中はバッテリーの充電に対応していない。
  • バッテリーグリップは既存のVG-C4EMに対応している。

どのように見ても、α1は技術的に見事なカメラだ。スペックに見合う見事な価格設定である。しかし、少なくともスペックシート上では、スポーツカメラのスピードと風景カメラの解像度、そして幅広い役割を果たすために必要な機能(ロスレス圧縮RAW、オーバーサンプリングされた10Bit 8K、高速転送など)を兼ね備えており、幅広いプロフェッショナルが求めるレベルのカメラとなっている。

とのこと。
これまでで最も高価なEマウントカメラとなりましたが、従来のα7シリーズが融合したようなスペックの凄いカメラに仕上がっていますね。全ての機能を万遍なく活用できる人は少ないかもしれませんが、一般的なアマチュアユースでも積層型5000万画素CMOSセンサーは魅力的ですね。秒間120回のAF/AE演算や240fps駆動のファインダーの使い勝手も気になるところ。

電子シャッター幕速の高速化で人工照明のバンディングが抑えられているのは凄い。電子シャッターで1/200秒のフラッシュ撮影に対応しているのも前代未聞ですねえ。カメラのアクセサリシューを使う必要があるので活用できる環境は限られるかもしれませんが…。

8K動画撮影で発熱を抑えているのも人によっては注目ポイントのはず。発熱でシャットダウンしやすいキヤノン「EOS R5」と比べて放熱性能が優れているのか、プロセッサなどの発熱が少ないのか気になるところですねえ。SDカードの内部記録にも対応しているので、より実用的な8K動画カメラと言えそうです。

20?30コマ秒の5000万画素連写でCFexpres Aカードが力不足のように見えるのは気になるポイント。より高速書き込みに対応しているCFexpres Bを採用しても良かったのでは、と思うのですが…ボディサイズを考慮するとAタイプにせざるを得なかったのでしょうか?
プロユースを考慮すると尖ったバッファ性能よりもデュアルSD UHS-II/CFexpres Aの利便性を重視したのかもしれません。

ソニー「α1 ILCE-1」最新情報まとめページ

  • 3月19日発売予定
  • 2021年2月2日(火)10時より予約販売開始予定
  • 店頭予想価格 税込90万円前後
α1 ILCE-1
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