Lenstipが「AF 35-150mm F2-2.8」のレビューを公開。タムロン比で勝るとも劣らない性能を持つものの、AF性能やビルドクオリティ、逆光耐性の点で劣ると言及。とはいえ、コストパフォーマンスは良好で、アマチュア向けの魅力的な選択肢になるとのこと。
Lenstip:Samyang AF 35-150 mm F2-2.8 FE
- 外観:
記載なし。- 構造:
記載なし。- 携帯性:
タムロンと同様のパラメータを持ち、寸法が非常に似ているが、重量はわずかに重い。- 操作性:
記載なし。- AF:
STMを搭載し、静音でスムーズな動作を実現。ノイズは問題にならないが、旧型のα7R IIIaではオートフォーカスの挙動に不安定さが見られた。特に時折フリーズが発生し、フォーカス方向を見失う問題があった。
一方、新型α7R Vではこの問題はほとんど発生せず、速度も安定していた。ただし、全体的な精度は不十分で、特に15%程度のミスが確認された。タムロン製レンズに比べて精度と信頼性が劣る。- MF:
ブリージングは35mmで約1%、150mmで約4.5%。いずれも低いレベルに抑えられており、実用上問題ない。ただし、ライバルのタムロンはさらに良好な性能を発揮している。- 手ぶれ補正:
記載なし。- 解像性能:
焦点距離35mmでは非常に優れた性能を発揮し、最大相対絞りで66 lpmm、絞ると80 lpmm付近に到達する。焦点距離が長くなるにつれ性能は低下するが、70mmでは依然として良好な結果を示す。
一方で105mmや150mmではタムロンが優勢。特にフルフレームセンサーの端や最大焦点距離での性能差が顕著で、タムロンが勝る場合が多い。全体としてはB+の評価。- 像面湾曲:
記載なし。- ボケ:
自然な描写が得られるが、非球面レンズによる玉ねぎボケがわずかに見られる。2段絞った場合でも口径食が残る点には注意が必要。- 軸上色収差:
優れた補正でほとんど問題はない。わずかな色づきが見られる程度で、実用上気になるレベルではない。- 倍率色収差:
35mmや70mmでは良好な結果だが、150mmでは横色収差が最大0.12%に達し、顕著な値となる。タムロンが全体的に優れており、特にフレーム端では明確な差がある。- 球面収差:
絞りを1段絞ると被写界深度がわずかに遠方へシフトする。明るい縁や不均一な描写が確認され、完全な補正には至っていないが、タムロンと同等の性能といえる。- 歪曲収差:
35mmで-0.38%と知覚できないレベル。焦点距離が伸びると糸巻き型へ移行し、70mmで+1.45%、150mmで+1.31%に達するが、ライバルのタムロンより良好な補正が行われている。歪曲の制御に成功している点は高く評価できる。- 周辺減光:
35mmで最大相対絞り時に-3.07EV (-65%)と非常に大きい。絞ってもF2.8で-1.77EV、F4.0で-1.09EVに留まる。焦点距離が長くなると周辺減光は軽減されるが、タムロンと同等のレベルに収まる。- コマ収差:
コマ収差の補正は完璧ではない。APS-Cセンサーの隅でもわずかな歪みが見られ、フルサイズの隅ではその歪みがさらに顕著になる。すべての焦点距離で確認できるが、非常に高いレベルに達することはなく、中間レベルで収まっている。不満を言うべき深刻な理由はないが、タムロンに劣る。- 逆光耐性:
複雑な光学設計の影響により、明るい光源に対する耐性は課題が残る。特に焦点距離が長い側では、フレアが非常に厄介で、場合によっては撮影全体に悪影響を及ぼす。逆光性能においてはタムロンに明らかに劣る。- 光条:
記載なし。- 作例集:
高解像データあり。- 総評:
タムロンとの比較を避けることはできない。サムヤンは価格を約1,400ドルに抑えつつ、解像性能などの多くの項目でTamronと互角に競り合うレンズを提供している。ただし、ビルドクオリティやフォーカス性能、逆光耐性で劣る。
タムロンがプロフェッショナルな完成度を誇るのに対し、サムヤンのフォーカス機構はやや予測しづらく、全体的にアマチュア向けの印象を与える。それでもコストパフォーマンスは高く、コストを抑えながらも高性能なレンズを求めるユーザーにとって魅力的な選択肢である。
結果的にタムロンがわずかに優勢ではあるが、サムヤンもその合理的な価格設定と性能によって独自の市場を確立できる可能性を持つ。
サムヤンで「AF 24-70mm F2.8 FE」に続く2本目のズームレンズ。35mmから150mmを利用可能な珍しいズーム域で、「F2-2.8」の大口径をカバーしています。タムロン「35-150mm F2-2.8 Di III VXD」と直接競合する製品。
サムヤンAFシリーズの中では高価なレンズで、日本国内での流通価格はタムロンとほとんど差がありません。ただし、他の国ではタムロンよりも手ごろな価格で入手できる場合が多く、この点で国内と評価に食い違いがある可能性あり。
AF性能やケーブル経由のカスタマイズに対応している点でタムロンのほうが使い勝手が良好。しかし、フォーカスブリージングやパーフォーカルを重視するならサムヤンを選ぶのもありかもしれません。
Lenstipのレビューでは、タムロン比で優れている点・劣る点がそれぞれある模様。AF性能の観点からプロ向けにはタムロンが優れているとしつつ、コストパフォーマンスではサムヤンが魅力的となっています。ただし、価格差の少ない日本国内ではタムロン有利と言えそうです。
サムヤン AF 35-150mm F2-2.8 FE 最新情報まとめ
AF 35-150mm F2-2.8 FE | |||
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レンズの仕様
レンズの仕様 | |||
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発売日 | 2023年4月6日 | 初値 | 164,700円 |
マウント | E | 最短撮影距離 | 0.33m |
フォーマット | フルサイズ | 最大撮影倍率 | 0.175-0.18倍 |
焦点距離 | 35-150mm | フィルター径 | 82mm |
レンズ構成 | 18群21枚 | 手ぶれ補正 | - |
開放絞り | F2-2.8 | テレコン | - |
最小絞り | F16-F22 | コーティング | UMC |
絞り羽根 | 9枚 | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | φ×157mm | 防塵防滴 | 対応 |
重量 | 1224g | AF | STM |
その他 | |||
付属品 | |||
レンズフード・ポーチ |
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