DXOMARKがキヤノン「EOS R3」のレビューを公開。総合スコアはキヤノンセンサーで最も高く、低照度ISO性能はあのα7 IIIを打ち負かし、α1やα9 IIよりも良好となっている模様。初の積層型CMOSセンサーですが非常に良好な性能のようですね。
DXOMARK:Canon EOS R3 Sensor review: Best low light performer
総合 色深度
(bits)DR
(Evs)低照度ISO
(ISO)R3 96 25 14.7 4086 α1 98 25.9 14.5 3163 R5 95 25.3 14.6 3042 α9 II 93 25.0 14.0 3434 1DX3 91 24.2 14.5 3248 R6 90 24.2 14.3 3394 EOS R3は、DXOMARKのセンサースコアで96点という高い評価を得た。これまでのキヤノンのセンサーランキングにおいて画質面で抜きん出ている。「EOS R5」の4500万画素にもわずかな差(95点)で勝っている。さらに、市場で最も近いライバルである2400万画素のソニー「α9 II」のセンサーランキング(93ポイント)をも上回っている。
ネイティブISO感度で25bitという優れた最大色深度と、15stops(14.7EV)に迫るダイナミックレンジを実現している。この新しい積層型CMOSセンサーは、色深度、ダイナミックレンジ、低照度ISOでも、非常に優れた結果を示している。実際、ISO 4086の数値は、すべてのフルサイズモデルの中でキヤノンの新型センサーが第1位であり、次点のソニーα7 IIIのISO 3730にわずかに優れ(+0.13EV)、ソニーα9 IIのISO 3434にも勝っている。
徹底比較
- 本機は報道、スポーツ、野生動物写真家向けのカメラなので、現在のデジタル一眼レフのフラッグシップ機であるEOS-1DX Mark IIIと比較してみた。
- EOS R3の直接のライバルである2019年発売の2400万画素のソニーα9 IIとも比較すべきかもしれない。しかし、EOS R3は必然的に新型のソニーα1と比較されることになる。
- ソニーα1は、同じように高度なAFシステムを搭載した5000万画素のカメラで、同じく「積層型」CMOSを採用している。EOS R3のようにロスレスRAWで30コマ秒連写は出来ないが、圧縮RAWでそれを実現している。
ポートレート(色深度)
- EOS R3は、EOS-1DX Mark IIIと比較して、特に低ISOでの色感度に強い反応を示している。
- ただし、メーカー設定のISO51,200と102,400では、それぞれ0.4bit、0.3bit下回っている。とは言えISO感度の大部分でEOS-1DX Mark IIを上回っている。
- 同じ積層型CMOSを採用しているソニーα1に対して、キヤノンEOS R3は、ISO100で0.9bit、ISO200で0.5bit、ISO800で0.8bitと、やや低めのレスポンスとなっている。
- しかし、R3はISO400でソニーα1よりも高い値を示し、さらに1600?12800では全体的に高い値を示している。これは、EOS R3がソニーα1よりも一般的な高感度性能に調整されていることを示しているようだ。
- EOS R3は、ISO1600に設定すると高品質の範囲(20bitのしきい値以上)に容易に入ることができ、ISO25,600に設定すると許容範囲(14bit以上)にわずかに入ることができる。
風景(ダイナミックレンジ)
- EOS R3は、ISO100において、ソニーα1や兄弟機であるEOS-1DX Mark IIIよりもわずかにダイナミックレンジが広くなっている。どしかし、ちらも0.2EV以下のわずかな差で、ISO200ではEOS R3とα1はほぼ同じで、どちらのミラーレスモデルも1D X Mark IIIにわずかに遅れをとっている。
- しかし、ISO 400になると、両者の戦略にわずかな違いが見られ、キヤノンの2機種はソニーα1よりも早い段階でセンサーゲインが増加している。
- ソニーα1は、ISO800で同様にセンサーゲインが上昇し、EOS R3よりも約+0.7EV上昇している。しかし、EOS-1D Mark IIIの約13段分のDRにはまだ及ばない。
- 興味深いのは、EOS R3が低?中程度のISOで意図的に2回ゲインを上げているように見える点で、ソニーの1回とMark IIIのより一貫した緩やかな減少と同じではない。その結果、EOS R3のDRは、ISO200とISO400で13.5段、ISO800とISO1600では12段強と安定している。
スポーツ(低照度のISO)
- EOS R3は、これまで見てきたフルサイズカメラの中で最高の低照度性能を持っており、30dBでの出力は、ソニーα1やEOS-1DX Mark IIIよりも+0.3EV以上綺麗だ。
- フルサイズセンサーを搭載したカメラでは、ソニーα7 IIIが最も近く、EOS R3との差はわずか-0.13EVだ。最もノイズの少ないデータベース上の最高のセンサーであるペンタックス645Zでさえ、EOS R3よりわずかに優れているだけだ(+0.14 Ev)。
結論
既存の最上位機種である「1」シリーズと人気の高い「5」シリーズの中間に位置する、縦位置グリップを内蔵したプロ向けの「3」シリーズが登場したことには、少々戸惑いを覚える。キヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS-1DX Mark III」が担っていた役割を、この新モデルが担うことになるからだ。
最上位機種「EOS R1」がどのような形で登場するかは見守る必要があるものの、EOS R3は対象となる市場にとって魅力的な候補であることは間違いない。低・中・高感度で優れたダイナミックレンジを実現しているだけでなく、当社のデータベースに登録されているフルサイズカメラの中で最も優れた低照度性能を備えている。EOS R3は、EOS-1DX Mark IIIのユーザーがCanonのミラーレスRFシステムに移行する際に非常に魅力的な選択肢となり、また、Canonブランドに初めて触れる写真家にとっても確かな選択肢となるだろう。
とのこと。
30コマ秒の高速連写を実現しつつ、過去最高の低照度性能や高性能なダイナミックレンジ、色深度に対応している模様。ダイナミックレンジや色深度のピークはベストと言えませんが、常用する少し高めの高感度域ではとても良好な性能を発揮するようですね。他のレビューでダイナミックレンジが狭いと言った意見もありましたが、そうでは無いのかもしれません。4500万画素の高解像が必要無ければ、EOS R3で風景写真を撮るのも全く問題無さそうです。
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