Mobile01がキヤノン「EOS R3」のレビューを公開。視線入力AFは「人とカメラが一体化したような操作性を得られる」と高く評価し、高感度ISOや動画の画質も良好であると言及しています。
Mobile01:Canon EOS R3 評測報告|展現真實力 準機皇の逆襲!
ビルド・外観:
- マグネシウム合金ボディに防塵防滴仕様だ。
- ?電源をオフにするとメカニカルシャッターが閉じてイメージセンサーを保護する仕組みだ。
- 自社開発の積層型CMOSセンサーと、EOS R3に最適化したDIGIC Xプロセッサを搭載している。
- 大容量のLP-E19バッテリーを使用する。実写では3384枚の撮影を行った後に39%の残量があった。モバイルバッテリーによる充電速度には限りがあるので、必要であれば予備バッテリーの購入をおススメする。
携帯性:
- マグネシウム合金ボディだが1DX3よりも30%軽量化され、サイズも15%小型化している。
グリップ:
- 記載なし。
操作性:
- レンズリリースボタンの周囲が他の機種比べてくぼんでいる。このデザインにより、リリースボタンの誤操作を防いでいるのだろう。
- 電源スイッチは伝統的な配置を維持している。
- 左肩にはフォーカスや測光などの機能にアクセスするボタンを搭載しているが、背面のタッチパネルでも効果的な操作が可能だ。
- 専用のフォーカス・測光ボタンを押したときに連動するサブモニタはEOS R3独自のデザインだ。ダイヤルの前後に対応した適切な項目が表示される。
- ボタンのバックライトは低照度でのカメラ操作に役立つ。
- スマートコントローラをEOS R3も搭載している。ボタン上をスライドすることでフォーカスポイントを素早く操作可能だ。赤外線センサーなので、手袋を装着した状態でも滑らかに動作する。
手ぶれ補正:
- 記載なし
ファインダー:
- 0.76倍の0.5型576万ドットOLEDファインダーを搭載。
- 長時間の使用で目の疲れを防ぐため、OVFアシストモードを搭載している。一眼レフカメラのような見栄えのファインダー像を再現している。
モニター:
- このクラスで唯一バリアングルモニタを搭載したカメラだ。
- 3.2型の415万ドットと非常に優れたパーツを使用している。
- 従来通り、タッチ操作は滑らかで応答性が良い。
メニューシステム:
- 記載なし
オートフォーカス:
- 視線入力AFは使用前に校正が必要だ。校正データは6スロットに保存可能で、メモリカードにデータの出し入れも可能である。
- 視線入力AFは誤差を含めて被写体認識AFとの併用がおススメだ。複数の被写体が存在する場面でも、ほぼ確実に撮影が可能である。
- HDMI出力モードでは視線入力AFが強制的にオフとなるのは残念だ。つまりAFの状態を他の人が確認することは出来ない。EOS R3を手に取る機会があれば、視線入力AFは体験しておくべきだ。遅延ゼロ近い瞬間的な応答性は本当に素晴らしい。
- デュアルピクセルCMOS AF IIと積層型CMOSセンサーの組み合わせにより、-7.5EVまで対応したオートフォーカスを実装している。プロユーザーが最も信頼できるカメラに仕上がっていると思う。
- 「オートエリア・AIサーボ・30fps・車両認識」の組み合わせで被写体をしっかりと保持できた。基本的に誰でも撮れると思う。
- 「オートエリア・AIサーボ・30fps・動物認識」の組み合わせで飛翔中の鳶を撮影した。成功率は少なくとも95%だが、レンズ本来のシャープネスを再現するのは難しい。
- サッカーの試合で、被写体の前に遮蔽物があったとしても基本的に影響はあまり無い。
連写性能:
- 従来、EOS Rシリーズの最速シャッタースピードは1/8000秒だった。EOS R3もメカシャッターは1/8000秒だが、電子シャッター時は1/64000秒の撮影が可能となっている。
- 高速シャッターにより、日中でF1.2レンズが使いやすくなっている。
- 電子シャッター時でも1/180秒のフラッシュ同調が可能だ。AEが必要な場合は15fpsまで低下するが、AE固定であれば20fpsでの撮影が可能だ。問題はフラッシュが20fpsに耐えられるかどうかだ。
- ローリングシャッターの影響はEOS R5と比較して良く抑えられている。
- 連写速度は最大で30コマ秒だ。コマ数が多いほど成功する確率は高くなるが、撮影後のデータを確認するのが本当に大変だった。
高感度ISOノイズ:
- ISO 3200でも画質はとても良好だ。
- 個人的に許容範囲はISO 12800までである。
- 夜間のスポーツ撮影で、画質はとても良好だ。ISO 12800でも許容範囲内である。
ダイナミックレンジ:
- 日中にISO 100固定で露出補正を+2までなら白飛びを抑えることが出来る。+3EVは真っ白だ。
- -3EVからの復元は少しノイズが発生する。
仕上がり機能:
- 記載なし
動画:
- 6K 60p RAWは512GBで24分しか撮影できない。情報量は驚くべきものだ。
- 6KモードはRAWのみで、MP4での撮影が出来ないのは残念だ。6Kモードは手ぶれ補正に対応していない。
- 動画撮影時でも瞳検出や被写体認識が可能だ。
- 6Kオーバーサンプリングの4K動画の撮影が可能で、最大フレームレートは60fpsだ。120fps時は非オーバーサンプリングとなる。
- 動画撮影中にローリングシャッターの影響は見られなかった。
- HDR PQモードをオンにすると、ハイライトを強制的に優先するようになる。
インターフェース:
- 新型ホットシューを搭載しており、専用マイクのデジタル接続が可能だ。
- メモリーカードはCFexpress BとSD UHS-IIのそれぞれに対応したデュアルスロットだ。
- CFexpress B使用時に6K 60p RAWを使用すると、メモリーカードとボディが熱を持つ。この際、メモリーカード取り出し時に火傷しないように気を付けて欲しい。また、SD UHS-IIに6K RAWを記録することは出来ない。
- マイク・ヘッドホンジャックを搭載している。
- USB-Cポート経由で充電することが可能だが、USB-PD対応機器が必要だ。
- HDMIは従来通りマイクロに対応している。対応するコネクタは耐久性が低く、少し残念な仕様だ。
総評
初めて「視線入力AF」機能を体験したが、人間とカメラが一体化したような体験ができる。1/64,000秒の高速電子シャッターは、「歪み」を気にする必要がなく、歪み率はとても低い。バットやポールを振る際のぎこちなさがなくなるだろう。電子シャッターでもAEなしで20fpsのフラッシュ同調が可能だ。スタジオ環境下ならばAEの必要性も低いので、あとはスタジオの照明設備次第だ。
4K 60pの画質は疑う余地もなく、6Kスーパーサンプリングによって達成されたディテールのレベルは誰の目にも明らかだ。しかし、上級者にとっては、6K RAWの方がダイナミックレンジが広く、6Kを4Kにダウンスケールした場合には、ソフトウェアを介して電子手ぶれ補正を使うことも可能だ。そして、ポストクロップやズーム効果を得ることもできる。
EOS R3は、2400万画素で十分な方には検討に値する新世代モデルである。
長所:
- 縦位置グリップ一体型のマグネシウム合金ボディ
- 1DX3と同じ水準の防塵防滴
- 毎秒30コマの電子シャッター連写
- メカニカルシャッターでの12コマ秒連写
- 1/180秒で電子シャッターのフラッシュ同調撮影が可能
(AEオン15fps・AEオフ20fps)- 1/64000秒の高速シャッターに対応
- 視線入力AF
- スマートコントローラ
- 被写体検出AF
- 5軸5.5段のボディ内手ぶれ補正
- 6K 60p RAW
- 3.2型 415万ドットのバリアングルモニタ
- 576万ドット OLEDファインダー
・OVFアシスト対応短所:
- バリアングルモニタがUSB-CやHDMIと干渉する
- フルサイズHDMIではない
- 富士フイルムやリコーのような仕上がりが欲しい
とのこと。
参考となる作例が大量に掲載されているので、実際にレビューページで目を通してみるのがおススメ。2400万画素と適度な解像性能であり、ソニーα1やニコンZ 9と比べると低解像ですが、30fpsまでRAWの画質制限などを気にせず使えるのは便利ですね。(電子シャッター時にシャドウのノイズが少し増えるらしいですが)
ISO感度ノイズは確かに12800くらいまで許容範囲内に見え、ISO 25600あたりから好みが分かれる画質となりそう。
被写体検出AFに加えて視線入力に対応したEOS R3の快適さは実際に使ってみないことには分かりませんが、今のところ肯定的な意見ばかりであり、Mobile01も非常に高く評価しています。「人とカメラが一体化している」とまで感じる撮影体験が得られるようです。状況に合わせてキャリブレーションの必要性があるものの、定点から撮影する場合は画期的な操作性を期待できそう。1DX3と同じスマートコントローラを搭載しているので、従来の使い方でも問題無い模様。
Mobile01は様々な被写体でテストしており、GIF動画を確認する限りでは非常に安定して被写体を追従しているように見えます。特に被写体検出と組み合わせることが出来る撮影では強力なカメラとなりそうですねえ。
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