Xitekがキヤノン「EOS R3」のレビューを公開。操作性のレビューはイマイチですが、高感度ISOやダイナミックレンジ、AFなどの実写テストを掲載。特に検出系のフォーカスシステムが大幅進化しているとのこと。
ビルド・外観:
- キヤノン初となる縦位置グリップ一体型デザインのミラーレスカメラだ。
- LP-E19バッテリーを使用する。
- 新開発の2410万画素 積層型CMOSセンサーを搭載。高性能で、裏面照射デザインにより高感度ISOのパフォーマンスも優れている。
携帯性:
- サイズはEOS R5よりも大きい。
- RF70-200mm F2.8と組み合わせると、軽量なプロスポーツ撮影のセットを組むことが出来る。
グリップ:
- 大きなカメラだが、グリップはEOS R5よりも遥かに良好だ。
- 特に縦位置時の操作感が大幅に向上している。
- ファインダーのプリズムやクイックリターンミラーが無いので、1D X Mark IIIよりもサイズダウンしている。
操作性:
- 一眼レフの1DX系とR系のコントロールレイアウトが組み合わさっている。
- 前面はEOS-1D X Mark IIIとほぼ同じだ。
- 上部のコントロールレイアウトはEOS R5と似ているが、左肩は1D Xスタイルである。
- 背面のボタンレイアウトは1D X Mark IIIに近い。
- AF-ONボタンの赤外線コントローラーは1D X IIIから継承している。感度も調整可能である。
- 豊富なボタンカスタマイズに対応している。動画撮影時の設定を分けることが可能だ。
インターフェース:
- マイク・ヘッドホン・フラッシュ同調・USB-C・HDMI D・RJ45ポートを搭載している。
- デュアルカードスロットは片方がCFexpress TypeB、もう片方でSDカードを利用できる。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
ファインダー:
- 高解像の大型ビューファインダーを搭載。
- 0.5型の576万ドットの解像度に対応し、リフレッシュレートは最大で120fpsである。
モニター:
- 記載なし。
メニューシステム:
- 引き続きキヤノンらしいメニューシステムを継承している。キヤノンユーザーであればお馴染みのメニューであり、初心者でも素早く習熟できると思う。
- 最も一般的なフォーカス、ドライブ、ファイル形式、測光、ホワイトバランスなどをまとめたQメニューも利用可能だ。
- タッチパネルを使った操作も有効だ。
オートフォーカス:
- デュアルピクセル方式の位相差検出AFに対応している。
- カバーエリアは100%×100%だ。フレーム上のどこに被写体を配置してもAFを利用できる。
- 「EOS iTR AF X」システムにより、被写体を自動的に検出し、追従を開始できる。人物や動物を検出できるほか、初めて車両の検出にも対応した。
- AFフレームは8種類用意されている。
- 瞳検出の検出率は比較的良好だ。小さな顔でも側面でも反応する。フレームアウトからの再復帰も高速だ。マスクをして中距離まで離れると瞳を検出せず頭部検出に切り替わる。
- 車両検出をオンにすると。車を検出できるが、オートバイの認識率は高くない。複数の車が重なり合うシーンでも良好な追従状態である。
- 動物検出は猫や犬以外でも認識できる。
- 視線入力AFはフィルム一眼レフの時代に試みがあったテクノロジーだ。それが29年の時を経てEOS R3に実装された。古いテクノロジーと異なり、認識率と制御感度の点で大幅に改善されている。カメラ側が正確に目を検出できるように、最初にキャリブレーションを実施する必要がある。
- インテリジェンスな検出能力のみならず、EOS R3は低照度のAF性能が向上している。
連写性能:
- 電子シャッターモードで毎秒30コマの撮影が可能だ。これはキヤノン製カメラとしては最も高速である。30コマと言えば動画のフレームレートである。
- EFレンズも大部分の新しい望遠レンズは30コマ秒の連写が可能だ。
- アンチフリッカー機能を適用すると、連写速度は20コマ秒まで低下する。
- メカニカルシャッターの場合は12コマ秒で連写が可能だ。
- 他のモデルよりも大容量のバッファを搭載しており、RAW+JPEGで150枚の写真撮影が可能だ。(5秒後に連写速度が低下する)ただし、バッファクリア中に手を止めると、非常に高速なバッファクリアとなる。
高感度ISOノイズ:
- 常用ISO感度は100~102400だ。拡張ISO感度で204800まで利用可能である。
- JPEGでもRAWでもISO 400以下でシャープネスとディテールが最も良好だ。
- ISO 800以降はノイズが増加するが、ISO 3200未満でカラーノイズは発生しない。
- ISO 6400でカラーノイズが発生するが、JPEGでもISO 6400はとても綺麗でディテールの損失は僅かである。
- ISO 12800以降でRAWのカラーノイズが増える。JPEGはまだ綺麗だが、ディテールが徐々に低下する。
- ISO 25600におけるディテールの低下は顕著だ。
- ISO 51200から102400まではJPEG・RAWどちらも実用性は低い。
- 全体的に見て、高感度ISO耐性は2400万画素としては一般的だ。ISO100~25600は自信をもって使うことができるが、画質を確保するのであればISO 12800以下に抑えるのがおススメだ。
ダイナミックレンジ:
- 露出アンダーの場合にー3EVを回復しても良好な画質だ。
- 露出オーバーの場合は+2EVで白飛びが発生する。
仕上がり機能:
- 記載なし。
動画:
- 8Kには対応していないが、DCI 4Kや4K UHDなどを含む4K解像のMP4動画ファイルの生成に対応している。
- 後処理が容易なALL-Iを選ぶことが出来る。
- 通常のクリップに加えて、4K 120fpsにも対応している。
- 4Kの画質は良好だ。コントラストとシャープネスはどちらも良好である。
- 4K 60pと30pの画質は基本的に同じ画質だ。
- Canon logを使った広い色空間の動画撮影が可能だ。
- 最大8段分の手ぶれ補正に対応している。
総評
EOS-1D X Mark IIIのフォーカス性能やプロフェッショナルな操作性を継承し、比較的バランスのとれた性能だ。 プロの写真家に優れた操作性と耐久性を提供するとともに、本体の大幅な軽量化・小型化を実現した。裏面照射型積層型CMOSセンサーの採用により、連写性能とバッファクリアが大幅に向上している。 新開発の2400万画素センサーは画質面でも優れており、高ISOはEOS-1D X Mark IIIに及ばないものの、あらゆる照明条件での撮影が可能となっている。
フォーカス性能は全体的に向上しており、特に被写体検出はEOS R5よりも大きく向上している。 プロの写真家を念頭に置いて設計されており、新しいEVFビューファインダーは素晴らしい体験だ。光学ファインダーのような見栄えにすることが可能である。 また、EOS R3は静止画だけでなく動画にも強く、新しいセンサーを搭載したことで、その画質は動画撮影の要求を十分に満たすものとなっている。
- 長所:
・とても良好な低感度ISO性能
・完全にアップグレードしたフォーカスシステム
・連写性能が大幅に向上
・バッファ容量が大幅に増加
・EVFの見栄えが良い
・モニターが見やすい- 短所:
・バッテリーライフは一眼レフほどではない
・複雑な状況では被写体検出が不安定となる
・視線入力AFは鳴れるのに少し時間がかかる
とのこと。
「1」を関するフラッグシップモデルではありませんが、現状でEOS Rのハイエンドモデルとなる機種ですね。新開発の2400万画素積層型CMOSセンサーを搭載し、高速読み出しによる連写性能やAFシステムの強化が施され、被写体検出は新たに胴体や車両に対応しています。さらに、久しぶりの視線入力AFも実装しましたね。
Xitekのレビューでは高感度ISOが1DX3と互角では無いものの、比較して高速連写や動画機能の強化、フォーカス性能で優位性がある模様。さらに、視線入力AFは実用的な機能に仕上がっているようです。小まめな校正によって、視線入力と進化した被写体検出の相乗効果で、厳しい環境でも被写体をフォーカスし続けることができるかもしれません。この装置がEOS R3のみの機能となるのか、将来的に「1」シリーズにも実装するのか気になるところですねえ。
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