IMAGING RESOURCEがキヤノン「EOS R7」のレビューを公開。EOS R3譲りのAFシステムや優れたコントロールなどを評価し、野生動物写真の愛好家であるレビュワーにとって非常に優れたカメラと述べています。
IMAGINGRESOURCE:Canon EOS R7 Hands-on Review
ビルド・外観:
- EOS 90Dと同等の防塵防滴仕様だ。
- APS-Cセンサーサイズはフルサイズ比で1.6倍のクロップとなる。他社のAPS-Cと比べてクロップ倍率が僅かに高い(1.5倍)。
- 他社と比べると少し小さなセンサーだが、画質に顕著な影響は見られない。
- R7の3250万画素 CMOSセンサーはEOS 90DやEOS M6 Mark IIのセンサーとは異なるが、従来通り裏面照射型ではなく、積層型でもない。EOS R3と同じAFシステムだが、同等の性能は発揮できないだろう。
バッテリー:
- 記載なし。
インターフェース:
- SD UHS-IIに対応したデュアルカードスロットを搭載している。CFexpressではないが、SD UHS-IIも良好だ。
携帯性:
- EOS R10ほど小さくないが、大型カメラとは全く異なる。
- EOS R5と比べて少し奥行が広いが、幅は狭く、少し低い。
- 7D Mark IIと比べると遥かにコンパクトだが厚みは同程度だ。重量はR7のほうが遥かに軽い。
- EOS 90Dと比べてもコンパクトで軽量だ。
グリップ:
- グリップは大きくないが、手にフィットする。大きなズームレンズを装着してもバランスは良好だ。
操作性:
- 小型軽量化されているが、物理コントロールに妥協は見られない。
- サムレスト付近のジョイスティックと、それを囲むようにコントロールダイヤルを搭載している。
- R10のジョイスティックと比べて大きく、背面ホイールの搭載は歓迎すべきポイントだ。上部にはISOボタンもあり、個人的に気に入っている。
- 背面ホイールのデザインは好みでは無い。簡単に回転してしまうので誤操作することがあった。
手ぶれ補正:
- 最大8段分のボディ内手ぶれ補正に対応している。R7はさらに手ぶれ補正を利用した自動水平調整機能に対応している。センサーが物理的に回転するのでトリミングとは異なる。
- ボディ内手ぶれ補正と光学手ぶれ補正を組み合わせることで、長焦点時に安定し結果を得ることができる。
- EOS R10と区別化する重要なポイントだ。
ファインダー:
- ファインダーはEOS R3ほどではないが、とても良好だ。ファインダーは大きくないが、小さすぎるとも感じない。アイカップは快適で、リフレッシュレートも良好である。
- ファインダーはそれほど洗練されていないが、動体に追いつくことは可能だ。
- 良好だが一眼レフから乗り換える際に魅力的と感じるファインダーではない。
モニター:
- 大きな背面モニタはタッチ操作に対応したバリアングル式の可動液晶パネルだ。個人的にはチルト式が好みだが、バリアングルは動画撮影に適している。それに縦位置アングルの撮影にも使うことが出来る。
- 背面モニタの解像度は162万ドットで、R10よりも高解像だ。明るい環境でもうまく機能する。
メニューシステム:
- 記載なし。
フォーカスシステム:
- 6000ドルのEOS R3と同じフォーカス機能が多数搭載されている。R3に匹敵するほどではないが、良好なフォーカスシステムだ。
- DIGIC Xプロセッサを搭載し、651点の測距点に対応している。フレーム全体をカバーしており、小さな被写体でも検出して瞳にピントを合わせてくれる。
- 複数の被写体を検出するシーンではAFエリアを狭め、検出する被写体の優先度を高めることで(完璧ではないが)上手くいく。
- 被写体検出機能は敏感で、検出対象がいない場合でも検出する場合がある。使用しない時は検出機能をオフにしておいたほうが良い。
- AFシステムに不満はほとんど無いが、検出対象を簡単に切り替えられる方法があったらよかった。
連写性能:
- 連続撮影はメカニカルシャッターで15fpsだ。バッファはすぐに詰まってしまうが、幸いにもSD UHS-IIにより高速バッファクリアが可能だ。
- 電子シャッターで30fpsまで対応しているが、ローリングシャッターの影響がある。
- 大部分の撮影はメカニカルシャッター15fpsで十分だった。
- SD UHS-II対応のデュアルスロットでバッファは50枚まで対応している。JPEGのみの場合は4倍以上だ。
解像性能:
- EOS 90Dなどと同じ3250万画素であり、目新しい解像性能ではないが優れていることに間違いない。
- ベースISOでシャープな結果を得ることが可能だ。
高感度ISOノイズ:
- 常用ISO感度は100~32000だ。拡張ISO感度で51200を利用可能である。
- ISO 1600までディテールは良好だ。
- ISO 3200で落ち込みが目立つようになるが、それでも良好だ。
- 必要に応じて6400?12800までの使用を躊躇することは無い。
ダイナミックレンジ:
- フルサイズほどではないが、最も厳しい条件を除いてシャドウやハイライトの復元は簡単だ。
画質・仕上がり機能:
- 良好な発色と諧調を備えている。ポートレートでは肌が綺麗に、風景や野生動物では鮮やかな緑と青を捉えることが出来る。
動画:
- 動画の仕様は見事だ。センサー全幅で4K 60pの撮影に対応でき、4K 30pで7Kのオーバーサンプリングも可能だ。Canon-Log3やHDR PQ、FHD 120pの撮影にも対応している。
総評
野生動物写真の大ファンである私にとって、キヤノン EOS R7はほぼ完璧なカメラである。APS-Cのクロップファクターは、画質や高感度ISO性能に関して大きなトレードオフをすることなく、望遠レンズの有用性をさらに高めてくれる。さらに、洗練されたAFシステムは、フレーム全体で動く被写体を追跡する場合でも、非常に良好だ。さらに、ボディ内手ブレ補正機能を搭載しており、厳しい状況下でも安心して撮影できる万能カメラだ。
もし、あなたが動物写真の愛好家でないなら?R7には、まだ多くの魅力がある。
低ISO設定でも素晴らしい画質を提供し、バリアングルモニタを搭載し、AFシステムは動きの速い動物だけでなく、あらゆるものに素晴らしい効果を発揮する。APS-Cセンサーの利点は、主にスポーツや野生動物の撮影に最も役立つかもしれないが、全ての人にとって魅力的な資質を備えている。比較的コンパクトなカメラでありながら、画質、AF性能が良好だ。また、価格も1,500ドルとお手頃である。
- 長所:
・小型軽量
・頑丈
・優れた物理コントロール
・見事な画質
・良好な高ISO感度性能
・信頼性の高いAF
・便利な被写体検出AF
・連写速度- 短所:
・中途半端な電子ファインダー
・バリアングルモニタ
・バッファがより大容量だと良かった
・RF-Sレンズが少ない
とのこと。
APS-Cミラーレスとしては高解像な3250万画素センサーや、最新のフルサイズミラーレスと同じプロセッサ、AFシステムを搭載したカメラですね。この価格帯に被写体検出AFが実装されるのは珍しく、さらにAPS-Cとしては珍しいボディ内手ぶれ補正にも対応しています。ファインダーやバッファは少し妥協が必要ですが、AFなどを重視する動体撮影ユーザーにとって面白い選択肢となるようです。高ISO感度の評価はレビューサイトによってまちまちですが、IMAGINGRESOURCEのレビュワーは「APS-C×高画素」としては良好であると言及。個人的には他社の2000万画素・2600万画素機と比べるとカラーノイズが少し多めと感じていますが、3250万画素のフレームを全体的に見れば確かに良好なISO感度ノイズ耐性と言えるかもしれません。
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