Mobile01が「FE 50-150mm F2 GM」のレビューを公開。高価格で大きく重いとしつつも、体力と資金が許すなら価値のあるレンズと評価。
Mobile01:Sony FE 50-150mm f/2 GM 評測報告|無出其右、中望遠變焦新霸主!
- 外観:白色塗装が施されており、50-150mmの焦点距離では極めて珍しい仕様。屋外での温度上昇を抑える目的でこのカラーリングが採用されている。マウント部にはゴム製のシーリングがあり、ズーム機構や他の保護構造と組み合わせることで、厳しい屋外環境でも防塵防滴性能を維持する。
- 構造:レンズフード「ALC-SH183」は短く太い形状で、個性的なデザイン。フィルター調整窓付き。フード内側はマットブラック塗装で反射を抑制。前玉はフッ素コーティング済み。タイ製造。
- 三脚座:クイックリリース対応、底面には1/4インチ(約1センチ)、3/8インチ(約1センチ)、および位置決め穴を装備。ARCAシステムには非対応。三脚座を取り外すと、レンズ本体側に直接三脚取付用のネジ穴(1/4インチ)があり、直接装着が可能。三脚リング固定の際にクリック音やフィードバックがなく、精確な設置には水準器や目視確認が必要。
- 携帯性:サイズは10.3×20cm。インナーズーム構造により鏡筒長は一定。重量は1340gで、SEL70200GM2の1045gより重いが、50mm〜135mmの定番焦点域を1本でカバーできる利便性がある。ズーミングによる重心変化はほぼなし。
- 操作性:ズームリングとフォーカスリングの位置は使いやすく配置されている。12時・9時・6時方向にAFLボタンを装備し、カスタマイズ可能。絞りリングにはクリック解除スイッチがあり、無段階絞りにも対応。
- AF:大口径設計であるにもかかわらず、レスポンスは高速で安定しており、動作全体を通じて高いパフォーマンスを維持する。
- MF:ブリージング補正をオフにするとわずかにフォーカスブリージングが現れるが、補正適用時はf/22まで絞ってもブリージングをほぼ抑制できる。
- マクロ:望遠端において最短撮影距離は0.74m、最大撮影倍率は0.2倍である。
- 手ぶれ補正:記載なし。
- 解像性能:6100万画素のカメラにおいて、広角端から望遠端まで、f/2〜f/11の範囲で中心・周辺ともに高い解像性能を維持する。f/16以降は若干の低下があるが、f/22まで絞っても画質は許容範囲内である。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:f/3.2まで絞ることで、口径食は90%以上改善される。
- 軸上色収差:f/2開放ではわずかな紫のフリンジが発生するが、f/4まで絞ることでほぼ解消。
- 倍率色収差:やや目立つが、絞っても改善は限定的。ただし、実写において支障が出るほどではない。
- 球面収差:記載なし。
- 歪曲収差:記載なし。
- 周辺減光:記載なし。
- コマ収差:記載なし。
- 逆光耐性:ナノARコーティングIIを採用し、高い逆光耐性を誇る。ただし、極端な光源角度ではフレアやゴーストの発生は避けられない。
- 光条:f/4から光条が現れ始め、絞り羽根の枚数が奇数であるため、22本の光条が放射状に形成され、ウニのような形になる。
- 作例集:多数あり。
- 総評:f/2の一定絞りで50〜150mmをカバーする利便性に加え、屋内での撮影やクローズアップでも優れた性能を発揮。特に150mm f/2の描写力は高く、シャープネスと美しいボケを両立し、SEL135GMよりもさらに滑らかな背景描写が得られる。重量は1340gと重めだが、複数の単焦点レンズを持ち歩くよりコスト・携行性ともに優れている。高価格・大重量ゆえ万人向けではないが、資金と体力が許すならば、価格以上の価値を提供するレンズである。
- 競合について:f/2とf/2.8の1段差は明確だが、ボケの違いを感じ取るにはA/B比較が必要。低照度環境での録画や撮影ではf/2の恩恵が大きく、50-150mmでの一定絞りズームにより、頻繁なレンズ交換を避けられる点が利点である。
- 備考:
2025年5月発売の新しい大口径ズームレンズ。
開放F値「F2」の望遠ズームは他社を見渡しても競合製品が存在しません。フルサイズ対応のレンズとしては、かなり珍しい製品。販売価格はそれなりに高価ですが、レンズサイズや重量は「50-150mm F2」というスペックを考慮すると良く抑えられています。携帯性が良いので、70-200mm F2.8のように扱うことができ、このズーム域で明るいレンズが必要な人にとって面白い選択肢。
競合製品として「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」が存在しますが、望遠端まで「F2」を利用したい場合はソニーGMを選ぶしかありません。また、現状で「150mm F2」の単焦点レンズも存在しないため、このような浅い被写界深度の撮影がしてみたい場合にも要検討。販売価格は非常に高いものの、それだけの価値を見出せることでしょう。
Mobile01のレビューでは、6100万画素のα7R Vと組み合わせて良好が光学性能となっている模様。作例を見ると、広角から望遠側まで特に大きな問題は無さそう。AF性能も良好で、フォーカスブリージングの抑制などの観点で動画撮影にも適しているようです。
ボケに関してはレビューサイトによって評価がまちまち。Mobile01の作例を見る限りでは口径食がかなり強めに発生しています。この点が気になるのであれば、他の選択肢も検討したほうが良いかもしれません。とはいえ「150mm F2」の大きなボケでごり押しすると、口径食は目立ちません。微ボケが広くなる撮影距離では少し気になる可能性あり。
- 発売日:2025年5月23日
- 予約開始日:2025年4月25日(金)10時
- 希望小売価格:オープン
- 市場推定価格:60万円前後
レンズの仕様
発売日 | 2025年5月23日 |
初値 | 60万円前後 |
レンズマウント | E |
対応センサー | フルサイズ |
焦点距離 | 50-150mm |
レンズ構成 | 17群19枚 |
開放絞り | F2 |
最小絞り | F22 |
絞り羽根 | 11枚 |
最短撮影距離 | 0.4(W)-0.74(T) m |
最大撮影倍率 | 0.2倍 |
フィルター径 | 95mm |
手振れ補正 | - |
テレコン | - |
コーティング | Nano ARII フッ素 |
サイズ | 102.8 x 200mm |
重量 | 1340g (三脚座別) |
防塵防滴 | 対応 |
AF | XDリニア |
絞りリング | 搭載 |
その他のコントロール | Fnボタン AF/MF フルタイムDMF アイリスロック クリック切替 |
付属品 | フード キャップ ケース 三脚座 ストラップ |
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