Admiring Lightが「LAOWA 20mm F4 Zero-D Shift」のレビューを公開。純正レンズと比べると手ごろな価格のシフトレンズですが、良好な光学性能と操作性を備えている模様。プロの仕事にも十分使えるとのこと。
Admiring Light:Review: Laowa 20mm f/4 Zero-D Shift (Canon RF)
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- このレンズのイメージサークルは広く、フルサイズセンサーで最大11mmシフトすることが出来る。
- 定点でシフトすることで広い画角のパノラマ撮影が可能だ。専用のレンズサポートを使用することで視差が無い完璧なパノラマ撮影を実現できる。
- 金属とガラスで構成されたフルマニュアルレンズだ。
- 電子接点が無いのでEXIFデータは無い。
- 金属製のレンズフードが付属する。レンズフードは15°ごとにクリックストップがある回転機構が備わっている。とても便利でよく考えられたフードだが、私は家に置いていくことが多い。
携帯性:
- シフトレンズらしく適度に大きなレンズだ。
- 一眼レフ用と比べてミラーレス用はバックフォーカスぶんの鏡筒が長くなっている。
- フィルターサイズは82mmだ。
操作性:
- シフト機能のみでティルト機能は搭載していない。
- シフト機能はギア付きのリングで操作するお気に入りの操作性だ。
- シフト軸は回転可能だ。金属のタブでロックを解除でき、15度ごとにクリックがある。
- フォーカスリングは滑らかに回転する。
- 大部分の被写体は2mと無限遠の間にピントを合わせると良好なシャープネスが得られた。
- 絞りリングはF4からF22まで1段刻みでクリックストップが備わっている。
フォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- EOS R5のボディ内手ぶれ補正はシフトしない場合に問題なく動作するが、シフト時は手ぶれ補正をオフにすることをおススメする。
解像性能:
- 中央はF4でも良好な解像度だ。
- フレーム端は、特にシフト時に少しソフトだ。F8~F11まで絞ると、良好?非常に良好となる。
- 全体的なシャープネスは15mm F4よりも良好で、個人的な見解としてはプロの仕事にも使える水準だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 良好なコントラストでニュートラルな発色だ。
- 発色の飽和度は中程度だ。
色収差:
- 倍率色収差は適切に補正されている。
- 軸上色収差は実質的に皆無だ。
- クローズアップで倍率色収差が少し増加する。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪曲収差が無いわけでは無いが、とても良好な補正状態だ。
- 最大までシフトすると僅かに気が付くかもしれないが、孤児的には良く抑えられている。
周辺減光:
- シフト時に周辺減光が発生するが、シフトしない場合が極僅かだ。
- シフト時に光量を一定にしたい場合は手動での調整が必要となる。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- このレンズに弱点があるとすれば逆光耐性だ。
- 太陽のような強い光源が入ると定期的にゴーストが発生する。
- ゴーストは強くもないが、大きく目立つ場合がある。
総評
私が本当に長く待っていた高品質の光学系で手頃な価格の超広角シフトレンズである。 1099ドルと決して安いレンズではないが、キヤノンのTS-E 17mmのほぼ半値、TS-E 24mmより800ドル安く、高品質の広角シフトレンズとしては非常にリーズナブルな価格である。キヤノンはティルト機能を備えているが、建築写真家にとってティルト機能の有無は気にならない。
太陽がフレーム内にある場合はゴーストに注意する必要があるが、ほとんどの建築撮影では大きな問題とならないだろう。全体的に見て、私は本当にこのレンズが好きで、いつもカメラバッグの中に入っている。強くお勧めできるレンズだ。
- 長所:
・良好な操作性
・良好なビルドクオリティ
・通常のフィルターを利用可能
・シフトしても絞ると良好なシャープネス
・低歪曲
・色収差を良好に補正
・手ごろな価格
・画期的なレンズフード- 短所:
・フルマニュアルレンズ
・逆光耐性
・シフト時の周辺減光
・絞り開放における中間域のシャープネス
とのこと。
数あるレンズメーカーの中でもシフトレンズを提供しているブランドは少なく、特に純正品としてラインアップが存在しないソニーやペンタックス、ライカLでは貴重な選択肢ですね。純正品が存在するキヤノン・ニコンユーザーでも円形フィルターに対応しているのは魅力的なポイントと言えそうです。円安の影響もあって国内販売店では「176,220円」と非常に高価ですが、それでも20-30万円台の純正レンズよりも手ごろな価格設定となっています。
フルマニュアルレンズですが、光学性能は良好らしく4500万画素のEOS R5と組み合わせても満足のいく結果が得られる模様。諸収差も良く補正され、光条も綺麗。イメージサークルが広いので思わぬ逆光に足をすくわれるかもしれませんが(シフトの領域に太陽など強い光源が入っている可能性もある)、それ以外では特に心配する要素は無さそうです。
LAOWA 20mm F4 Zero-D Shift 最新情報まとめ