Mobile01がライカ「Leica Q2 Monochrom」のレビューを公開。高画素センサーと高性能レンズのおかげで柔軟性の高いモノクロ写真を撮ることができ、ライカMと比べてAFも利用できるので快適と評価しています。
モノクロ好きなら検討すべき1台
Mobile01:Leica Q2 Monochrom 評測報告|逐光獵影 操之在手!
- カメラの紹介:
・ライカ最初のモノクロームモデルは2012年の「ライカMモノクローム」だ。その後、「ライカM10モノクローム」が登場し、「ライカQ2モノクローム」へと続く。
・モデルネームが示している通り、4730万画素センサーを搭載したモノクロカメラだ。- ビルド・外観:
・レンズはSUMMILUX 28mm F1.7を維持している。このような明るい単焦点を搭載したフルサイズカメラは市場で珍しい。
・M10-PやM10モノクロームの影響が見られ、ボディにはライカの赤バッジやロゴが見当たらない。控えめで純粋なデザインだ。
・ボディはマグネシウム合金を使用し、IP52の防塵防滴仕様である。
・前面の滑り止めは効果的だ。
・金属製レンズカバーとフードが同梱している。レンズカバーはフードを傷つけないように内側に植毛されている。
・上部デザインはQ2と同じだ。ボタンは金属パーツである。
・NDフィルターは内蔵していない。
・シャッタースピードの「A」も赤色から灰色に変わっている。
・カラーフィルターが無いので白黒の写真しか撮ることが出来ない。同時にローパスフィルターが無いのでディテール豊富なモノクロ撮影が可能だ。
・カードスロットとバッテリースロットは分離している。
・Wi-FiとBluetoothを搭載しているが、公式アプリ「Leica FOTOS」の信頼性が低すぎて通信接続できなかった。10回以上トライしたが全滅だ。アプリ低評価の理由が判明した。- 携帯性:
・ボディサイズは130×80×87mm、重量は637gだ。- グリップ:
・胴体が厚く、背面のくぼみによってグリップは実に良好である。- 操作性:
・背面左側に3つのボタンを搭載。シャッターダイヤル下にはFnボタンを配置している。
・Fnボタンには初期設定ではデジタルクロップが登録されている。AELやAFLに切り替えることも可能だ。- 手ぶれ補正:
- ファインダー:
・解像度は368万ドットである。
・倍率は0.76倍だ。
・輝度、ディテール、倍率は日本産のミラーレスカメラと比べて見劣りしない。- モニター:
・3.0型104万ドットのタッチパネル液晶モニタだ。- メニューシステム:
・記載なし。- オートフォーカス:
・フォーカス速度は高速で正確。顔検出にも対応している。AF-Cで動く被写体を追いかけるのには適していないが、AFSであれば問題は無い。- 解像度:
・35mm・50mm・75mmと3つのクロップ機能を搭載している。それぞれ3000万画素・1470万画素・660万画素のJPEGを利用可能だ。RAWは元データの4730万画素DNGが記録される。- レンズ:
・Q2から継承しているSUMMILUX 28mm F1.7 ASPHは実際にはLEICA Qでも使用している。
・9群11枚のレンズ構成のうち3枚の非球面レンズを使用している。
・絞り羽根は9枚だ。
・通常は最短撮影距離が30cmだが、マクロモードでは17cmまで寄ることが出来る。
・レンズ交換は出来ないが、光学性能に疑問の余地は無い。高解像センサーにより50mmクロップで1470万画素としても利用可能だ。- 連写性能・ドライブ:
・メカシャッターは1/2000秒までだが、電子シャッターで1/40000秒まで対応している。- 高感度ISOノイズ:
・ISO1600~3200でもディテールは豊富だ。
・実用的なISO感度はISO6400~12800までだと思う。
・モノクロセンサーはQ2と少し差が出るかと思ったが、そうでもなかった。- ダイナミックレンジ:
・Q2モノクロームの露出補正は±3を利用可能だ。
・シャドウの回復に問題はないようだが、ハイライトの回復には制限がある。
・+2オーバーで空のディテールはほとんど戻ってこない。- 仕上がり:
・モノクロ写真しか撮れないが、メニューからスタイルを変更可能だ。いくらか色調と強度を変えることが出来る。- 動画:
・DCI/UHD 4KやFullHD 120pに対応している。
・動画の白黒トーンも素晴らしい。総評
ライカM10モノクロームやMモノクロームも面白いカメラだったが、これらはマニュアルフォーカスでピントを合わせなければならない。このため、使い勝手が良いとは言えない。開放F値が小さいとファインダーでピントを正確に合わせる手段が無い。ライブビューを使う手は残されているが、グリップの悪いライカMでライブビューを使いたいとは思わない。
一方でライカQ2モノクロームは電子ファインダーを搭載し、信頼性の高い高速フォーカスを利用できる。さらにタッチパネルや優れたグリップによりライカMとは全く異なる撮影体験だ。
ライカQ2モノクロームの色調はライカQ2の色調とは明らかに異なる。ライブビューはモノクロ限定なので、より光と影の構図に集中できる。私はこの色の干渉が無い撮影プロセスを楽しんでいる。Q2のモノトーンはグラデーションが非常に豊かでコントラストがどれほど強くても諧調が残っている。
モノクロ写真が大好きならばライカQ2モノクロームは検討する価値がある。
長所:マグネシウム合金ボディ・防塵防滴・高画素センサー・ローパスフィルターレス・F1.7・28mmながら歪曲収差が小さい・実用的なクロップ機能・高速AF・マクロ機能・OLEDファインダー・応答性の高いタッチパネル・静音性の高いシャッター・DCI 4K 24pやFullHD 120pに対応
短所:公式アプリの安定性が低い・ダイナミックレンジは普通
とのこと。
短所と言える短所は専用アプリとの接続性だけみたいですね。モノクロ写真が好きであれば面白い選択肢となりそうです。
実際の作例を確認してみると、べイヤーフィルターのモノクロ写真と比べてディテールが豊かでクロップしても自然な描写を維持しています。35mmや50mmのクロップでも普通に使えそうですねえ。75mmクロップはさすがに解像度が低くなるものの、ウェブやSNSでの利用であれば十分な解像度。
実売70万円超と非常に高価なレンズ一体型カメラ。とは言え、4700万画素センサーを搭載したカメラボディとSUMMILUX 28mm F1.7がセットになって70万円と考えると、決して高すぎることは無いのかもしれません。「ライカM10モノクローム」がボディだけで100万円を超えることを考えると、確かに安く見えます。
購入早見表
Leica Q2 Monochrom | |||
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ビックカメラ | ヤマダ | PREMOA |
主な仕様
T独特の魅力と不思議な美しさで昔から親しまれているモノクローム写真は、「光で描く」という写真の本質がカラーよりも顕著に表れます。ライカのモノクロームカメラは、モノクロという魅力的な写真表現に特化した、モノクローム撮影専用のカメラです。
そのモノクローム撮影専用カメラに、ライカQ2モノクロームが新たに加わりました。フルサイズコンパクトデジタルカメラとしては世界で初めてモノクローム撮影専用の撮像素子を搭載しています。
参考
- Leica Summilux 28 f/1.7 ASPH
・9群11枚
・非球面レンズ3枚
・F1.7-16
・49mmフィルター - デジタルズーム:35mm・50mm・75mm
- 解像度:
・28mm:47MP
・35mm:30MP
・50mm:15MP
・75mm:7MP - 裏面照射型 4730万画素 カラー・ローパスフィルターレス
- ISO 100-100000
- ダイナミックレンジ 13stops
- 225点 コントラストAF
- 60-1/2000秒 メカニカルシャッター
- 1-1/40000秒 電子シャッター
- フラッシュ同調 1/500秒
- 368万ドット OLEDファインダー
- 3.0型 104万ドット タッチパネル
- 2.4GHz Wi-Fi・Bluetooth LE
- 動画:
・4K 30p
・DCI 4K 24p
・Full HD 24-60p
・AAC - SDXC UHS-II
- Leica BP-SCL4バッテリー 360枚
- 130×80×91.9mm
- 734g
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