DPReviewが「LUMIX DC-S1RM2」のファーストインプレッションを公開。全ての評価はAF次第としつつ、高解像ながら高速性能の高いセンサーや動画撮影を評価。AFはまだ改善の余地を残している模様。
DPReview:High-res hybrid: Panasonic Lumic DC-S1RII initial review
新型センサー
- S1Rや、SL3とは異なる、解像度はやや低いが高速なセンサーを採用。
- デュアルコンバージョンゲインを搭載。2つの読み出しモードのうちどちらを使用するかを手動で選択可能。
- 今回はセンサーが裏面照射型CMOSであることを公表している。
オートフォーカス
- 像面位相差AFを搭載したパナソニックカメラの第2世代。
- 被写体認識と追従アルゴリズムの両方を大幅に改善。
- 対応する被写体
・人間
・動物(犬、猫、鳥
・車
・オートバイ/自転車
・列車
・飛行機- 一部が隠れたりしても、より正確に追従し続けることができる。
Cinelike A2
- 静止画と動画の両方で、新しい「Cinelike A2」カラーモードを搭載。
- フラットでDR優先の「D2」とパンチの効いた即戦力「V2」プロファイルの中間にある、非常に穏やかなプロファイル。
リアルタイムLUT
- 最近のパナソニック製カメラに搭載されているリアルタイムLUT機能を搭載。
- 最大39個のLUTをカメラにロードすることができ、必要に応じて2つのLUTを異なる強度で組み合わせることも可能。
フォルスカラー
- 静止画/動画カメラとして初めて、フォルスカラーオプションを搭載。
- 画像のどの部分がクリッピングされているか、またはクリッピングの恐れがあるか、どの部分が中間調として露出されているか、または明るい肌色に適したレベルで露出されているかを認識しやすくする。
- この表示は、静止画モードと動画モードの両方で使用可能。
Capture Oneのテザリング
- Capture Oneからテザリング撮影ができるパナソニック初のカメラ。
- 他の機種への対応拡大は、需要に応じて決定される。
動画の新機能
- UHD 8K(7680 x 4320)の映像を生成するには画素数が少し多い。
- DCI 8K(8192 x 4320)は必要とされる画素数よりも若干少ない。
- パナソニックが8.1K(8128 x 4288)と呼ぶ、1.89:1のアスペクト比に準拠した解像度を提供。
- パナソニック製品に期待される機能もすべて搭載。
・シャッター角度
・波形モニター
・ベクトルスコープ
・フィルタリング
・またはカスタムリストのビデオモード
・XLR2アクセサリーを介した4チャンネルオーディオおよび32bitFloat
・アナモフィックレンズのサポート
・録画中を示すタリーランプ- UHD 4KモードでAPS-C領域から120および100pの撮影にも対応。
ダイナミックレンジの拡張
- DR拡張モードを搭載し、コントラストの高い状況下で余裕のあるハイライト情報。
- この機能は、30pまでのフレームレートのムービーモードで有効にすることが可能。
- V-Log映像を撮影する場合にのみ適用可能。
- 同社のマイクロフォーサーズカメラのDRブースト機能と同じシステムではない。
- より高いbit深度の読み出しに移行するため、ローリングシャッターのコストが発生する。
オープンゲート撮影
- センサーの3:2領域全体からフル解像度撮影をダウンスケールした6.4K映像を撮影可能。
5.XKは最大60p、4Kは最大120p
- 1.89:1のDCI 4K、16:9のUHD 4K、または同じ領域から撮影した5.9Kまたは5.8Kを選択可能。
- すべてが10bit映像として利用可能。
- 4Kは4:2:2クロマでエンコードされる。
- 5.XKモードは4:2:0でエンコードされる。
・30pまでの映像は、フル解像度でセンサーの全幅から撮影。
・60pにするために若干のクロップが加えられる。- 4K 100pおよび120pモードでは、ラインスキップ。
- DCIおよびUHD 4Kは、APS-C領域で最大60p。
- 興味深いことに、DR拡張モードにおけるローリングシャッターレートは、14bit静止画のレートと一致。
- 60p出力のローリングシャッターは12bit静止画読み出しレートと一致。
- 従来のMOV圧縮映像に加え、ProRes 422またはProRes RAWフォーマットでさまざまな解像度でのキャプチャが可能。CFexpress Type B カードまたは外付けSSDに記録可能。
- ProRes RAW(HQまたは標準の圧縮レベルを選択可能)はセンサーの1.31倍クロップから取得され、ProRes 422(同じくHQまたはStd)は8.1Kの全幅。
今後の展望
- 7.1Kと8.1K(ネイティブ解像度)は、今後のファームウェアアップデートで有効になる予定。
- HDMI経由で最大8Kの出力だが、8.1Kまたは7.2K解像度のRAWオプションが後日追加される予定。
比較
- 高解像度のソニーα7R Vか、高解像度で高速なニコン Z 8や キヤノンEOS R5 IIの中間的な位置。
- 同クラスの製品と比較して、S1R IIは価格がかなり抑えられている。にもかかわらず、そのスペックは全体的に競争力がある。
- また、動画では、積層センサーモデルよりもローリングシャッターがかなり多く発生するが、ソニーよりもはるかに優れた性能。
- a7R Vのローリングシャッターレートは38ミリ秒であるため、8K/30を実現できない。S1RIIは8K/30を実現できる(24ミリ秒)。
- 立派な性能だが、EOS R5 IIとZ 8のそれぞれ13ミリ秒と14ミリ秒には及ばない。
ボディと操作性
- 初代S1シリーズカメラの重厚なデザインではなく、小型のS5IIシリーズをベースにしたボディを採用。前機種よりも小型かつ軽量。
- 内部ファンを搭載しており、ファインダーの盛り上がった部分の両側に2つの小さな排気口。
- 「GHシリーズ」の録画信頼性には及ばないが、それでも長時間の録画が可能。
- ボディ自体のサイズはS5IIとほぼ同じだが、より深いハンドグリップ。
- 前面Fnボタンは一つに減ったが、RECボタンを追加。
- フラッシュ同調ソケットなし。
- 静止画/動画/S&Qの専用スイッチを搭載。
- 両方のモードダイヤルには、トグルロックボタンを搭載。
- モードダイヤルに5つのカスタムポジション。静止画と動画のカスタム設定を個別にカスタマイズできる。
- 5番目のカスタムポジションは、必要に応じてカスタムメモリ 5~10にアクセス可能。写真と動画のカスタム設定をそれぞれ最大10セットまで保存できる。
背面モニタ
- ソニーα7R V と同様の可動方式を採用。
- チルトモニタに、バリアングルモニタが加えられている。
- マイク、ヘッドフォン、HDMIソケットとの干渉を避けることが出来る。
バッテリー
- S5IIと同じ15.8WhのDMW-BLK22バッテリー。
- 350という数値は立派なもので、忙しい撮影日でも困ることはない。しかし、ソニーのα7R Vのようなバッテリーライフではない。
- 新しいバッテリーグリップDMW-BG2に対応。バッテリーのホットスワップが可能。バッテリードアが開くまでは外部バッテリーを使用し、その後、グリップに新しいバッテリーが挿入されるまで、カメラ内部バッテリーを使用。
- グリップは、高bitレートの動画を外部SSDに記録するなど、消費電力の高い組み合わせの場合に、両方のバッテリーを同時に使用できるようにする。
ファーストインプレッション
- あまり売れなかったカメラの後継モデル。
- S1Rはフォトグラファー向け。S1RIIはハイブリッドカメラ。
- 積層型CMOSセンサーではないが、動画撮影に適している。
- 高解像だが一般的な2400万画素フルサイズセンサーと同等のローリングシャッター。かつ、より優れたディテールとダイナミックレンジ。
- ラインスキップの必要がなく、最小限のクロップで4K/60を実現。
- 「GH」シリーズ向けに開発された同社のビデオ機能がすべて搭載。
- S1Rはすでに非常に強力な静止画機能を備えている。劇的な改善の余地が少ない。
- 静止画・動画に関わらず、S1RIIの評価はオートフォーカス機能の改善の成否にかかっている。
- 新型カメラは、位相差検出システムの改良版を搭載。本当に高速で信頼性が高いのであれば、S1RIIは非常に興味深いものとなる。
- 最初の印象は、ロックオンすると非常に粘り強いように見えるが、現代のカメラではあまり見かけないほど、何もピントを合わせられない場面もある。 ファームウェアで対応できることを強く期待している。
2025年2月末に発表されたLUMIX S シリーズのミラーレスカメラ。新開発の4400万画素 BSIセンサー、L2テクノロジーを採用した高速処理に対応するプロセッサを搭載。40コマ秒の連写撮影や、8K 30pの動画撮影に対応しています。高価な積層型CMOSセンサー以外の選択肢としては、非常に高速な高解像カメラと言えるでしょう。
同時に前モデルから大幅な小型軽量化を実現し、少なくとも北米での売り出し価格は安め。さらに、高解像のEVFやチルト+バリアングルモニタを搭載しつつ、S5IIに近いボディサイズとなっています。
DPReviewは積層型CMOSセンサーほど高速ではないとしつつも、非常に高速な高解像センサーを搭載していると感じたようです。設定によってはダイナミックレンジとローリングシャッターがトレードオフの関係にあるようですが、どの程度の差があるのかは今後のテストで明らかになると思われます。
全ての評価は像面位相差AFの出来次第としており、今のところ不安が残る模様。ファームウェアアップデートでどの程度まで改善できるのか注目ですね。
言及していませんが、S1RIIは手持ち撮影のハイレゾモードに対応しています。1億画素以上の高解像撮影を気楽に実施することができるようになっています。魅力的な機能ですが、出力されるファイルサイズや合成結果が気になるところ。
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